【面白ライブレポ】初めての日食なつこ「エリア未来 東京追加公演」@渋谷duo | とかげ日記

とかげ日記

【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。


今夜は、ご縁があり、日食なつこさんのライブに行ってきました。他のライブとダブルブッキングになってしまった友人にチケットを譲っていただきました。(僕はいままで触れてこなかったアーティストです。)

ライブ参加時の僕の日食なつこさんに関する認識は…
1.ロックインジャパンフェス(ロッキン)に出ていたり、ブログを含むネットや雑誌の音楽メディアに名前が露出していたりして名前だけは知っていた。

2.聴いた方が良い曲をその友人に聞いたり、自分でも調べるなどして、数曲を繰り返して聴いた。Youtubeでも聴いたが、彼女がボーイッシュなショートカットだったり、ロングヘアーだったり、ヴィジュアルに幅があって思わず画面を二度見した。





彼女の音楽性をざっくり言えばピアノロックだが、ピアノロックでいうと、よーよー的に日本だとWEAVER、洋楽だとベン・フォールズ・ファイブが思い浮かぶ。だが、彼女の音楽はそれらのアーティストとはまた違った音楽的な強い主張があるように感じた。(そもそも、男声と女声では音楽性が違うし。また、鍵盤とギターが同程度に主張するロック/ポップスではふくろうずが好きです。)

これから以下に書くライブレポは、彼女のことをほぼ何も知らない外野の一人がライブを鑑賞したドキュメントだと思って読んでほしいです。何か誤りがあれば、ファンの方はコメント欄で教えてくださいね。


渋谷駅から会場の"渋谷duo MUSIC EXCHANGE"に行くまではあいにくの雷雨。道中で雷に向かって「だまれ!」と言っている男の子がいて面白かった。

そして、開演時間の18時から5分押しで開演。他のカルチャーの大半よりも音楽ライブの開演時間って、たいてい押すよね。

開演前に思っていたのは、病み上がりで体力のない身にとっては、座席制は助かるということ。僕が過去にXにポストしたように、ここ一か月弱、持病✖️気管支喘息✖️風邪✖️左脇腹の激しい痛み✖️蕁麻疹 の 五重苦(その後、マイコプラズマ肺炎も加わって六重苦)の中にいたので…。そのため、とかげ日記(このブログ)もなかなか更新できずにいました。

しかし、開演で日食なつこさんとサポートメンバーの3人(Guitar:沼能友樹、Bass:仲俣和宏、Drums:komaki)がステージに登場するや否や、日食さんがスタンドアップをうながす。観客は総立ちに。だけど、体力のないはずの僕はノリノリでハンドクラップまでして立ち続けることができた。日食さんの音楽が力をくれ続けたのだと思う。

そして、チケットの座席の位置が良かった(友人に感謝)。一階と二階に観客席があったが、ステージのある一階だし、遠いけれども横から日食さんの歌を真正面に聴ける位置だった。

演奏はサポートメンバーも含めてテクニックがあり、交通整理されてスッキリしていた。僕が聴くオルタナティブな音楽の大半よりも王道でメジャー寄りだ。しかし、力強さとフックがある。日食さんのピアノのダイナミクスと、歌詞の抑揚のついた歌いぶり。サポメン含めた4人が作りだす緩急に富んだ音世界。プロフェッショナルだと思った。

歌詞に関しては、意思を感じさせる強く素敵な言葉を持っている。僕の知っているアーティストでいうと、鈴木実貴子ズに位相が近いかもしれない。

ライブハウスのスタッフの力量も感じた。音響はストレスを感じることがなく良い音だったし、照明はドラマチックだった。

今日は未発表の曲のみの演奏だったが、曲名はアルファベット。アレンジを作った順にaから順に曲名を振っていったという。(しかし、「本当の曲名」があり、それは日食さんしか知らないという。サポートメンバーも知らない。)開演前には、スタッフから今日の曲順を書かれたセットリストを渡された。もちろん、どの曲もアルファベット。演奏する曲が全て未発表曲だからこそ可能なこの行いに、ギミック的な面白さを感じた。そもそも、未発表曲だけのライブなんて、聞いたことがない!

一般的にMCはライブにおいて重要な要素だと思っているが、日食さんのMCはトークの回し方が上手く、観客/サポートメンバーへの気遣いも伝わってきた。そして、自身とその音楽に対するあふれる自信が感じ取れた。ほんのり心の温度がアガるようなMCだった。

前半は一曲目の「b」や三曲目「j」など、シティ・ポップに通じるチルでロックな曲が楽しかった。(何を隠そう、僕はきのこ帝国「クロノスタシス」推しだ。)

後半はアッパーだったり、真に迫る演奏が胸を突き続ける曲が数曲あり、圧倒されながら聴いていた。

MCを三度挟みながら、用意されていた10曲を終える。その後は、観客が好きになった曲を三曲演奏するとのことで、いっせーので観客に好きな曲のアルファベットを言わせる。結果、演奏されたのは「d」「f」「b」だった。(僕は思い切り「J!」と叫んでいた。)

最後はセルフアンコールとして「a」を演奏。今日のライブの集大成とも思える演奏だった。事前に観客にウォーウォウォーコーラスを練習させ、曲中では演者と観客全体で大合唱が起きた。日食さんは観客の盛り上げ方を分かっていると思う。


とても良いライブだった。だが、彼女の音楽が僕の胸の鍵穴にスッポリとハマる音楽かといえば、そうではない。僕が演者の音楽を切実な自分ごととして捉えられるのは、数多いるミュージシャンのうち、100組に1組程度だ。

しかし、今日のライブは楽しかったし、音楽的な発見もたくさんあった。そりゃあ、全公演ソールドアウトになる訳だわ。とりあえず、今日のアルファベットの曲たちが音源化したら聴いてみたいと思っています。その未来が楽しみです。今日は日食さん、サポートのみなさん、スタッフのみなさん、ライブハウスのみなさん、素晴らしいライブをありがとうございました!



🐼オマケ🐼
👇とかげ日記名物「テーマ別音楽セレクト」。読者の方と音楽の素敵な出会いがあることを願って。

🗣️・ポエトリーリーディングの名曲7選を聴いてくれ👈とかげ日記一番人気記事です❣️
🌈・このLGBTQソング4選を聴いてくれ【ジェンダーフリー社会に向けて】
💃・踊れる邦楽ロックの名曲10選を聴いてくれ
⚡️・【邦楽&洋楽】衝撃/面白/かっこいいMV名作10選を観てくれ
❤️‍🔥・大サビが切実な名曲10曲を聴いてくれ
😘・キス(KISS)を歌ったおすすめの名曲10選【邦楽9曲、洋楽1曲】
🔪・罪と罰についての名曲10選を聴いてくれ
📢・戦争にまつわる名曲10選を聴いてくれ
😀・元気が出る名曲10選(邦楽オンリー)