アンプの音を決めるのはまず電源ですが、次は?(2) | ステレオ匠 人見隆典のブログ

ステレオ匠 人見隆典のブログ

ピュアオーディオを40年以上趣味で研究してきました。
その結果市販のスピーカーを超高音質なスピーカーに改造する方法を確立しました。
これを広めて豊かな音楽のある生活を普及させたいと思っています。

1990年代に入ってアンプのトランジスターはバイポーラートランジスターからMOSFETに変わってゆきます。この2種類のトランジスターは構造も動作原理も違います。私の仕事も1980年代はバイポーラートランジスターが主でしたが、1990年代に入ると次第にMOSトランジスターが増えてきて1990年代の後半には両方が入り混じった回路の仕事をするようになりました。
それぞれのトランジスターの詳細についてはふれませんが、アンプの出力トランジスターに適しているのは絶対にMOSFETです。1980年代はラックスキットのバイポーラートランジスターアンプを使用していましたが1990年代は金田式アンプ、窪田式アンプなどの自作アンプを色々と実験しながら作っていった時期でした。出力段パワートランジスターも最初はバイポーラーで作りましたが、MOSFETに変わり、電源も乾電池から鉛バッテリーに変わっていきました。
この時期に得た収穫はMOSFETの出力段パワートランジスターの採用で大きくアンプの音が良くなった事でした。また、良い音を出すためにバイポーラーではアイドリング電流を多く流してとてつもなく発熱していましたが、MOSFETではほとんど発熱しなくなり、とても扱いやすくなりました。
そして2000年代になるとさらに改良された性能が良いMOSFETができてきて、さらに音が良くなってきました。
私の経験ではアンプの音を決めるのはまず電源で、鉛バッテリーが最適です。次に大きな影響を与えているのは出力段のパワートランジスターでMOSFETが最適です。アンプの回路はシンプルな物が良くスピーカーからの逆起電力がNFBループに入り込まないように、プリドライブ段から適度なNFBをかけた回路が最良であるということでした。
現在私が使っているアンプは、30年にわたって自作し続けて得られたデータから改造を重ねて進化を遂げたオリジナルアンプです。もちろんバッテリー電源で回路内のトランジスターはモジュールは使わず全てディスクリートで一個一個特性を確認して選別して組み上げています。さらにプリント回路基板は使わず、全て半田で直接結線して時間をかけて作り上げています。是非一度聴いてみてください違いがわかると思います。