love storys  ~17歳、私と君と。~ -62ページ目

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side理菜~


「目腫れてるけど、大丈夫か?」


学校に着いて、席に座ったと同時に隆弘がそう話しかけてきた。


「目?そうかな・・・?」


「うん。なんかあった?」


「なんにも・・・」


平然を装う私。


だけど、それが不自然すぎると自分でも分かった。


だから、当然隆弘にもわかる。


「なにがあったんだ?」


「・・・言いたくない」


弱音とか相談とか。


私はそういう類いが嫌いだった。


される側は好きだ。


人に信頼されてるんだなって思うし、悪い気分はしない。


だけど、する側は・・・。


自分の秘密を暴露して、求めてもいない答えを出してくる。


私が求めているのは答えなんかじゃない。


その場にいるという安らぎ。


安心感。


それがほしいんだ。


だけど、誰もそれを分かってはいない。


みんな、自分が正しいと思う答えを出して、親身に受け答えをしてくれる。


それが一番迷惑なんだ。


ただ、聞いてくれればいい。


頷いていてくれればいい。


相槌を打ってくれればいい。


そんな人はいない。


みんなは助けを求めていると錯覚して答えを模索する。


いらない行為。


そんな、私に必要のない行為をしてくれる友達に私は絶対に相談をしたくない。


私は・・・そんな無慈悲な憐みを滲みださせて良き理解者になってくれるみんなを必要としてないないんだ。


そんな求めてもいない人たちに自分の秘密をばらすことほど愚かな行為はあるだろうか?


秘密ってのはとても崇高なもの。


大切なもの。


誰もが持っている心の内に閉まってあるもの。


その箱の蓋はパンドラの箱よりも硬く重いもの。


そんなにも・・・大事なものをみせるからには、それ相応の価値がないといけない。


・・・偉そうに語っている自分に嫌気がさして考えるのをやめる。


「俺にはいつも何かあったら相談してとかいうくせに自分のことになると一切話さないんだな」


「そうだよ。話してほしいの?」


「うん。理菜の助けになりたいんだ」


「助け・・・か。私には必要ないな」


「なんでだよ?」


「私は隆弘と違って強いから」


ニコッと笑顔を浮かべる。


「強いって・・・あの日・・・いや、なんでもない」


「何?」


「なんでもないよ」


彼が言おうとしたことは何だかわかった。


私が裕哉さんに振られて、今日みたいに傷心していたあの日のことだ。


あの日も私はすごく弱かった。


でも、傷心の意味が今日とあの日とは意味が違う。


あの日は好きな人に振られた綺麗な悲しみ。


今回のは自分の愚かさ。


汚い悲しみだった。


私は机に肘をついて隆弘を見た。


隆弘は手持無沙汰になったのか、私の机の上に置いてあったシャーペンを手にとってペン回しを始めた。


右手の中で蠢く私のペン。


私はそれをただ眼で追う。


私には到底できない芸当だった。


彼は親指の付け根で4回転させた後、それを掴んで私の目の前に置いた。


「理菜は・・・弱いよ」


苦笑・・・いや。


それとはまた違った小さな笑みを浮かべながら言った彼は、今の私の心境すべてを悟っているみたいで何の反論もできなかった。


「うん・・・」


だから、私はそれしか言えなかった。


自分が弱いことを知ってる。


自覚している。


だけど、他の人の前では強くあろうとしている。


強く見せている。


弱い自分をみせるのが嫌いだから。


情けなくなってしまうから。


弱い自分・・・。


誰かの前でだけは、ありのままを出したいって思ってはいるけれど・・・。


それは無理だって分かっている。


相談と同じ。


どうせ・・・慰めてくれるから。


慰めなんていらない。


今。


傷心な私がほしいのは・・・。


私の性格すべてを理解して、そばにいてくれる人・・・。


「俺が傍にいてあげるよ。いつもの強い理菜に戻るまで」


彼は真剣な表情でそういった。




ねぇ・・・隆弘。


私がその言葉にどれほど救われたと思う?


雨の日もそうだった。


君は私の一番の理解者で・・・優しい人だ・・・。




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おはようございます。


来週あたりから更新時刻を固定してやっていきたいと思います。


頑張ります。


あ~・・・。


やっと、30話ぐらいで予定していたところまで来たww

~side坂本~


彼女とのキスは・・・甘美なもの。


とは少し・・・いや・・・。


大きく違うものだった。


彼女は涙を流して、じっと僕を見た。


それがどういう意味なのか・・・。


何となくわかった気がした。


彼女は「ごめん・・・」


一言そう謝って、「トイレ行ってくる」


逃げるように僕の前からいなくなった。


その瞬間に・・・悟った。


僕らの関係はここで終りなんだなと。


キスをしたことで・・・。


この楽しかった・・・幸せだった一時が終わったんだなって。


キスをしたのがいけなかったことなのか。


きっとそういう訳じゃなくて・・・。


僕が相手だったから。


それが理由なんだろう。


彼女は僕のことを好きではなかった。


好きになろうとしていてくれただけで。


まだ・・・全然僕のことを見てくれていなかった。


途中からそれに気づいていた。


だから、焦ってしまったのかもしれない。


彼女を逃がさないようにって。


僕のそばに置いておくために。


だけど、それが裏目に出た。


彼女は僕のことが好きでなかったからこそキスを拒んだ。


彼女のことを分からなかった僕に・・・好きでいる資格はあるのだろうか?


・・・わかんない。


ただ、一つ言えることは・・・。


僕は彼女とは離れた方がいいってこと。


これから僕らの進むべき道は一緒ではない。


二人で歩いていくことは不可能。


別々に・・・。


時間を共有してはいけない。


僕はそれを望んではいけない。


絶対に。


僕は携帯電話を取り出した。


そして、彼女にメールを送る。


『別れよっか』


それだけ。


絵文字もなければ顔文字もない真っ黒なメール。


送った後、「送信しました」と表示された時。


別れようと言ったセリフに少しだけ違和感を思えた。


僕は彼女と・・・恋人らしいことをしただろうか?


自分が奥手すぎて何もできていない。


送ったメールの内容に後悔した。


だけど、今さら変えるのもなぁ・・・。


そう思い、僕は携帯をベッドの上に無造作に放り投げて、椅子に座った。


空は綺麗な満月が照らしていた。


少し不快だった。


夜空に照らす満月は綺麗で美しい。


その美しさには一点の曇りもない。


それが羨ましくて。


僕の心には曇りばかりで光なんてものは見えない。


荒んだ心には歯止めが利かなくなってうっすらと見えていた明るさまでも奪っていく。


そして、真っ暗になって・・・。


僕はただそこで打ちひしがれる。


自分の無力さに嘆きながら。


ふいに、携帯のバイブ音が鳴った。


彼女からのメールの返信が届いたらしい。


僕は、力なく携帯を手にとって受信ボックスを開いた。


ドクン・・・。


心臓の鼓動が早くなったのを感じた。


『ごめんね。ありがとう・・・』


対照的な二つの言葉が並べられていた。


この言葉は不思議にも矛盾しない言葉だ。


二つを、同じ一文の中に入れても、意味は通る。


特にこういう場合は。


僕はその二つに込められた意味を胸にしまって、メールを削除した。


故意に初めて消したメール。


それが・・・お別れのメールだった。




そして、これが僕と彼女との間の最後のメールとなったんだ。






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こんばんわ。


更新遅くなりました。。


今度から、予約時間を決めて、同じ時間に毎回更新しようかなとか考えています。


今日は坂本編でした。


今後坂本君は現れるのか・・・。


未定ですww


明日は、51話「「救われた」」です。



なんなのだろうか・・・。


このいいしれぬ、どうしようもない気持ちは。


胸が締め付けられるように痛いんだ。


苦しいんだ・・・。


キスってこういうものなの?


もっといいものなんじゃないの?


彼の唇の感触が。


温度が。


触れ合ったその鼓動が。


全部・・・私の体で拒否反応を示している。


なんで・・・?


なんで・・・?


「なんなんだよっ!!」


思わず出した叫び声はどこかに反響することなく空へと消えていく。


空を見上げた。


綺麗な満月が星々の中心に立って私を照らしていた。


今日に限って・・・。


ひどく美しい満月。


月明かりだけで街灯もない道は歩きづらいはずなのに、なぜか足元が見える。


それほどに。


今日の満月は綺麗だった。


悲しみはそここに積る。


静かに流れる風にも。


微かに見える遠くにそびえ立ったちっぽけな橋にも。


そして・・・。


私のあふれ出る涙にも。


今日は裕哉さんに振られた日とは違って雨は降っていなかった。


だから、止まらない涙を隠す場所なんてものはない。


隠す場所を知らない涙は虚しさに満ち溢れている。


頬を伝って流れ落ちる一滴の涙は綺麗。


だけど、顔がぐしゃぐしゃになって、大量の涙を流す場合はただ汚いだけ。


同じ涙でもえらい違いがある。


今の私の涙は後者にあたるだろう。


あの日とはすべてが違っていた。


天候だけじゃない。


今日は隆弘もいないし・・・。


それになにより・・・。


涙の意味が違う。


流した涙に含まれた意味が違う。


今回の涙は悲しみから溢れ出たものではない。


虚しさ・・・自分の愚かさから出た涙だった。


自分のやっていることを呪って最善の方法ではなかったと言い続け。


・・・バカみたいだった。


未来は見えていた。


こうなるって予想がついていた。


だけど、私はそのまま未来を変えようとはせずに進んだ。


脚本はそのまま。


手を加えられることなく、上映をした。


私は台本通りのセリフを読んで・・・。


最後はここで泣き崩れた。


おかしいって思わない?


台本を手渡されたときに結末って知ることができたんだよ。


そして、自分で変えることができた。


なのに・・・変えることをしなかった。


・・・バカじゃないの。


ふいに・・・彼とのキスが脳裏に蘇った。


嫌だ嫌だ嫌だ!!!


私は言葉にならない叫びを上げた。


了承したはずの彼とのキスは・・・。


こんなにも嫌なものだった。


なら・・・私は誰との恋愛になら・・・いいのだろうか?


誰が相手なら私は喜べるキスができるのだろうか?


・・・。


答えはもう分かっていた。


だけど、その答えは認めたくないもの。


だって、それを認めてしまってたら。


私が坂本君という人と付き合っていた事実をすべて否定することになるのだから。


キスって・・・。


簡単に軽い気持ちでできるものじゃないんだなぁ。


決意をしたからって。


そういう問題でもないんだなって。


今さらになって実感した。


苦い、最低なファーストキス。


暗闇の中。


ただ一つの光を見つめながら、私は今日。


いや・・・。


嘘をつくって決めたあの日のことを恨んだ。


それが意味のないことだって分かっているけれど・・・。




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すいません。


もうすぐ学校が始まります。


あ~・・・嫌だなぁww

決意はした。


だけど、それに比例して体が動くほど私の気持ちと体は一体化はしていない。


別々のもの。


そう捉えるのが正しい代物だ。


手に汗が溜まっていくのを感じた。


恋人握りから、私は普通に握り直す。


そして、彼の手を引っ張って、人気のないところへと誘導する。


っていう想像。


手はまだ恋人握りのままだ。


歩きながら私たちの会話はない。


無言のままゴールのない道のりを無意味に歩いていく。


歩けば歩くほど。


私の鼓動は速くなっていく。


どうしよう・・・どうしよう・・・って。


動こうとしない私の体。


ヘタレか・・・おのれは・・・。


内心肩をくすめて苦笑する。


その時だった。


彼が私の手を引っ張った。


「ふぇ!?」


私は驚いて素っとん狂な声を上げた。


そんなん私の言葉を彼は無視して、人気のないところへと連れ出そうとする。


だけど、悲しいかな。


人気のないところなんて、どこにもなかった。


そんな彼が向かった場所。


そこはデートのロマンチックさもない場所だった。


地下駐車場。


そこには数台の車しか止まっていなく、人影もほとんどなかった。


コツ・・・コツ・・・コツ・・・。


私と彼の足音だけが響き渡る。


音が伝わりやすい場所。


誰もいないせいで、自分たちの足音の音は全体に響いて私たちの耳に入ってくる。


ふいに、彼は立ち止まり、私を見た。


「高橋さん・・・」


決意を決めた彼の今の表情を見ていると・・・。


草食系。


そんな言葉が一番似合わないような男の子みたいだった。


眼はまっすぐと。


私だけをとらえていた。


頑張ってるなぁ・・・。


そんなことを思う。


一生懸命に出してきた勇気。


その勇気は彼にはとても似合わないものだけれど。


すごく有難くて・・・。


「坂本君・・・」


二人とも考えていることは同じだった。


私と彼。


きっと・・・同じような気持ちではないのだろうけど。


それでも・・・。


一緒・・・一緒だ。


彼は、私の腕を引っ張り自分の方へよせて私抱きしめた。


温かい・・・。


男の人の温もりを感じた。


見た目以上に大きな体。


すごく安心感があった。


包容力があった。


一瞬だけ夢心地に浸るような・・・。


だけど、その幸福の瞬間はすぐに終わって・・・。


彼は私から体を離す。


そして、手をぎゅっと握って。


顔を近づけてくる。


私は顔の角度を変えない。


彼が変えてくれたから。


少しだけ傾いた彼の顔が私の方へ近づいてきて・・・。


キスってどんなものなんだろうか?


重なる直前。


もう一度そんな疑問を持った。


キスをすれば何かが変わる?


キスにどんな意味がある?


いろんな疑問を浮かべ、頭に描きながら・・・。


私は、ゆっくり目を閉じた。


それと同時に・・・。


私と彼の唇が重なった。


唇の触れる感触。


伝わる温度。


彼からの率直な・・・一途な気持ち。


その、すべてに・・・すべてに・・・。




私はその夜、声を殺して・・・泣いた。



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ん~・・・。


って感じですww


明日は49話「脚本通りの結末を」です!




私は今。


坂本君をどういう利用の仕方をしようとしているのだろうか。


最近よくわからなくなってきていた。


裕哉さんをあきらめるための・・・そのために利用しているのか。


好きになって諦めるための利用なのか。


それとも・・・。


ただの恋愛を経験するための相手として・・・利用しているのか。


色々考えれば考えるほどに分からなくなっていくんだ。


頭の中がごちゃごちゃになって、最後は真っ白になって。


何も考えられなくなってしまう。


眩しいほどの電気が私たちを照らす。


華やかな店が私たちを包み込む。


人々の話し声。


笑い声が私たちの行く手を阻む。


窓から外が見えた。


外はまだ強い雨が降っていて、傘なしでは歩くことができそうになかった。


私たちは言っていの距離感を保ちながら並行して歩いていく。


手があたりそうで当たらない距離。


彼はいつになったら自分から手を繋ぎに来るんだろうか?


そんなことを思いながら、私は自分から彼の手を握った。


彼の体が反応する。


そして、赤面しながら私を見た。


「恥ずかしい?」


私は聞いた。


「けっこうね・・・」


「男の子でしょ?」


「まぁ・・・そうだけど」


「だったら、何事も自分から行こうよ」


「うん・・・」


彼は私の手を強く握り返してきた。


さっき、触れた時は比較にならないぐらいの温かさを感じる。


これが・・・人の温もりかