「得手に帆を上げて」  -12ページ目

「勝負」by 舛田幸三

将棋棋士の升田幸三の著書です。
舛田幸三は大山十五世名人のライバルで、この本自体も1970年の新聞連載を
文庫化したものです。

深く「考える」ということにおいて、恐らく将棋棋士って有数の職業だと思うので、
彼らの棋士の著作を読むと、色々な示唆を得られることが多く、これまでも羽生善治の
「決断力」、大山康晴の「勝負のこころ」、米長邦夫の「人間における勝負の研究」などを
読みました。で、今回4作目なのですが、やはり色々考えさせられる下りが多く、
今も自分の中で反芻してます。印象的だったのが、本のタイトルにもある「勝負師」の下りで:

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一か八かのやけっぱちみたいなことをやるのを勝負師と言う人があるが、これは大間違いです。
そういうのは勝負師とは言わない。賭博師と言う。
~中略~
勝負師とは、ゲタをはくまで勝負を投げないものをいうんです。大刀が折れて、小刀が折れても
なお百方手段を尽くし、そして小柄がなくなれば爪で引っ掻き、歯でくらいついてゆく。
とにかく生ある限り抵抗し、挽回を図る。そういう持久力のある、忍者みたいなのが本当の
勝負師です。
~中略~
勝負と言うのは、よく読んで、たとえば事故の起きそうな点をシラミつぶしに検討しておいて、
これなら間違いないという底辺を作っておいてから、手を下す。それが勝負なんですね。
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日本には古くから「敗れて悔いなし」とか「美しき敗者」みたいな負けの美学が持て
囃されてますが、升田幸三は「勝ちを掴むまであがき続けろ」と言ってます。
僕にはこの姿勢が正しいように思えます。「美しい最後」というのは、意外に
その時に取りうる一番楽な手段であることが多く、実は「逃げの一手」だったりするので。

最後の下りについても、他の棋士との共通点も多く、米長邦夫は最善の手とは
「悪手をささないこと」、と言ってます。
またビジネスにも応用の利く考えで、僕がハッとなったのは、以前孫泰蔵さんのブログで
「リスクに対する構え」というエントリーの中で、孫正義さんが強調していた点と全く
同じだった点です。そのやり取りを引きます。http://taizoson.tumblr.com/

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正義
「泰蔵、なにかに取り組もうとするとき、不測の事態が起きたときのための備えとして
お前やったらどれくらい構えておけばいいと思うか?」

泰蔵
「ええ!?そんなこと考えたこともないんやけど・・・。えーっと、まず、なにかうまく
いかなかったときにはこうしよう、という代替案くらいは用意するよねえ。それもだめ、
というときのさらなる代替案ってこと!?えー?どれくらい用意しとかんといかんと!?」


正義
「要するにお前の構えは一重、やって二重ということやな。それじゃあ足らん。
俺の場合は、たいてい四重五重は常に準備している。それでも足りないと思うとき、
たとえば大勝負のときなどは七重から八重の構えが望ましいな。」
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1970年と2012年、将棋とビジネス。
色々なものを超える示唆が満載な良書です。


勝負 (中公文庫)/中央公論新社

¥720
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「ユダヤの格言:タルムードの教え」 by 竹中充生

前回の「モサド前長官の証言」に引き続き、ユダヤ関係の本を読んだ。
タルムードとは長い年月をかけて口伝で語り継がれてきた人生における規範と、
それらにまつわる議論をユダヤ教の本として纏めたものだそう。
日本で言うと諺に相当するのか。

幾つか印象に残った格言を紹介する。

■ ライオンの尻尾にはなっても、キツネの頭にはなるな

 →中国の「鶏口となるも牛後となるなかれ」の真逆の意味です。

■ キツネに時運がある時は、狐に頭を下げよ

 →たとえライオンと言えども、キツネが時流にのって力を持った時は
  頭を下げなければならない

■ 祈っても答えが無かったら、もう一度祈るべきである

 →簡単に諦めない「しつこさ」が成功を呼ぶ

第一印象として、タルムードの格言は「実利的」という言葉がぴったりな感じ。
ここら辺のバックグラウンドは恐らくユダヤ人が辿ってきた歴史が影響しているんだと思う。
ユダヤ人の歴史は迫害と流浪の歴史と言って良いほど可哀そうなものであり、
そんな背景から強い「生への執着」を生んだそうだ。
面子などよりもとにかく実利を優先する考え方もそうした歴史によって育まれた民族性の
ようなものがあるのかもしれない、と思った。



