頭痛の”種”明かし・・頭痛の”核”とは何か? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 結論から先に申し上げます。混乱を招かないように・・・


 これまで「慢性頭痛の発症過程」のなかで以下のように述べました。
     
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12705631698.html


第1段階 「酸化ストレス・炎症体質」の形成
第2段階 姿勢の悪さ
第3段階 ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)
第4段階 「脳過敏」を形成する要因が次々に追加されます
第5段階 慢性片頭痛へ


 このような段階を踏まえて、慢性頭痛は進展してくると述べました。
 そして、第1段階 「酸化ストレス・炎症体質」の形成は、以下のように・・述べました。
     https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12705463531.html


 その根底には、このような体質が存在します。これを構成するのが、ミトコンドリアの機能を悪化させる、以下のような諸々の要因があります。


 「ミトコンドリアの機能を悪化させる要因」      表1
 

    1.生活習慣の問題
 

       睡眠不足
       運動不足
        食べ過ぎ・過食
       早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
       薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬

 

  2.食事内容の問題
 

      マグネシウム不足
       必須脂肪酸の摂取のアンバランス 
       鉄不足
       食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
  

    3.生活環境の問題
 

      活性酸素    野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
       有害物質
    

    4.年齢的な問題


      女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下


 このなかで「必須脂肪酸の摂取のアンバランス」は、第3段階の「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」にも関与していくものです。
 ということは、慢性頭痛の発症の全過程および「ミトコンドリアの機能を悪化させる要因」(表1)を通覧すれば、すべてミトコンドリアの機能を悪化させるものばかりです。
 ミトコンドリアの機能が悪化すれば、当然、セロトニン神経系の機能も悪化します。
 この両者の機能に問題があれば、姿勢の悪さが作られてきます。


          セロトニン神経系
           
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12705387778.html


          慢性頭痛の基本骨格となるもの・・姿勢の悪さ
           
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12705443886.html


 「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
 この「生体のリズム」は「ホメオスターシス(自然治癒力)」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
 不規則な生活をすれば、体内時計が乱れ、「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」の機能にも影響を及ぼすことになります。


慢性頭痛のスタートは、「生活のリズムが乱れる」ことから始まります。


 セロトニン神経を活性化させるためには


(1)早寝早起きの規則的な生活を心がける


 セロトニンは、太陽の出ている日中に分泌されやすく、睡眠中は日が沈んでからは分泌が少なくなります。これはメラトニンの働きと関係していますが、人間が本来持っている生活リズムは『日中に活動し夜は寝る』と言うもので、この原則を守ることがセロトニン神経の活性化に効果的だと言われています。


(2)太陽の光を浴びる


 太陽の光(のような非常に強い光・明かり)を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がストップし、代わりに脳の覚醒を促すセロトニンの分泌が活発化されるのです。
 昼夜逆転の生活をしていたり、日中部屋の中にばかりいると、セロトニンとメラトニンの分泌のバランスが崩れ、不眠症になったり、片頭痛が起きやすくしてしまうのです。
 毎朝日光を浴びる行為は、セロトニンを鍛えるだけで無く、生活リズムを整えることにも繋がります。


 の2つが重要になっています。


 ところが、ゲームやネットに夢中になり、あっという間に深夜。あげくの果てにベッドに入っても寝付けない。リズムの崩れた生活で脳をいじめ、仕事や日常生活に支障をきたしていないでしょうか? このようなリズムの崩れた生活をすることで、不眠となり同時に頭痛を引き起こされる方々も多いのではないでしょうか?
 また、業績第一と考え仕事に専念し、職場の人間関係からもストレスを感じて頭痛を起こされる方もいらっしゃるはずです。


