私達が、日常生活を送る上で、誰でも極く軽い頭痛を経験するものです。
ネット上では、病気のサインは数多くありますが、私たちが最も不安になる症状の1つが“頭痛”なのではないでしょうか。その頭痛には上手に付き合わざるを得ない『機能性頭痛』と、脳やその他の部位の疾患のサインとして現れる『症候性頭痛』があります。
実は、この症候性頭痛の中に、見逃すと生命にかかわる怖いケースが含まれているのです。未然に回避するための頭痛サインをよく覚えておきましょう。
1.物が二重に見える。
2.ろれつが回らない(言語障害)。
3.手足が思うように動かない(歩行障害や手のしびれ)。
4.発熱、倦怠感、体重が急に減少(全身的な症状)。
5.新たに始まった、最近急に起きた頭痛(特に50歳以降)。
6.今までとは明らかに症状が違う(最近3~6カ月以内の急な変化)
・右側だけだった片頭痛が両側になった。
・急に吐き気がひどくなった。
・意識障害を伴って起こる激しい頭痛。
・朝起きた時だけ痛む。
このように述べられ、二次性頭痛という命に関わる頭痛を見落とさないようにと注意を喚起されますが、日常的に感じる極く軽度の頭痛は、上手に付き合わざるを得ない『機能性頭痛』として、ほとんどといってよい位に無視されています。
このため、テレビではご丁寧に毎日、鎮痛薬のコマーシャルを流し、私達は痛み止めを飲むことに対して何ら抵抗がなく、痛みを我慢するのがバカのように思わされています。
これが、現在の一般的な・普遍的な考え方になっています。どうしてなのでしょうか。
今回は、片頭痛以外の”日常的に感じる極く軽度の頭痛”について考えてみます。
これを探ることは、面白い事実に突き当たることになります。
それでは、このような日常的に感じる極く軽度の頭痛はどのようにして引き起こされているのでしょうか?
1.姿勢の悪さ
私達は、日常生活を送る上で、前屈みの姿勢を強制される生活環境に置かれています。
女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。
特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。
こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時は大抵どちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たい物を持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎(背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。
人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨に掛かることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。
こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。
S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。
ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
日常的に感じる極く軽度の頭痛は、姿勢の悪さに前屈みを強制される生活環境によって引き起こされ、「体の歪み(ストレートネック)」が形成される以前の段階において出現してきています。
2.便秘・・腸内環境の悪化
実は、便秘が頭痛の原因となることがあるというのを知っていますか。
便秘が続くと、頭が痛くなったり、お腹が苦しくなったり痛くなったりするだけではなく、肌荒れでニキビや吹出物、口臭がするなど、いろいろな体調不調が起こってきます。
それは、便が腸内に留まることで腐敗し、有毒なガスを出すことによるものです。便秘している腸内からは、インドール、スカトール、アンモニア、アミンなどといった猛毒物質が発生しており、これらが腸から吸収され血液と一緒にあなたの身体中を巡ります。
有毒なガスや腐敗した便は適度な時間に排出されませんと、再吸収といって、有毒なガスや毒素が腸の壁から血液中に取り込まれ、毒素が体に回ってしまうことで、さまざまな不調が起きてきます。
その症状のひとつに頭痛も挙げられ、便秘が解消すると頭痛が治る人は便秘が原因だったということになります。
便秘が続くと、体がだるくなるという人も多いのではないでしょうか。
血液に有毒な物質が混ざって全身を巡ることで、筋肉にも毒素や疲労物質が貯まりやすくなり、体のだるい感じや肩こり、腰痛などを起こすのです。
ここで忘れてはならないことは、ミトコンドリアは腸内に最も多く生息するもので、便秘によって腸内環境が悪化すれば、ミトコンドリアの機能が悪くなってくることです。
3.自律神経の乱れ・・セロトニン神経の弱体化
ストレスは自律神経を乱す根本的な原因になっています。
私達はストレスが重なりますと、頭痛を肇としていろいろな体調不良を訴えてきます。
日常的にストレスの多い忙しい生き方が続いていると、自律神経のなかの交感神経が優位に働くことにより血管は収縮し血流障害(「低酸素」)と「低体温」、を招きます。
ストレスが持続すれば、”マグネシウムを枯渇”させてくることになり、マグネシウムは、体中のインスリンの作用を応援する役割を持っていることから不足すれば、「高血糖」を来すことになります。
このため、解糖系が働きやすい環境である、「低体温、低酸素、高血糖」の3条件が引き起こされてくることから、ミトコンドリア・エンジンが働かなくなり、慢性頭痛を起こしやすくしてきます。
また、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与しています。
”セロトニン神経系”の機能の低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
慢性的にストレスに晒されることによって、「脳内セロトニン不足」を来すことによって、”痛みの制御”ができなくなって、頭痛を感じやすくなります。
上記のように脳内セロトニンの低下によって、自律神経の調整がうまくいかない状態が日常的になれば、平生から、脳内セロトニンの低下が潜在的に常態化することになり、ここに生理時にエストロゲンの低下が加わることによって、生理時に頭痛が引き起こされることになります。
女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
その時に頭の中の血管が拡張することで頭痛が起こると考えられています。
このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して頭痛が起こりやすいということなのです。
女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
以上のように、だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。こうした年代に女性の場合は、頭痛を発症してきます。
エストロゲンが低下することでセロトニン神経の機能が低下し、脳内セロトニン濃度が低下すると考えられています。
4.脂肪の摂りすぎ・・プロスタグランジンとの関与
必須脂肪酸である「アルファ・リノレン酸(オメガ3)」と「リノール酸(オメガ6)」は、体のほとんどすべての機能を調節するホルモン様物質(局所ホルモン)・プロスタグランジンの原料となる不可欠な脂肪酸です。
現在、プロスタグランジンの材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。
そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられ、炎症を悪化させるプロスタグランジンだけが過剰に生成されることになります。
現在のような「オメガ3欠乏」の状態では、圧倒的に「アラキドン酸」由来のプロスタグランジンが生成されることになります。
プロスタグランジンの原料になるのは食物の中に含まれる脂肪です。
このため、脂肪分の多い食事を摂り過ぎますと、炎症を悪化させる”生理活性物質”であるプロスタグランジンが産生され、頭痛・痛みそのものが出現しやすくなります。
実際に、このようなことは、”刺激を受け組織が損傷すると、まず細胞膜にあるリン脂質はアラキドン酸に変わり、更に体内にあるシクロオキシゲナーゼという酵素の働きにより発痛増強物質プロスタグランジンが生成される”といった場面で起きることです。
(プロスタグランジンは、熱感や腫れ、発痛の増強作用があります。)
このようにして、プロスタグランジンは日常茶飯事にみられる頭痛を引き起こしてきます。
また、生理痛や生理時の頭痛の原因にもなります。
6.電磁波による影響
パソコンを使うと、頭が重くなったり痛くなったりする。テレビを見ると、目が痛くなる、乾く、めまいがする。
キッチンやリビングの家電、蛍光灯などのそばでは頭痛、集中力がなくなる、疲れる。
電車・地下鉄に乗ると頭痛、筋肉・関節の痛み、動悸がする。新幹線には苦しくて乗れない。居る場所によって、やたらと疲れる。
家や職場の近くに高圧電線や変電所がある。携帯電話基地局やアンテナの近くでは頭痛、疲労感がある。
自動車に乗ると、疲れてヘトヘトになる、頭が痛くなる。
このような訴えの人が多くみられるようになりました。
「電磁波過敏症」
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12625529320.html
高圧電線、携帯電話の電波塔、室内では携帯電話やパソコン、様々な家電、これらが発生する電磁波によって頭痛やめまい、吐き気などを訴える電磁波過敏症の人が増えています。
現代の便利な暮らしから切っても切れない電磁波。症状として現れない限り大丈夫と思いがちですが、目に見えないからこそ分かりにくく、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
5Gの導入整備が加速するこれからに向けて、今からご自身や家族の電磁波環境を見直していく必要があるようです。