ユダヤの格言 ~知られざる教典「タルムード」の教え~ (マイナビ新書)/マイナビ

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「モサド前長官の証言:暗闇に身をおいて」by エフライム・ハレヴィ

著者のハレヴィ氏の経歴はざっくり次の通り:
モサド前長官。1934年イギリス生まれ、エルサレムのヘブライ大学で法学修士号を取得。
1961年モサド入局、以後28年勤務。1995~98年にイスラエルのEU駐在大使を務めた。
1998年から4年半モサド長官を務める。
※モサドとはイスラエルの諜報機関で、まあCIAのようなもの。

そのハレヴィ氏が湾岸戦争から9.11までのイスラエルの中東外交を描いたのが本作。
個人的には次の2点が印象に残った。

① 9.11は近代史の中で「紛争」の定義を変えた分水嶺だった

・中東における紛争の原因であった宗教、民族問題が中東から世界に向け「グローバル化」した
・テロ、大量破壊兵器の2つが新しい脅威となった。
・これらの脅威に対する情報収集と分析が重要になってきたが、テロ活動を展開するイスラム系
 組織はセル化し、外界とのアクセスを 最少に抑えるため、情報収集の手段が非常に限定
 されている。従って冷戦時代に育まれた諜報機関の組織形態、ルールなどの刷新が求めら
 れている

② 歴史の形成過程において個人の思想、思惑が結果に大きく作用する。ただし、これらの
  個人の意思も外部要因によって容易に影響を受ける。一例として、交渉相手に国内の
  ライバル(政敵など)がいたとして、これらの政敵などとの軋轢が歴史の形成にに大きく
  影を落とすことがある

本作の前半は特に湾岸戦争からイスラエル・ヨルダン和平条約に至るまでプロセスが丹念に
描かれており、②の部分が実例をもって描写されている。また著者が仕えた6人のイスラエル
首相、並びにアラファト、ヨルダン国王、アサド大統領など中東の指導者の人物像などが
描かれており、これらの個性が中東歴史の形成にどのように作用していったのかが、
分かり易く描写されている。

中東現代史の証言としても貴重だし、読み応えのある良書だと思う。
難点はモサドとしての活動の詳細はほとんど触れられておらず、モサドの活動内容に
興味がある人にとっては肩すかしかも(まあ、諜報組織と言う性格上、話せない事ばかりだと
思うのである程度は止む無しか)。

モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」/エフライム・ハレヴィ

¥1,890
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経理業務 ~初めての月次試算表~

5月から営業開始した我が西原エネルギーの初の月次試算表が出来ました。
なにしろ月次試算表は飽きるほど見たことあるのですが、実際に作成するのは初の経験なので
若干不安でしたが、日次の仕分けをし続けていれば、あとは会計ソフトが自動的に作成してくれるので、拍子抜けするほどあっさり完成しました。

初月度なので当然赤字なのですが、販管費の課目別割合をざくっと見てみました(給与は除く)

 地代家賃  56%
 旅費交通費 28%
 その他   16%

今月はGWの関係で家賃の支払いが月初と月末に2度あったこと、また大阪出張があり、
旅費交通費が突出したことの2つを調整し、通常月の販管費のイメージを作ってみたところ、

 地代家賃  64%
 旅費交通費 10%
 その他   26%

となりました。ちなみにその他の中で一番比率が大きいのは通信費で、オフィス代と人に絡むところに経費が集中する典型的なコンサルタント業の原価構成となりました。
ただ現在は自宅兼オフィスとしているため、この地代家賃(その他通信費や水道光熱費なども)も本来であれば相応の比率で按分しなければいけないのですが、今回はそのまま全額計上しています。税理士に相談してからこの按分比率を決めようと思っているので、それが決まれば、販管費の割合も自ずと変わってくると思います。

もっとも創業時にせっかく会社に入れた資本金を、すぐに日々の経費などで引き出してしまうと、面倒な増資の手続きが必要になってしまうので、すべて自腹で立て替えて、会社からの費用精算は会社に余裕ができた時とする方針の為、「役員借入」という勘定科目を流動負債として新規作成し、自腹で立て替えたものはすべてこの形で記帳する予定ですので実際の帳簿上の構成割合はこうはならないのですが。

まあ販管費の割合はともかくとして、ざっくり月々のバーンレートが分かりました。
ここから黒字転換に必要な売上レベルも推量できます。
とにかく経理はベースなので、早めに固めてしまいたいです。

「マネー・ボール」by マイケル・ルイス

ブラッド・ピットが主演している映画「マネー・ボール」の原書を読んだ。
現在のメジャーリーグはヤンキースを筆頭に金持ちチームが大金をはたいてスター選手を
買い漁る、そしてそういうチームは優勝する、というトレンドが顕著だが、この本の主人公が
GMを務めるオークランド・アスレチィックスは真逆のチーム。つまりほとんどお金を使わない。

ちなみにアスレチックスが属するアメリカンリーグ西地区の順位表は次の通り:

         勝  負 総年俸
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 アスレチックス 103 59 $41,942,665
 エンゼルス    99 63 $62,757,041
 マリナーズ    93 69 $86,084,710
 レンジャーズ   72 90 $106,915,180
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つまりつぎ込んだお金と勝ち星が反比例している。
この圧倒的なコストパフォーマンスの原因を突き詰めていくとアスレチックスの旧来と
全く異なる選手の評価法と野球理論に辿りつく。
例えば、こんな具合だ:

★足の速さ、守備のうまさ、身体能力の高さは特に過大評価されがちだ。しかし野球選手として
 大事な要素の中には非常に注目すべきものとそうでないものがある。
★ストライクゾーンをコントロールできる能力こそが実は将来成功する可能性と最も繋がりが
 深い。一番分かり易い指標が四球数なのだ。
★アウト数を増やす可能性がある攻撃はどれも賢明ではない。逆にその可能性が低い攻撃ほど
 良い。
★打率よりも長打率よりも、出塁率を重視する。
★打点などの「偶然性」に左右される指標を軽視しする。

こうしたデータは他の球団スカウト達はあまり重視しない。だからこそ、アスレチックスは
そうした埋もれた人材を安く集めることが出来、結果としてチームの勝ち星が増えていく。
つまり昔堅気の「スカウトの眼」に頼るのではなく、データ重視のチーム運営をしている。
ここら辺が非常にテンポよく描かれており、普段見慣れている「ベースボール」という
スポーツが全く違ったスポーツに見えてくること請け合いだ。

マネーボールで描かれていることはビジネスにも示唆があると思う。
スカウト業界についてこんな下りがある:

① 野球経験があるスカウトは必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。
  自分の経験こそが典型的な体験だと思いがちだが実際にはそうでもない。
② スカウトは選手の最近の成績ばかりを重視する傾向がある。最後にやったことが
  次にやることだとは限らない。
③ 目で見た内容、見たと信じ込んでいる内容には実は偏見が含まれている。眼だけに
  頼っていると錯覚に陥りやすい。

つまり「通説を疑え」という事だと思う。実際に本書でも「誰かが錯覚に惑わされている時、
現実を見据えられる別の人間にとっては金儲けのチャンスだ。野球の試合には、目に見えない
要素がたくさんある」と言っている。

僕にとって、この本が興味深かったのは、「あまり注目されていなかった領域
(錯覚されていた領域)を統計的に解明する」というプロセスで、これはビジネスにおいても
重要な示唆があると思う。特に人間が介在する領域はこの「錯覚」が起こりやすいので、
ビジネスチャンスがありそうかも、と思わず夜の読書中にニヤニヤしてしまった。