 このようにして生活リズムの乱れは、脳内セロトニンの不足を招き、不眠を来します。

 睡眠は日中活動している間に傷ついたミトコンドリアを修復させています。ところが不眠が持続すれば、修復されないため、ミトコンドリアの機能は悪化してきます。これに伴ってセロトニン神経系の機能を低下させ、ここに諸々の生活習慣の問題点が加わることによって、さらに脳内セロトニンは低下することになり、このため脳内セロトニンの低下により睡眠障害に拍車をかけてくることになります。このような悪循環を繰り返すことになります。
  このようにして、ミトコンドリアの機能を悪化させ、このためにセロトニン神経系もこれに伴って機能低下させることになります。ここに、表1に示すような生活習慣の問題点が追加されることによって、益々、ミトコンドリアの働きが低下することになります。
  こういった悪循環が繰り返されるため、不規則な生活を極力断ち切る必要があります。
  これが、慢性頭痛の起点ともいうべきスタートになっています。

 

 このように、慢性頭痛を引き起こしてくる”種・核”ともなるものは、ミトコンドリアの機能の悪さにあります。

 この機能を悪化させる要因はすべて、私達が日常生活を送る”環境”のなかにあることを忘れてはなりません。
 表1で示される「活性酸素」・とか「有害物質」が挙げられていますが・・このなかの「活性酸素」を基に考えてみることにします。 


    活性酸素って何???
         
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12641987303.html


 この記事は、このペイジのイントロにも相当しますので、最後までご覧下さい。


 慢性頭痛の発症の根底には、こうした生活習慣の問題から生じた「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が存在します。この歪みは自然治癒力にも関与してきます。


 「ホメオスターシスの三角形」を構成するのが、自律神経、内分泌系、免疫系の3つです。 自律神経系の調節には、「脳内セロトニン」が、内分泌系には、「生理活性物質」が、免疫系には「腸内環境」が、慢性頭痛では、大きく関与しています。


 「脳内セロトニンの低下」は、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により低下・変動し、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると低下してくることになります。
 「生理活性物質」は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 「腸内環境」は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
  ”腸内環境”が「片頭痛体質形成」には極めて重要な位置を占めております。


 さらに長期間ストレスにさらされることで、「ホメオスターシスの三角形」は、バランスを崩し、マグネシウム不足(ミトコンドリアを弱らせ)、脳内セロトニンの低下、過剰な活性酸素を産生してきます。


 このように、「脳内セロトニン」「生理活性物質」「腸内環境」の3つで構成される「ホメオスターシスの三角形」は、ストレスに大きく影響されることになります。
  これらがお互い相互に関連しあっています。


 慢性頭痛の発症の根底には、こうした生活習慣の問題から生じた「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が存在します。


 このなかで「生理活性物質」に関しては、以下を参照して下さい。


  動物性脂肪と植物性油
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12636899258.html


 例えば“炎症”という作用の場合、それを抑制するプロスタグランジンが「オメガ3」からつくられるのに対して、アラキドン酸由来の「オメガ6」からは炎症を激化させるプロスタグランジンがつくられます。


 簡潔に言い換えますと、オメガ6系脂肪酸の摂りすぎが炎症体質を悪化し、オメガ3系脂肪酸を摂ると炎症体質は改善されるということになります。
 これらのことから、摂取する「オメガ6系油とオメガ3系油の比」をもって炎症体質や酸化ストレス体質にならないための油脂の摂取量の目安量を知ることができます。
 いわゆる、オメガ6系/オメガ3系の比が大きな値を示すほど「酸化ストレス・炎症体質」は悪い状態に向かい、逆に小さな値であるほど「酸化ストレス・炎症体質」は良好な状態に向かうということなのです。


 植物油に多く含まれるのが「リノール酸」です。リノール酸は「必須脂肪酸」で、私達のカラダには欠かせません。でも、穀類や豆類中心の食事をしていれば、充分に必要量がとれます。
 リノール酸は、活性酸素の発生などを抑える「生理活性物質」(体内でのさまざまな生命活動を調整したり影響を与えたりする)の原料になりますが、摂り過ぎてしまうと逆にそれを抑制してしまいます。現代人の食生活は植物油を多く摂り過ぎなので、むしろ活性酸素を過剰に発生させてしまっているのです。

