こんにちは。小学生の不登校専門カウンセラー
今日はこんなご質問にお答えしていきます。
文面からでしか推測できませんが…私が感じたことを書きますね。
Aさんは、不登校が『甘え』だと思われているんですね。
そしてとてもつらい学生生活を送ってこられた。
辞めようと思えばいつでも辞めれたけど、それはしなかった。
ご自身が死ぬ気になるまで頑張り抜いて行ってたんですもんね。
自分よりももっと大変な人がいるんだから…辛い人がいるんだから…そう奮い立たせて頑張ってこられたのでしょうね 。
Aさんは、甘えることは悪いこと、甘えるべきではないと言っているように感じられました。
では、お聞きしたい。
甘えることは本当に悪いことなのでしょうか?
子どもが甘えるとどうなりそうで怖いですか?
引きこもりになりそう?
働かなくなりそう?
事件を起こしそう?
私も長男が不登校になったとき、
将来この子はどうなるんだ?いつまで続くんだ?
そう先の不安に駆られたこともありますし、休ませることで甘やかしになるか?と葛藤することもありました。
ただ、いま私は子どもにとって「甘える」というのはなくてはならないものだと思っています。
愛着、アタッチメント
という言葉はご存じですか?
イギリスの児童精神医ジョン・ボウルビィが提唱した理論です。
心理学や小児の発達について学んだことがある方はご存知だと思います。
愛着(英語でAttachment)は心理学の用語。
乳幼児が特定の養育者(母、もしくは父、祖父母ということもある)との間に築く情緒的なきずなをいう。
自分をいつも大事にケアしてくれる人に寄せる信頼、安心感といってもよいですね。
安定した愛着は子どもにとって安全基地。
これがあるからこそ、子どもは他の人との関係や新しい経験などに踏み出していけるのです。
weblio辞書より一部抜粋
最近は愛着障害という本も出ていますよね。
こちらは大人に医学的な診断がつく事はごく限定的ですが、心理学用語として使われています。
赤ちゃんを想像してみてください。
ママから少し離れて遊んでいたら、知らない子がきた。
ママのところに抱っこしてもらいに戻る。
でもおもちゃが気になって様子を見ながら、また遊びに行く。
これらを繰り返す。
離れているときもチラチラとママの様子を確認する子もいますよね。
子どもは、ママという安全基地があって何度も甘えと冒険を繰り返しながら自立に向かって育ちます。
不登校ができるお子さんはその家こそが安全基地だということなんです。
もう赤ちゃんじゃないでしょ?
という声が聞かれそうですが、その時期に戻るくらいの危機に面しているのです。
そして何歳からだってやり直せる、私はそう思います。
(ここで不登校の子全てに愛着の問題があると言いたいのではありません)
十分に甘えられれば、休息がとれれば、自立すること(子どもが動き出す・踏み出すこと)につながる。
不登校にも段階があるそうで、長男は今特に夜は横で寝てほしいと甘えてくるんです。お風呂後に体を拭いてほしい、とも。
一番大きい体の子どもが甘えてくる…正直うざったいと思ったこともあります。
でも…それだけ心が不安定なのかなということも感じています。
赤ちゃんがママのところに戻ってくるときのように。
そうやって自分は愛されているのかを確認しているように思えます。
甘えることは成長の上でとても大事なもの。
甘えられるということは信頼しているということ。
甘えることを十分にしてきた、受け止めてもらえた子は自己肯定感も高いし愛着障害も起きないのではないかと思います。
ここ最近ですよ、愛着障害というのが聞かれるようになってきたのも。
今大人になって子育てしている世代は子どもの頃甘えたくても、
泣くな!強くあれ!甘えるな!
と言われてきた時代なのかもしれませんね。
私も泣いてはいけないと思ってましたから。頼るのも、助けてというのも下手くそです。
私より少し年上のAさんも厳しく育てられてきたのかな?その方法しか知らないのかな?とも思いましたよ。
直接きいてみないと分からないけどね。
でもそれ、そろそろ少しずつ手放していきませんか?