マネー・ボール (RHブックス・プラス)/マイケル・ルイス

¥798
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「国境の南、太陽の西」by 村上春樹

「ノルウェーの森」以来、実に20年ぶりの村上春樹。
高校生の時に読んだ「ノルウェーの森」は本当に10代を決定付けるくらいの影響を受けた。
曲調に合わせたかのような淡々とした文章、比喩的な感情表現、そして全編を通して漂う
死への憧憬。多感な10代という年代へのアンチテーゼのような作品で、
だからこそ僕は影響を受けたのだと思う。

あれから20年が経ち、「国境の南、太陽の西」という本を読んでみた。
主人公のハジメ君は37歳。ほぼ僕と同じ年。
結論から言うと、同年代の人は是非読んでほしい傑作だと思う。
それは「迷いながらも、生きること・前に進むことを選択する大人の責任」
描かれており、それは30代半ばにある僕らの自己投影ともいえる姿だからだ。

この小説の主人公はジャズバーを経営している。かなり繁盛しており、
アルマーニの服を着て、箱根に別荘を持ち、結婚もしてそれなりに愛している妻と
可愛い娘が二人。結構、幸せな生活を送っている。しかし、その生活が砂漠を表現するように
味気ないようにも思われ、そこに漫然とした不安が熟成されていく。
この辺りは同年代の実生活にもかなり被る部分があるのではないだろうか。

そこに幼馴染の「島本さん」が登場し、昔に島本さんと遊んでいた時に感じた「吸引力」に
再びのめりこんでしまうのだが、この辺りの会話の妙は流石で20年ぶりに村上ワールドを
堪能した。不思議な事にハジメ君とワタナベ君が妙に頭の中でシンクロする感じ。

(それはともかく)ハジメ君のこの辺りの感情の原点は「喪失感」なんだと思う。
10代の頃はとかく多感で色々な事に自然にのめり込んで行けた。でもそこで色々な落し物や
忘れ物をしていたことに気付き始めるのが20代後半、明確に意識し悩み始めるのが
30代ではないだろうか?経験を積んで多面的に物事を見れるようになった分だけ、
また色々な責任を背負い込んでしまった分だけ、シンプルにストレートに物事に
ぶつかって行けてた10代の頃の自分への憧憬に苦しむ30代の想いが物語から伝わってくる。

そして物語は終盤に。ハジメ君は島本さんの「吸引力」に身を任せることに決め、
家庭破壊の直前にまで至る。二人で箱根の別荘に行くのだ。妻に嘘をついて。
しかし箱根の別荘で二人で一晩過ごした後、「島本さん」は死を選ぶ。

この辺りの下りは「ノルウェーの森」の直子を髣髴とさせる。死を選ぶ、その背景にある
「ある種の物事は一度前に進んでしまうと、もう後には戻れないのよ、ハジメ君」という諦観。
ただハジメ君は悩みながらも「生きること」を選択する。ここに物語の主題がある。

「自分の中にこれから先ずっと有紀子や子供たちを守っていくだけの力があるのかどうか、
 僕にはまだわからなかった。幻想はもう僕は助けてくれなかった。それはもう僕を助けては
 くれなかった。それはもう僕のために夢を紡ぎだしはくれなかった。僕はその空白の中に
 長い間身を浸していた。その空白に自分の体を馴染ませようとした。これが結局僕の辿り
 ついた場所なのだ、と思った。僕はそれに馴れなくてはならないのだ。そしておそらく
 今度は僕が誰かのために幻想を紡ぎだしていかなくてはならないのだろう。それが僕に
 求められている事なのだ。そんな幻想が一体どれほどの力を持つことになるのか、
 わからなかあ。でも今の僕と言う存在に何らかの意味を見出そうとするなら、僕は
 力の及ぶ限りその作業を続けていかなくてはならないだろう-たぶん」

大人の世界は色々なしがらみがある。誰もがそうしたしがらみに徐々に絡み取られる。
そうしたしがらみがなかった青春時代に対する喪失感を誰しも感じる。
それに疲れて負けていく人もいる。ちょうど「島本さん」や「直子」のように。

ハジメ君は傷つき、迷いながらも前に進むことを誓う。
僕はこれを「迷いながらも、生きること・前に進むことを選択する大人の責任」だと思う。
文脈からもまだ迷いが伺える。諸手を挙げての選択ではない事は明らか。
この気持ちは同年代の人間として実感を持って共感できる。
でもそれでも、僕らは生きること・前に進むことを選択する。