 プロスタグランディンは、体の機能をいろいろな場所でコントロールしているホルモン様物質で、分子構造上、必須脂肪酸に似ており、それゆえに「オメガ-3」や「オメガ-6」の必須脂肪酸を原料として、人間の体内で造られています。
 オメガ-3から造られるプロスタグランディンとオメガ-6から造られるものは別の系統のプロスタグランディンなので、原料のオメガ-3と6の体内でのバランスが崩れていればそれから造られるプロスタグランディンのバランスも崩れ、トラブルが生じます。
  それゆえに、プロスタグランディン同士の体内でのバランスも正常でないと体と心にトラブルが生じます。

 食物を消化する消化器官が、消化器官自身を消化してしまわないのは実は非常に不思議なことですが、これはプロスタグランディンがそれを防いでいるからです。
 ですから、最近では消化器の潰瘍の原因は、消化器の壁を保護するプロスタグランディンの不足と考える研究者が多く、原因はこのプロスタグランディンの原料になっている、「オメガ-3」の不足だという学者もいます。
 ところが、ひとくちにプロスタグランディンといっても、実はたくさんの種類があることがわかっています。
 そして、ある種のプロスタグランディンだけが過剰に作られてもバランスが悪く、やはり体の中で問題を起こしてしまいます。
 私たちの体の中で、「オメガ-6」が原料のプロスタグランディンは十分に足りていますが、「オメガ-3」が原料のプロスタグランディンは決定的に不足しています。
 それが原因でいろいろな現代病が発生しています。
 不足している必須脂肪酸「オメガ-3」を補う目的で亜麻仁油などの「オメガ-3」を積極的に摂ることは、私たちの健康づくりに大変役に立ちます。


  からだにいい油と悪い油がある
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12636916017.html


  脂質について理解を深める!!   プロスタグランディン
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12636930927.html


  このように、脂質・脂肪の摂り方は理解しにくい部分ですので、よく理解しておく必要があります。
 

”日常的に感じる極く軽度の頭痛”


 これを引き起こす要因は、「酸化ストレス・抗炎症体質」が形成されることと「姿勢の悪さ」が関与し、さらに 第3段階の「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」が追加されて引き起こされ、これらが重なり合って、程度が増強されてきます。


 ”日常的に感じる極く軽度の頭痛”への対策
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12705669233.html


    1.酸化ストレス・炎症体質
    2.姿勢の悪さ
  3.自律神経の乱れ・・セロトニン神経の弱体化
    4.脂肪の摂りすぎ・・プロスタグランジンとの関与
  5.便秘・・腸内環境の悪化


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの”一角”に問題を生じてくれば、極く軽度の頭痛が出現してくることになります。
  そして、これに更に、新たに”別の一角”の要因が加わればさらに頭痛の程度も増強してきます。
  最終的に、この”三角”とも全てに問題が起きることによって「ホメオスターシス三角」が崩壊することに至り、難治の”慢性頭痛”を発症させます。

 

市販の鎮痛薬を頻繁に服用すれば・・


 こうした”日常的に感じる極く軽度の頭痛”に対して、市販の鎮痛薬を頻繁に服用すれば・・ こうした市販の鎮痛薬すべては、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。
 これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、頭痛を増強させます。

 すなわち、市販の鎮痛薬が原因となって「後天性ミトコンドリア病」を作ってくることになります。
  また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、”痛みの閾値”を下げるため痛みを感じやすくさせるために、さらに、頭痛を引き起こしやすくなります。
  このようにミトコンドリアと脳内セロトニンの2つが関与して、市販の鎮痛薬によって、「薬物乱用頭痛」を引き起こし、かえって頭痛を酷くさせる原因になってきます。
 ミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、そして、脳内セロトニンを低下させ,ここに、第4段階の「脳過敏」を形成する要因が次々に追加されることになります。


  「脳過敏」はどのように形成されるのか?
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12643927492.html