パソコンを長時間使用して、目が痛くなったり、頭痛、耳鳴り、疲れなどの症状が ある方は注意が必要です。この症状は電磁波過敏症の症状と同じです。
これらの電磁波に被曝すると、酸化ストレス、DNA損傷、免疫異常、自律神経系の異常、ホルモンの異常、心臓血管系の障害、認識機能の異常などが発生し、筋萎縮性側索硬化症ALSなどの神経変性疾患や、脳腫瘍などのがん、流産の増加、精子数の減少など生殖機能障害につながると指摘されています。
近年は発達障害との関連性を指摘する研究も増えています。デンマークの妊婦と子供を対象にした追跡調査では、妊娠中と出産後に母親が携帯電を使うと、子どもが7歳になった時点で発達障害を発症するリスクが1.5倍高いと報告されています。また妊娠中に携帯電話を1日に7回以上使うと、将来、子供が片頭痛になるリスクは1.89倍高くなるという研究もあります。
電磁波過敏症という新しい病気も、携帯電話の普及とともに世界的に増えています。家電製品や送電線、Wi-Fiや携帯電話などの電磁波に被曝すると、頭痛や極度の疲労感、めまい、目が焼けるような感覚、血圧の異常、耳鳴り、耳への圧迫感、動悸(どうき)、吐き気、集中困難、記憶力の低下、多動、イライラ、不安感などさまざまな症状が起きます。電磁波発生源から離れれば症状は収まるが、近づくと再発するという特徴があります。
現代社会では、学校や職場、スーパーや病院、交通機関などいたるところにWi-Fiが設置されていますので、一度発症すると日常生活にも支障が出て、退職や退学を余儀なくされる人も少なくありません。電磁波過敏症発症者にとって、電磁波は社会参加を阻むバリア(社会的な障壁)になっているのです。
7.酸化ストレス・炎症体質による影響
私達が生活していく中で、以下のような要因がミトコンドリアの働きを悪くさせています。
1.生活習慣の問題
睡眠不足
運動不足
食べ過ぎ・過食
早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
2.食事内容の問題
マグネシウム不足
必須脂肪酸の摂取のアンバランス
鉄不足
食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
3.生活環境の問題
活性酸素 野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
有害物質
4.年齢的な問題
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で活性酸素は必ず発生します。 もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段を持っています。
ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”活性酸素を取り除く手段(抗抗酸化物質)の能力”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。
「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態・体質のことを言います。
ミトコンドリアは細胞のなかにある小さな器官で、糖と酸素を利用してエネルギーをつくり出す、いわばエンジンのような役割を果たしています。ところが、このミトコンドリアは、エネルギーを出すとき、同時に排気ガスのような「活性酸素」を発生させます。
自動車に例えると分かりやすいと思います。ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。
表1のような生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。
ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。
少量の活性酸素は有効に役立てられますが、活性酸素が増えてしまうと、害を及ぼします。
「酸化ストレス・炎症体質」は、ぼろぼろに錆びた金属に例えられる、「錆び体質」と言われるものです。ほとんどの現代人が抱える、さまざまな慢性病や生活習慣病の根底にある慢性病の源となっているものです。
現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われています。
以上のように「酸化ストレス・炎症体質」とは、体の中から活性酸素がどんどん産生され、抗酸化作用が全く追いつかない状態で、いつも“腫れたり”、”痛みがでたり”、“熱がでたり”、”発赤したり”さらには、高血圧になったり、心臓や脳血管で血栓を起こしたり、コレステロール値が高くなったり、アレルギーになりやすかったり、風邪や癌などに罹りやすくなったり、頭痛を起こしやすくしたり、いろんな病気に罹りやすい”体質”のことです。
このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされてきます。
現在の「頭痛外来」での対応は?
このような「日常的に感じる極く軽度の頭痛」は、専門家が金科玉条とされる「国際頭痛分類 第3版β版」では、「緊張型頭痛」に分類されています。
本来「国際頭痛分類 第3版」の目的とするところは、片頭痛を明確に定義することによって、間違いなく、片頭痛に対してトリプタン製剤を処方させるためのものです。
このため、”片頭痛と明確に定義された”「国際頭痛分類 第3版」の基準に合致しないものが緊張型頭痛とされ、いわば緊張型頭痛(日常的に感じる極く軽度の頭痛)は”ゴミダメ”的な性格の強い頭痛とされ、専門家の間では、極めて”取るに足らない頭痛”とされています。
このように緊張型頭痛は全く無視されています。トリプタン製剤の処方に値しないため”儲からない”頭痛とされています。
さらに、専門家には、前回述べたように「ミトコンドリア」・「体の歪み(ストレートネック)」・「腸内環境」・「生理活性物質」といった概念そのものが欠如していることから、このような「日常的に感じる極く軽度の頭痛」の原因については考えが及ばないことになっています。
このため、緊張型頭痛はすべて原因不明とされ、現在の「頭痛外来」では筋弛緩薬・抗不安薬・血流改善薬を処方され、追い返されるのがオチです。こういった対処をされるために、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」のために、待ち時間4,5時間もかけて、わざわざ「頭痛外来」を受診する患者さんはいないことになります。
こうした「頭痛外来」で見放された緊張型頭痛の方々は市販の鎮痛薬に頼るしか残された道はありません。このため、頭痛の度に、市販の鎮痛薬を服用することになります。
市販の鎮痛薬の弊害
頭痛治療を進めていく際に、絶対にしてはならないことがあります。
それは、安易に痛み止めを服用することです。適宜、服用するのが原則です。
従来から、頭痛医療では、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は、片頭痛の”特効薬”とされてきました。
伝統的に、西洋医学では、このように痛みだけを緩和させて、治まればこれで全てが解決した、”一件落着した”と考えられていました。
日本の医学界は、西洋医学を踏襲していることから、当然、頭痛医学でも同様に「鎮痛」を第一とする治療が当たり前の世界になっていることから、昔から民間の置き薬を代表とする鎮痛薬を服用することに何ら抵抗はありません。
特に、現在ではテレビ・コマーシャルで毎日、「頭痛は我慢しないで、すぐ効く〇〇〇〇〇!!」のように宣伝されますと、頭痛を我慢することが罪悪のように思い込まされ、頭痛がすれば直ちに痛み止めを飲むことが極く自然のようにマインドコントロールされています。
しかし、市販の鎮痛薬を服用を繰り返せばどのようになるのでしょうか。
こうした市販の鎮痛薬すべては、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。
これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、頭痛を増強させます。
すなわち、市販の鎮痛薬が原因となって「後天性ミトコンドリア病」を作ってくることになります。
また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、”痛みの閾値”を下げるため痛みを感じやすくさせるために、さらに、頭痛を引き起こしやすくなります。
このようにミトコンドリアと脳内セロトニンの2つが関与して、市販の鎮痛薬によって、「薬物乱用頭痛」を引き起こし、かえって頭痛を酷くさせる原因になってきます。
この「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」2つは、「生体リズムを乱す」ことに関連しています。
結局、頭痛がすれば痛み止めを、・・といった習慣を繰り返しておれば、「ミトコンドリアの働きの悪さ」を引き起こし、さらに「脳内セロトニンの低下」をもたらすことによって、薬剤乱用頭痛を併発させ、却って頭痛を酷くさせることになり、何のために”痛み止め”を飲んだのか、訳が分からなくなります。
特に、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、テレビのCM通りに痛み止めを服用しておれば、仮にご家族の中に”頭痛持ち(このなかに片頭痛の方もおられます)”がおられれば、間違いなく片頭痛へと進展していくことになります。
このような日常的に感じる極く軽度の頭痛の場合、ご家族に”頭痛持ち(このなかに片頭痛の方もおられます)”がおられるかどうか等は、念頭には全くありません。
注意すべきことは、お母さんが片頭痛の遺伝素因を持っていても、健康的な生活を送っている限りは、片頭痛を発症することはなく、せいぜい”虚弱体質”程度にしか思われず、子供には分かりません。ここが最も厄介なところで、予防のしようがありません。
通例は、片頭痛へ移行してもなお痛み止めを継続され、全く、このような痛み止めが効かなくなって初めて、このような事実を認識するのが一般的です。
その結果、片頭痛への移行を早めることになります。
以上、このような「日常的に感じる極く軽度の頭痛」は、慢性頭痛とくに片頭痛発症の起点になるもので、極めて重要です。
「日常的に感じる極く軽度の頭痛」の原因は、個々のものが”核”となって、慢性頭痛が進行する”みちすじ”になり、やがて「脳過敏」を引き起こす”3つの流れ”にまで進展することによって、片頭痛へと移行していくものです。
ですから、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」が出現した段階で、7つの原因・可能性を念頭に置いて、詳細な問診を行うことによって原因を推測すべきです。
分からなければ、姿勢を正しくし、睡眠を十分にとり、規則正しい生活に努め、快便に努め、食べ過ぎに注意し、適当に運動を心掛け、リラックスする時間を設けることです。
このようにして、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」を起きなくし、市販の鎮痛薬とオサラバしなくてはなりません。このようにして、片頭痛への移行を阻止しなくてはなりません。
ところが、専門家の間では・・・
現在頭痛の専門家が作成している「慢性頭痛診療のガイドライン」ではまったく不適切であり、逆に、片頭痛を永続的に残存させる書籍でしかありません。
その理由は、諄いようですが、「ミトコンドリア」・「体の歪み(ストレートネック)」・「腸内環境」・「生理活性物質」といった概念そのものが欠如していることから、このような「日常的に感じる極く軽度の頭痛」の原因については考えが及ばないことになっています。
このため、緊張型頭痛はすべて原因不明とされ、放置されることになっています。
こういったことから、慢性頭痛すべて原因不明とされ、治らなくし、引いては片頭痛を永続的に残存させることになっています。
緊張型頭痛の段階で治すことができなければ、当然のこととして片頭痛は治すことはできません。
そのため、専門家は、片頭痛発作の引き金となる誘因を取り除き、発作を起こらなくすることが片頭痛予防といった馬鹿げた論説しかできず、さらに、「脳過敏症候群」といったまさに製薬メーカーに迎合するような論理が罷り通り、提唱者は国際頭痛学会でも賞賛されていると自画自賛される始末です。
このようにしてみれば、国際頭痛学会の本質が垣間見れることになります。
そして、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準と定める”学会”とは一体、何なのでしょうか??
「国際頭痛分類 第3版β版」は全世界の頭痛を担当する医療関係者の”共通の言語”とされ、日本でも、この「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準「”教義・教典”」とされるまでになっています。
そして、片頭痛の診断基準に合致しない緊張型頭痛は、まさに取るに足らない頭痛として、歯牙にも掛けられず、患者さんは仕方なく市販の鎮痛薬を服用せざるを得ません。
このような対処をすれば、いずれ片頭痛へと移行することに至ります。
このようにして、片頭痛患者が醸成・熟成され、無尽蔵に製薬メーカーに供給されることになります。
このようにして、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、緊張型頭痛を治すことなく片頭痛を”存続”させる基盤を作ったということです。
専門家は、何かといいますと、「国際頭痛分類 第3版β版」には記載されていないと拒否反応を示されます。その最たるものが、「体の歪み(ストレートネック)」です。
これを容認されないために、緊張型頭痛は到底治せるはずもありません。
現在では、緊張型頭痛は完治するとされていますが、このような時代ですら頭痛の専門家だけは緊張型頭痛は何故だか、治らないと言い張っています。
日本に2,000年にトリプタン製剤が導入されて以来、頭痛研究はまったくストップしているといっても過言ではありません。その理由すら理解できない専門家には期待できない状況にあるものと覚悟すべきです。
実際、電磁波の問題のように次々に新たな私達の健康を損なう問題が生まれてきています。こうした問題に直ぐに対応できるような知識、面識があってこそ、専門家と言えるのではないでしょうか?
何か、頭痛の専門家だけは、他の医学領域の専門家と異なり、偏った”偏見”しかなく、幅広い所謂”専門家”らしい、知識を持ち合わされる方々がいらっしゃらないと感じるのは私だけでしょうか???
従来より、”痛み止め”(鎮痛薬)の服用は大雑把に言って、月10回までとされてきました。頭痛がすれば、確かに一刻も早く、痛みを緩和させたいのは、本来のあり方ですので、痛み止めは当然服用すべきです。しかし、日常的に感じる極く軽度の頭痛ですら、不規則な生活・不眠・姿勢の悪さといった原因が存在します。このため、規則的な生活を心掛け、睡眠を十分にとること、単純に言えば”早寝早起き”の生活を行い、さらに姿勢を正しくするように努めながら、月10回までとし、最終的には頭痛を起きなくさせることです。
場合によっては、頭痛がさらに酷くなっていることもあり得ます。その場合、「自然治癒力が低下」してきていることが当然、予測されます。「脳内セロトニンの低下」、「オメガ3とオメガ6の摂取アンバランス」、「腸内環境の悪化」を想定する必要があります。
このため、「セロトニン生活を励行し、脳内セロトニンを増やす」、「生理活性物質であるオメガ3とオメガ6の摂取バランスに心掛け」「腸内環境を整える」ことを心掛けて、痛み止めは月10回までにする必要があります。
そして、片頭痛にまで至れば、「片頭痛って治るの!?」で示した項目を全て虱潰しに改善・是正しないことには、トリプタン製剤を月10回までにすることは不可能になります。
このように、頭痛が増悪するに連れて、改善させる項目が”ネズミ算式”で増加し、一筋縄ではいかなくなってきます。
こういったことから、頭痛を感じ始めた初期段階から、痛み止めの服用のあり方を考える必要があります。
これまでの頭痛学では、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は、片頭痛の”特効薬”とされてきました。
こういった考え方そのものが、「現代頭痛学」研究を阻害してきた源流になっていることを忘れてはなりません。謂わば、頭痛研究の限界とも言うべきものです。
現実に、日常的にテレビで市販の鎮痛薬のコマーシャルが流れようとも、頭痛の専門家は、こうした”市販の鎮痛薬の弊害”について注意を喚起することは、何故だかありません。
なぜ、こうした弊害が歴然として存在しながら、野放しにするのかを私達は冷静に考える必要があります。
市販の鎮痛薬の市場は、トリプタン製剤の比ではなく、莫大なものです。
市販の鎮痛薬を連用すれば、次第に効かなくなり、別の鎮痛薬が売れることになります。
また、服用する方が片頭痛の家系であれば、片頭痛患者を量産させ、トリプタン製薬メーカー及び予防薬のメーカーを潤わすことが可能になります。
こうしたことから、専門家は”市販の鎮痛薬の弊害”について注意を喚起することはありません。
このような現実は何を意味しているのでしょうか?
結局、頭痛研究は人類の健康・安寧をめざすものではなく、製薬メーカーの利益が最優先されていると考えなくてはなりません。
専門家が、学会で議論する”頭痛研究”とは私達の利益とは全く別のものということです。
ここでコマーシャルです
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html