僕らは30代でこの「大人の責任」を自覚する。
だからこそ、40代を「不惑」と呼ぶのではないのだろうか?
この本は30代で誰しもが通る心の葛藤・克己をすごく印象的に描いている。
だからこそ、僕は同年代の人間にこの本をぜひ薦めたい。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)/村上 春樹

¥540
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経理業務 ~初めての帳簿記入~

独立すると避けて通れないのが、経理業務。
経理には、大きく分けて3つの業務があるようです。

(1)出納業務・・・現金や預金の調達・支払い・受取・残高管理など
(2)会計業務・・・企業の行った取引を、帳簿に記録する(簿記)・決算書の作成など
(3)その他付随業務・・・経営分析・各種税金の申告・IRなど

この中で、ベンチャー企業のインキュベーション業務に従事していた僕は
(1)の請求・支払い、資金繰り、受注管理などの実務ベースの知識はあったし、
(3)の月次試算表を分析できる知識は持っていました。

ただ(2)の部分、いわゆる財務諸表を作成するために必要な作業(帳簿記入)は
クライアント企業も税理士事務所に月次/決算業務は委託していたので、
やったことがありませんでした。会計業務を行うのに必要な知識はやっぱり簿記です。
この簿記はビジネススクールでも触りの部分は学びましたが、ほとんど頭に入ってこず、
ぶっちゃけアカウンティングは大の苦手科目でした。
まあ、ここは避けられないので、地道にやります。

一応ビジネススクール時代の同期が起業しているので、彼の推薦する会計ソフトを
購入し、しこしこ作業しています。どの科目で処理するか、といった部分は
(3)の経営分析の中で土地勘があったので、割と苦労なく作業は出来てます。

日次の業務をきちんとこなせるようになったら、月次試算表の作成が次のStepですね。
ただ、ここは事務的な作業より、その数値分析の方が重要になってくるかと。
まずは月のバーンレートをちゃんと把握したいです。単黒に持って行くために、
どの位の売上が必要かを早期に認識しておきたいです。

月次業務がこなれてくると、決算や納税などの年次業務が待ってます。
ここで必要な知識は「税金」(特に法人税・消費税)ではないでしょうか。
まだ、ずっと先の事だから、年次の事は余り今は気にしてませんが。

慣れない業務だからストレスもいろいろ出てくると思うんですが、
せっかく起業したんだから、こうした色々な業務を楽しんでこなしていきたいと思ってます。


ミロクのかんたん!会計6/ミロク情報サービス

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思ったほど悪くない

独立して2週間経ちました。
既にかなりのミスを重ね、本当に自分は他人にアドバイスするコンサルなのか?
と自問してしまう程のミスもたくさんありました。特に登記やら制度絡みのミスは
結構融通が利かないので、ここら辺のミスはなるべく避けたいところ。

で、結構お先真っ暗になったミスなんかもあったわけですが、結果として
大した影響もなく、無事クリアになったりしてます。
まだ2週間なので一般化は危険ですが、取りあえずのラーニングは「その場で悪く
見えることも時間が経てば大したことないことが多い」という事です。

特に当該知識が無いと、存在しないリスクにおびえたり、必要以上に保守的に
考えたりしますが、以外に杞憂に終わるケースもありました。
なので、むしろ必要以上に悲観的にならず、その場でパニックになり周囲の
悪感情を招かないようにすることの方が重要な気がしてきてます。

正直言って、良い事と悪いことは交互にやってくることが多いので、
悪いことが起こった時も「思ったほど悪くならない」と思うよう心掛け、
また出来る範囲で「思ったほど悪くならないよう」にすべく、適切なリアクションを
心掛けていきたいです。

「ソーシャル・キャピタル入門:孤立から絆へ」 by 稲葉陽二

ソーシャル・キャピタルという言葉は1990年代半ばに出版されたロバート・パットナムの
「Making Democracy Work」以降、世界的に注目を集めている概念で、本書では以下のように
定義している。