 このようにして、片頭痛の特徴とされる「脳過敏」が追加され、片頭痛が完成します。


 片頭痛を考える際に重要なことは、慢性片頭痛に至っていない初期の段階では、発作時にトリプタン製剤を服用しなくても、発作期間中に我慢に我慢して、永くても3日間耐え忍ぶことで、また元通りの健康状態に回復してくることです。群発頭痛でも同様です。
 なぜ、酷い発作で苦しめられながらもとの健康状態になってくるのでしょうか。
 これは、人間本来に備わっている「自然治癒力」のおかげです。
 一般的には、片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。
 自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。

 要するところ、自然治癒力によって治癒したものです。専門家は、トリプタン製剤のお陰で、治ったと申されますが・・・
 このようなことは、ウソ・ヒャッパチです。
 それは、元来、西洋臨床医学では「自然治癒力」といった概念がないからです。
 こうした「自然治癒力」といった概念は基礎医学領域の概念でしかありません。
 ですから、頭痛医学領域においても、このような「自然治癒力」といった概念はありません。
 こういったことから、頭痛医学領域において、「自然治癒力」をどのように考えるべきかについてシリーズで掲載してきました。


 このため、自然治癒力を高めるためには、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”を「健全化」させておくことが重要になり、特に食生活に配慮することが大切になってきます。

 ストレス対策も必要になってきます。
 

 慢性頭痛の経過   まとめ


「体調不良」・・「健康」でも、「病気」でもない・・「未病」


 私達は、仕事が忙しかったり、ストレスが重なりますと日常的に「体調不良」を感じます。このような「体調不良」は、具体的には、疲れやすい、胃腸の調子がよくない、身体が冷える、身体がだるい、疲れがとれない、よくめまいを起こす、肩こりが酷い、食欲がない、よく眠れない、頭が重い・頭が痛い、足がつる、耳鳴りがする、夢をよくみる、喉のつかえ、むくみやすい、風邪をひきやすい、顔色が悪い、気分が落ち込む・優れない、活力がでない、元気がでない、何となく調子が悪い、寝起きが悪い、等々の訴えです。
 このように頭痛とは、「体調不良」のなかの訴えの一つに過ぎないものです。


  「体調不良」とは、病気とは診断されませんが、健康でもない、謂わば、“半健康・半病気”の状態に身体はあるのです。半健康・半病気の状態を、東洋医学では病気になる一歩手前だとして、「未病(みびょう)」と言っています。
 絶対的な健康ではなく、私たちの身体のバランスがどこか歪んでいるのです。
 これは「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。


 このような”未病”とされる病態は、本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」へと進展するものと東洋医学では考えられています。
  このように考えれば、”未病”の段階にある、このような「体調不良」の状態とは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があるということです。


  脳のなかに異常のない頭痛、緊張型頭痛・片頭痛・三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)・その他の一次性頭痛は、頭部のCT・MRIなどの画像検査では何も異常が見当たらず、これはまさに、典型的な”未病”と考えるべき頭痛です。
  ということは、”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから諸々の「病気」としての「生活習慣病」・「がん」・「認知症」へと進展するものです。
  ということは、慢性頭痛とは”未病”の段階にあり、「健康的な生活」を送ることを阻害する生活習慣に根本的な原因があります。
  そして、「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」の程度によって慢性頭痛のなかの”各種の頭痛”、緊張型頭痛・その他の一次性頭痛”が出現し、さらに様々な生活習慣の問題点が加わることによって、”片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)”へと、さらに、難治性の頭痛にまで進展していくことになります。


 結局、脳のなかに異常のない頭痛(このなかに片頭痛も含まれますが)、こうした頭痛がするということは、私達が「不健康的な生活」を送っているという警告信号として、頭痛(症状)を発して、私達に知らせてくれます。謂わば、イエローカードなのです。
  ということは、慢性頭痛(片頭痛も含め)は”病気”ではなく、警告症状(イエローカード)なのです。病気ではありません。このように、慢性頭痛は、病気ではないために、便宜的に国際頭痛学会は、「国際頭痛分類 第3版β版」で細かく、症状の上で分類・定義しています。ですから、片頭痛は病気ではありません。誤解しないで下さい。あくまでも、「頭痛」という症状でしかありません。