Aさんは、特に
強くあるべきだ
というマイルール(~すべき、~すべきでない)をお持ちではないかなと思います。
このマイルールを持っている人は具体的に、
●甘えてはいけない
●怠けてはいけない
●弱みを見せてはいけない
●泣いてはいけない 等
と思われる方が多いんじゃないでしょうか?
マイルールは裁判官のように、他人も自分も見張ります。
それを破っている人がいると怒りがわいてくる。
自分に甘えを見つけるとそれだけで自分をも責め、裁きます。
だから今回、Aさんは不登校は甘えだ!と言いたくなった。
そうではないですか?
もちろん不登校には様々な原因が絡んでいる。
その原因を不登校になったすぐに話せることはほとんどないとも言われます。
本人も何故なのか年数がたたないと分からない場合も。
でね、休んだ子達も少なからず罪悪感を感じています。
でも“行かない”というより“行けない”んですね。
確かに家にいると元気なように見えることもあって、親としてはなんだ元気なんじゃん、この姿なら行けるんじゃないの?と思ったりすることもありますよ。
でもそれは家にいるからこそ元気でいられるんです。
そう、安全基地だからね。
このご質問で、むしろAさんから感じられた気持ちがあります。
私だって甘えたかったのに…ずるい、うらやましい
という気持ち、隠れていませんか。
そんなことない!
とおっしゃるかもしれません。
ただ、文面に甘えという言葉が何度も出てきます。
なので、「甘える」というのがキーワードになっているように感じました。
もしかしたら、甘えることは今後のAさんが生きやすくなるヒントになるかもしれません。
自分はこうしたかった…という気持ちに気づくこと、認めることでモヤモヤが楽になることもあるんですよ。
怒りを感じると、正しさを伝えたくなります。
相手に怒りを感じることは、自分に禁じていること抑圧していること。
自分の中にも、あるもの。
ないものは気にも止めないですからね。
だから不登校は甘えだ!とわざわざ質問してくるということは、甘えを禁じている、昔甘えを抑圧したことがあった。
私、ほんとは甘えたいんです…と自己紹介してるみたいですね。
私も同じマイルールを持っていますので、書きながらアイタタタ…です。
Aさん、よかったらご自身にも甘えることを禁止していないか、甘えることで何が怖いのか、何が起こりそうだと思うのか、ぜひ考えてみてくださいね。
イラっとしたあなたにも「ある」
不登校のお子さんを持つ親御さん、今回不快に思われた方もいらっしゃるかもしれないですね。
不登校の子どもに安心感を与えるのには、安全基地で甘えさせることもいいですが、日々の生活の中で話を「聞く」という方法でもできます。
甘えさせる、は子どもからこないとできないですからね。
特に思春期にはしゃべらなくなることも多い。
きくことを学ぶと大げさじゃなく自然に話しかけることができるんですよ。
そしてもしもこの質問を読んでイラッとされた方も、反応しているということは自分の中にあるということですよ。
Aさんと同じように思った節もあるかもしれないし、逆に不登校児は甘えさせなければならないという風に反対側に振り切っている場合もあります。
私も子どもがなるまでは、不登校って甘えもあるでしょって先入観少しは持ってた部分あるから、Aさんを咎めることはできません。
反応する、ということはマイルールが絡んでいます。
マイルールは、親や先生、メディアや宗教など小さいころから自分を作り上げた価値観なんですね。
でも、大人になったら必要ないものもある。
生きづらさにつながっているものもある。
そこに気づいたりゆるめたりで楽になることができるんです。
そして不登校の子と同時に、不安定になるお母さんのこころ。
子どものこころのコーチング講座で、その自分のこころの声を聴いて自分を受容し、さらに子どものことも受容することができるようになっていきます。
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マイルールや自分のこころの声を聴くについては、子どものこころのコーチング講座 2日目にやります。
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