ミトコンドリアの機能を悪化させる要因には、以下のようなものがあります。
ミトコンドリアの機能を悪化させる要因(表1)。
1.生活習慣の問題
睡眠不足・・睡眠の重要性
運動不足
食べ過ぎ・過食
早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
2.食事内容の問題
マグネシウム不足
必須脂肪酸の摂取のアンバランス
鉄不足
野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
3.生活環境の問題
活性酸素
有害物質
4.年齢的な問題
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
このような要因を改善・是正しておきませんと以下のようなことから「酸化ストレス・炎症体質」を形成し、慢性疾患の基盤となり、慢性頭痛を引き起こす基盤になってきます。
細胞内小器官である「ミトコンドリア」は私達に生きるエネルギーを与えてくれますが、反面、活性酸素を最も多く発生する細胞内小器官でもあります。
ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。
しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。
身の回りの活性酸素を生み出す要因
活性酸素は、「呼吸をする」、「食事を摂る」、「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときにも発生します。酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で必ず発生するからです。そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗ガン剤、薬物全般、アルコール、タバコ、大気汚染物質など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再環流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。
「酸化ストレス」とは
先程も述べましたように、ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で活性酸素は必ず発生します。もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段を持っています。
ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”活性酸素を取り除く手段(抗抗酸化物質)の能力”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。
「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態・体質のことを言います。
たくさんのミトコンドリアが余裕を持ってエネルギーをつくる態勢だと、活性酸素はそれほど問題になりませんが、少ないミトコンドリアが必死にフル回転でエネルギーを作ろうとすると、活性酸素がたくさん排出されてしまいます。
ミトコンドリアは細胞のなかにある小さな器官で、糖と酸素を利用してエネルギーをつくり出す、いわばエンジンのような役割を果たしています。ところが、このミトコンドリアは、エネルギーを出すとき、同時に排気ガスのような「活性酸素」を発生させます。
自動車に例えると分かりやすいと思います。ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。
生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。
ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。
少量の活性酸素は有効に役立てられますが、活性酸素が増えてしまうと、害を及ぼします。
「酸化ストレス・炎症体質」は、ぼろぼろに錆びた金属に例えられる、「錆び体質」と言われるものです。ほとんどの現代人が抱える、さまざまな慢性病や生活習慣病の根底にある慢性病の源となっているものです。
現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われています。
「酸化ストレス・炎症体質」は長い間の生活習慣などにより起こり、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。
以上のように「酸化ストレス・炎症体質」とは、体の中から活性酸素がどんどん産生され、抗酸化作用が全く追いつかない状態で、いつも“腫れたり”、”痛みがでたり”、“熱がでたり”、”発赤したり”さらには、高血圧になったり、心臓や脳血管で血栓を起こしたり、コレステロール値が高くなったり、アレルギーになりやすかったり、風邪や癌などに罹りやすくなったり、頭痛を起こしやすくしたり、いろんな病気に罹りやすい”体質”のことです。
この「酸化ストレス炎症体質」を基盤として、“内臓脂肪”の要因が加わると糖尿病に、生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と片頭痛に、これがなければ片頭痛以外の慢性頭痛に、“脳内セロトニンが低下する”とうつ病やパニック障害に、“発ガン物質を摂れば”、ガンになり、”βアミロイドが蓄積すれば”、アルツハイマー病になってきます。
このように、生活習慣病や慢性病や慢性頭痛と言われている病気の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」で、多くの場合「遺伝的体質」や「原因不明」という言葉で表現されているのが現状です。
最近では、酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやタンパク質、脂質、糖質が酸化されていきますが、現在ではさまざまな病気において、これらの酸化ストレスにより変化した分子が、蓄積していることが分かってきました。
例えば糖尿病では、酸化された糖とタンパク質が結合し、異常な糖化タンパク質が増えていることが分かっています。また、動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質(過酸化脂質)が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっています。
さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したタンパク質などが蓄積していますし、酸化ストレスによって細胞が損傷を受けると、その細胞はやがてガン化します。
このように、強い酸化ストレスにより酸化された生体内の分子は、さまざまな病気の原因となっている可能性があるのです。
これまで片頭痛に対して、トリプタン製剤を服用さえしておれば、パニック障害・うつ状態にはならないし、冷え性も改善され、将来的には脳梗塞まで予防できるとされていますが、トリプタン製剤は本質的には、あくまでも片頭痛発作時に減少した「脳内セロトニン」を補填しているに過ぎないことを肝に銘じておかなければなりません。
このような発作時に服用するトリプタン製剤では減少した「脳内セロトニン」を完全には補填することはできません。このような雀の涙程度の微量なもので補填できるはずはなく、現実にパニック障害・うつ状態が改善できたでしょうか。脳梗塞が予防できるのでしょうか。
このような”ガマのアブラ売り”のような謳い文句に騙されてはいけません。
片頭痛発症の根幹にはこれまで述べてきたような「酸化ストレス・炎症体質」というものが存在し、このために、活性酸素や遊離脂肪酸が過剰に産生されやすく、このため血小板凝集が引き起こされ、これが引き金となって血小板から”生理活性物質”であるセロトニンが放出されることによって、片頭痛発作に繋がっていきます。
「酸化ストレス・炎症体質」のずっと遙か先の延長線上に脳梗塞が存在しており、こうした「酸化ストレス・炎症体質」を改善・是正しておかない限りは、いずれは脳梗塞を併発してくることになります。トリプタン製剤の服用だけでは到底予防出来るはずはありません。
トリプタン製剤だけで、片頭痛という辛い頭痛だけを緩和させていますと、根底にある「酸化ストレス・炎症体質」は益々、増強してくることになり、これも慢性片頭痛へと進展させる原因のひとつにもなってきます。最終的に、生活習慣病すべての原因になります。
このように、「酸化ストレス・炎症体質」が片頭痛患者さんの根底に存在し、これが片頭痛という”症状”を引き起こす原因になっているということです。
ですから、片頭痛を治すためには、この「酸化ストレス・炎症体質」を改善させておく必要があります。そうしなければ、次々に「共存症」を併発してくることになります。
「酸化ストレス・炎症体質」を改善させるためには・・
「酸化ストレス・炎症体質」を形成させないことです。これが、最も大切な点です。
そのためには、その根底にある次のような問題を解決する必要があります。
1)毎日の食事とともに摂取される有害物質をとらない
2)腸内環境を整える
3)解毒(デトックス)および解毒代謝能力を向上させる
4)生理活性物質(エイコサノイド)のバランスをよくする
5)インスリン過剰分泌を起こさない
当然のこととして、表1に対する対策も必要になってきます。
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頭痛が気になったら・・
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