  「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリア・腸内環境・生理活性物質が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
 このなかでもミトコンドリアはその”要(かなめ)”となっています。


慢性頭痛は”未病”の段階にある


 日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛、片頭痛では、未だ自然治癒力の低下状態(ホメオスターシス三角の歪み)の段階・すなわち”未病”の段階にあり、単なる「症状」でしかなく、「病気」に至る途中の段階にあり、ここに諸々の生活習慣の問題が加わることによって、初めて「病気」としての「生活習慣病」・「がん」「認知症」へと進展していくものです。


 そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。
 片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しますので、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
 このため、片頭痛では、緊張型頭痛に比べて、比較にならない程、頭痛の程度が極端に酷くなってきます。
 ところが緊張型頭痛の場合でも、片頭痛のように遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しなくても、生活習慣の問題によってミトコンドリアの働きが極端に悪くなり、さらに「脳内セロトニンが枯渇」してくれば、片頭痛と同様の難治性の頭痛(慢性緊張型頭痛)を引き起こしてくることになります。


 これを図表で表せば、以下のようにイメージされます。


 片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine


             慢性片頭痛  ・・・・    慢性緊張型頭痛
     片頭痛                      頻発反復性緊張型頭痛
    big(true)migraine             稀発反復性緊張型頭痛
    連続体                                 ↑↑                       
 緊張型頭痛 ・・・・         
日常的に感じる極く軽度の頭痛
  small migraine                


 ということは、片頭痛での緊張型頭痛はsmall migraine で、本格的な片頭痛はbig true migraine で、これが連続しているということです。
 緊張型頭痛はこれとは別に、独立して、存在するということです。
 この差異は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因の有無で決まります。
  このように緊張型頭痛も片頭痛も連続した一連の頭痛であるということで、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な相違点は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因の有無でしかありません。

 以上のように、脳のなかに異常のない慢性頭痛とは、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛、これらを別個に個別に捉えることなく、すべてを一連の頭痛として、それもミトコンドリアの観点から考えることが重要になってきます。このような考え方で慢性頭痛の研究を進めるべきと考えます。


片頭痛という頭痛は、謂わば「生活習慣病」のようなものです


 片頭痛という頭痛は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因をもとに、「健康的な生活」を阻害するような生活習慣を送ることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から進展してきた頭痛と考えるべきもので、謂わば「生活習慣病」のようなものです。先述のように”多因子遺伝”的疾患と考えなくてはなりません。”疾患”ではないのですが・・・”症候群(症状群)”です。
 このような”多因子遺伝”をするものには生活習慣病である糖尿病、高血圧があります。

 このような生活習慣病は、発症前の生活習慣の問題点が永年積み重なって発症してくるものです。ですからこうした生活習慣の問題点を改善・是正することによって糖尿病、高血圧といった疾患そのものの発症を予防していくのが原則です。
 こういったことから、片頭痛も糖尿病や高血圧症のような生活習慣病と同様に、片頭痛がどのような生活習慣の問題点から発症してくるのか、といった観点から考え、どのようにすれば、片頭痛そのものを発症させずに済むのかを考えなくてはなりません。
  このような知識を身につけることで、一端、片頭痛を発症した場合でも、これまでの自分の生活習慣を冷静に見つめ直すこと(内省すること)によって、問題点を炙り出し、これを是正・改善させることによって、片頭痛が改善されてくるということに他なりません。
 このようなことは、片頭痛を発症させた時点で、できるだけ早期に着手することが極めて重要になります。このような対策が遅れれば・遅れるだけ、改善までの”道のり”が遠のくばかりになってしまいます。それは次から次に問題点が追加されてくるからです。
 片頭痛発作時には、トリプタン製剤を服用せざるを得ませんので、発作が治まった時点で、先程の「生活習慣の問題点」を改善・是正させる必要があるということです。
 このように鎮痛と平行して行う必要があります。ですから、このように対処しながら、発作が起きるということは、なお改善出来ていない生活習慣の問題点が残されていることを意味しています。これを幾度か繰り返すことによって、片頭痛を治していくということです。
  こうしたことを行うためには、片頭痛がどのようにして発症し、どのような要因が関与しているのかを明確にさせておく必要があります。