「人々が他人に対して抱く信頼、それに情けは人の為ならずといった言葉に象徴される互報性の規範、人や組織の間のネットワーク(絆)ということになる」

こうした親密な関係性によってコミュニティーとしての協調性が生まれ、社会の安全弁の役割を果たす。ちなみに昔ビートたけしがテレビで「おいらが子供の頃は、オヤジが飲んだくれて、子供が外で泣いていても、近所のおじさんとかが近くに寄って、お前の親父さんは仕事ですごい頑張っているんだぞ、みたいなことを言って励ましてくれる、そんなご近所のシステムみたいなのがあって、村社会の一体感というか子供がぐれないような見えないシステムがあった」みたいなことを言っていたが、まさにそれはソーシャル・キャピタルの一例だと思う。

こうしたソーシャル・キャピタルは今、減少方向にあると指摘されている。前述のロバート・パットナムの「Bowling Alone」なんてまさにそうした現象に対する警告の本だし、日本でも都市化が進むにつれ、こうした社会との繋がりの弱体化はかなり体感できると思う。

しかし、3.11で日本はソーシャル・キャピタルの厚みを世界に向けて証明したと思う。あれだけの災害にもかかわらず、毅然と行動し、他者へのいたわりを発揮した例は世界でも貴重な例だと思うし、あの時に日本人が取った行動は掛け値なしに誇っていいと思う。

と前書きが大幅に長くなったが、本書はソーシャル・キャピタルが社会の様々な分野に影響を及ぼすとし、それらの分野のソーシャル・キャピタルとの正の相関性を紹介している。具体的には以下の5つ。

①企業を中心とした経済活動
②地域社会の安定
③国民の福祉・健康
④教育
⑤政府の効率

読んだ感想としてタイトルの通り、ソーシャル・キャピタルの入門編としてそれぞれの議論が良く纏まって紹介されている。なのでざくっとソーシャル・キャピタルの内容を把握するのには便利。但し、ちゃんと腹落ちして理解するのであれば、ロバート・パットナムの「Making Democracy Work」か「Bowling Alone」もしくはトクビルの「Democracy in America」を読んだ方が良いと思う。

ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)/中央公論新社

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書評: 「チェンジ・ザ・ルール」 by エリヤフ・ゴールドラット

「ザ・ゴール」で有名なゴールドラット博士の3作目。
僕にとっても「ザ・ゴール」、「ザ・ゴール」に続くTOC本3作目。

今回はソフト会社の収益性について考えさせてくれる。
ERPを導入したことにより、クライアント企業の利益にどれだけ「定量的に」貢献したのか?
を算出してみると、ほとんど貢献していないことが分かったところからストーリーが本番に突入する。

この前段の最大の要点は「ソフト会社はテクノロジーだけでなく、バリューを提供すべき」という点。
要は視点を顧客目線に合わせて、その製品/サービスが顧客にどれだけ価値をもたらすか?に
Focusすべき、ということ。言葉で言うのは簡単だが、技術志向の強い企業ほど自社のテクノロジーに
視点が行ってしまい、このバリューという視点になかなかシフトできない。これは日本のメーカーを
見ていると良く分かる点でもある。

ストーリーは進行して、何故ERPが顧客の価値創造に寄与していないのかが、明らかになる。
本書からそのまま引用すると

「新しいシステムを導入しても、導入前のルールを使っていたらシステムの効果が出ない。
 バリューを実現する、つまり利益を増やすには、テクノロジーは必要だが、それだけでは
 不十分という事だ」

別の言い方をするとITのメリットを最大限に引き出すには、それに適した新しい業務ルールで
運用していく必要がある、ということ。この点をお得意のTOC理論を使って、色々説明している。
ここら辺は書評からは割愛するが、ITシステムと新しいルールの必要性がちゃんと頭に入ってくる。

今回の2つの要点「テクノロジーではなく、バリュー」、「新しいシステムは新しいルールの下で運用」は
シンプルだが、色んな所に応用が出来る、汎用性が高い概念だと思う。
また総じてストーリーが澱みなく進んでいき、退屈しない。


チェンジ・ザ・ルール!/ダイヤモンド社

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