オルタナバンドの新星「Khaki(カーキ)」の魅力を探る【初めて/入門者の方もぜひ!】 | とかげ日記

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本日この記事で取り上げるバンドは「Khaki」。バンド名のKhaki(カーキ)はWikiによると「土埃」を意味する言葉で、主として軍服に用いられる淡い茶系色を指すそうです。

淡い美しさがありつつ、"怖い、危険な香り、カッコいい"の3Kが極まった音。シド・バレット級の狂気を感じさせる巧みなソングライティング。サウンドテキスチャーへの細やかな気配りはレディオヘッド級。三拍子そろったバンドです。

ここでプロフィールを見ていきましょう。CDジャーナルから引用します。

「東京都出身のオルタナティヴロック・バンド。メンバーは中塩博斗(g,vo)、平川直人(g,vo)、黒羽広樹(b,key)、橋本拓己(ds)の4名で構成。2018年に結成し、翌年に1st EP『Thirteen』を発表。2021年より本格的に活動を開始し、東京・下北沢を拠点に精力的にライヴ活動を展開。同年のシングル「車輪」を経て、1stアルバム『Janome』を発表。2022年に2nd EP『頭痛』をリリース。」

僕はこのバンドをうみのての笹口騒音さん経由で知りました。笹口さん経由のバンドでは、僕が惚れ込んだ「夜に駆ける」と並んで素晴らしいと感じたバンドです。笹口さん主催のイベントで一度Khakiを観ましたが、オルタナティブロックの良い要素がギュッと詰まったライブでカッコ良かったです。

「子宮」という曲を初めて聴いたとき、ぶっ飛びました。この曲、ヤバイ! それ以来、ずっと聴き続け、僕がアップルミュージックのサブスクで今年二番目に多く聴いた曲になりました。凡百のバンドを聴くよりも、この一曲を聴いていた方が美しい時間を過ごせると思えたんだよね。





まず、歌っている歌詞は日本語?英語? 注意して聴くまでもなく日本語なのだが、サウンドと一体であるかのようなレガートに紡がれる発音のボーカルは、英語のような子音と母音の接続の滑らかさがある。

そして、その声で全て持っていかれるんだよね。ツインボーカルであるメンバーの二人とも、くるりの岸田繁さんをもっと無機質にしたような歌声で、淡白ながらも深い情緒を感じさせる素敵なボーカルだ。

ライブの動画でボーカルがCREEPと書かれたTシャツを着ていた。CREEPはRadioheadの曲名でもお馴染みだが、"気味の悪いひと“、"変人"という意味だ。曲に漂う"素朴というよりも洗練された狂気"には確かに気味の悪さを感じる。

歌詞は何を意味しているのか判読が難しい。だが、歌詞とサウンドの伝えるフィーリングは、僕みたいな内省的な人間にとっては馴染み深くリアリティがあるものだった。


ところで、「kajiura」という曲のサビのメロディは、セカオワのなかじんがボーカルをとる曲「炎の戦士」のそれと似ている。本人たちは多分意識していないだろう。



ある曲を聴いた時、歳をとることによって過去の他の曲と似通ったメロディに聴こえて熱が冷めるのは、歳をとって音楽に対して不感症になる原因の一つだと思う。でも、Khakiの音源では「kajiura」以外にはそんなふうに聴こえることは無かったし、総じて新鮮なメロディだった。それが、僕にとって最近のバンドでは珍しい。


Khakiの曲はコマーシャル(商業主義)には聴こえない。コマーシャルではない音楽も一長一短があるが、ブレたりせず音楽に対しての実直な姿勢が彼らからは伝わってくる。それが嬉しい。不穏だけど心地よい、オルタナティブ好きにとっての尖ったヒーリングミュージックに思える。

全編にわたって、サニーデイズサービスのような素朴な青春感をKhaki流で狂気色に染めた曲でありつつ、「pao」という曲ではストロークス味を感じさせるし、「Long Peace」という曲ではウエスタン&カントリー的で楽しくなる。ギターの轟音には説得力があるし、ブレイク(演奏を一時的に中断すること)には知性を感じる。音楽的な引き出しの広いバンドだ。どの曲も同じように聴こえる金太郎飴的なバンドとは一線を画すし、だからこそ一曲一曲が切実だ。

うみのて共々、もっと売れてほしい…!




🦎おまけ🦎
ニューカマーのうち、Khakiを陰とするなら、陽はダニーバグ。「王道」好きにも、「音楽」好きにも気に入ってもらえるはずの"ダニーバグ"というバンドの曲をどうぞ!


ダニーバグ「my list」MV

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【2010年代ベスト】
2010年代ベストアルバム(邦楽)30位→21位
2010年代ベストアルバム(邦楽)20位→11位
2010年代ベストアルバム(邦楽)10位→1位
2010年代ベストトラック(邦楽)10位→1位

【年間ベスト】
年間ベストアルバム2022年(邦楽)
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年間ベストアルバム2021年(邦楽洋楽混合)
年間ベストソング2021年(邦楽9曲、洋楽1曲)
2020年間ベストアルバム(邦楽・洋楽混合)
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