「健康的な生活を送る」ためには、


  慢性頭痛とは”未病”の段階にあり、「健康的な生活」を送ることを阻害する生活習慣に根本的な原因があります。


  「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリア・腸内環境・生理活性物質が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
 「姿勢の悪さ」は、胸郭を大きく開いての深呼吸ができなくなり、「健康的な生活を送る」上に、さまざまな悪影響を及ぼします。
 さらに「運動不足」、「栄養のアンバランス」は「健康的な生活」を送ることを阻害する要因になってきます。


現在の私達の生活環境は・・


 私達の生活環境は活性酸素・有害物質に満ち溢れており、ここ50年間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、同時に起きている「セロトニン神経系の機能低下」と相まって、以下のような理由から「姿勢の悪さ」を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ脊椎起立筋群に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、当然のこととして「姿勢の悪さ」を引き起こしてきます。
 さらに、セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、「脊椎起立筋群」に働きかけていることから、セロトニン神経系が低下してきますと、セロトニン神経系本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「姿勢の悪さ」を引き起こします。
 このように、「脊椎起立筋群」に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらにセロトニン神経系は、”神経系の要因”として、関与し、姿勢を保持しています。
 こういったことから、ミトコンドリアの機能が悪化している現代社会では、「姿勢の悪さ」が起きやすい生活環境に置かれています。
  このような「姿勢の悪さ」は、猫背や前屈みの姿勢になり、胸郭を大きく開いての深呼吸ができなくなり、結果的に「低酸素状態」を招来し、ミトコンドリア優位のエネルギー産生にならなくなることから、結果的にミトコンドリアの働きを悪くさせることになります。このため、「健康的な生活を送る」上に、さまざまな悪影響を及ぼします。
 「低酸素」状態は解糖系エネルギー産生へと移行し、当然、頭痛を起こしやすくなります。


 さらに「運動不足」、「栄養のアンバランス」は「健康的な生活」を送ることを阻害する要因になってきます。
 ミトコンドリアの質と量を劣化させる「悪い生活習慣」とは、「運動不足」や「過食」です。
  体を休めてばかりいると、「なんだ、エネルギーはあまりいらないのか」とばかりに、私たちの体内のミトコンドリアの数は減っていきます。疲れるから、体力がないからと、体を休めてばかりいると、ミトコンドリアが極端に減り、エネルギーの作れない「老いた体」になってしまいます。体力をつけ、老けない体にするには、エネルギーを使う量、すなわち運動量を少しずつ増やしていくことです。コンスタントに運動を続けることで、「いつもこれだけの量のエネルギーを必要とするのなら」と、ミトコンドリアの量が増えてくれるのです。


糖質の摂り過ぎの問題


 消費されなかった余分な糖は、コラーゲンなどのタンパク質と結びつきAGE(終末糖化産物)という物質に変質してしまいます。
 このAGEの有害な毒物の蓄積が、ミトコンドリアの機能を悪くする原因になっています。
  このような糖質の過剰摂取は、過食だけでなく、ドカ喰い・早食いによる一過性の高血糖でも起きることを忘れてはならないことです。


脂質の摂りすぎの問題


 使い切れなかった脂質は他のエネルギー源同様、中性脂肪に変えられ、体脂肪として蓄えられます。そのため脂質を摂り過ぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらに血液中の中性脂肪やコレステロールが増える脂質異常症や、メタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。
  血液中に溢れる遊離脂肪酸も直接的に酸化ストレスを増加させる要因になっています。 血液中に大量の遊離脂肪酸があると、血液の酸化が亢進します。
  体内で中性脂肪・コレステロールから活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素やフリーラジカルを作り、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。


タンパク質の摂り過ぎの問題


 高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。ミトコンドリアが最も多く存在するのが「腸」です。ですから、腸内環境が悪化すれば、ミトコンドリアの働きは悪化することになります。


「自然治癒力」とは、一体何なのか?
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12636477468.html


 私たちは、日常生活の中で、私たちを取り巻いている様々な環境因子に絶え間なく曝されながら、毎日の生活を営んでいます。
  環境因子として、太陽からの光や放射線などに由来する物理的因子や火山などの自然要因に由来して発生する地学的因子や、人為的に産生された化学物質や生物的因子をはじめ様々なものが挙げられます。
  これらは人の活動を通じて私たちの生活環境に発生し、増幅されながら、空気、水、土壌を通して、呼吸器や皮膚や消化器から私たちの体内に入ってきます。それらは体内に取り込まれて、体内を循環するとともに、大部分のものはもともと私たちの体(からだ)に備わっている代謝機能や免疫機能などによって、私たちの生体の機能に対する作用を緩和しつつ、体外に排池されてゆきます。
  このように外界からの刺激を受けても、私たちの体内の生理的な状態は一定に保たれており、これを恒常性の維持機能と呼んでいます。
  しかしながら、私たちにかかってくる刺激がより強まったり、慢性的に起こったりしますとその機能にも限界が出てきます。

 その結果として、体内に入ってきたそれらの因子の一部が特定の臓器や器官に蓄積され、それが蓄積された臓器の機能障害をおこし、特定の病気を発生させる原因となります。
  いずれにしても、このように、私たちは、絶えず外からの環境因子に曝されながらも、それとうまく対応して健康な日常生活を送ることが出来ます。

 すなわち、私たちの体内には、免疫機構、神経機構、内分泌機構といった特異的な調節機構が備わっており、外界からの刺激に対してそれらが適切にネットワークを作って対応することによって恒常性の維持が保たれています。
  このようにして、私たちは外界からの刺激に対応する遺伝子を引き継ぎながらホモサピエンスとして、現代に至るまで生命を継続させてきました。


 しかしながら、近年、私たちは私たちの社会の構造や生活のあり方を急激に転換させてきました。その変化は、私たちの生活や社会を安定させ、より豊かで快適なものにすることに貢献してきたことは事実です。
  しかしながら一方でこのような変化は、これまで私たちが経験しなかった様々な外界からの刺激因子を発生させてきました。大部分の人は、そのような刺激に対して遺伝子的に鈍感なところがあり、その刺激を感じ取ることが出来ませんが、より感受性の強い人では、それに対する過敏な反応を発生する人が増えてきました。このような状態は環境不耐症と呼ばれています。


 このように、私達の健康を阻害する生活環境の要因が、化学物質過敏症、電磁波過敏症を引き起こし、さらに頭痛の原因にもなっているということです。
  頭痛の専門家は、決してこのようには考えることなく、「脳過敏」は、あくまでも「生まれつきのもの」でどうにもならないものとして、「化学物質過敏症、電磁波過敏症」は無視され、当然のこととされます。
  そして、このような未病といった考え方は、西洋医学の立場にある、頭痛の専門家からは「代替治療」として、蔑まれ無視されることになっています。


自然治癒力を構成する3つの柱


 自然治癒力を構成する3つの柱として、自律神経系、内分泌系、免疫系があります。
 自律神経系には、セロトニン神経系が、内分泌系として、生理活性物質が、免疫系には、腸内環境が関与しています。
 セロトニン神経系はミトコンドリアと連動し、自律神経を調節しています。
 生理活性物質のエイコサノイド は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、ミトコンドリアの機能を左右します。
 腸内には、ミトコンドリアが最も多く存在し、腸内環境の悪化はダイレクトにミトコンドリアの働きを悪化させることになります。

 問題は、自然治癒力の仕組みの詳細は、今の段階では明らかにされていません。

 

 

 

 

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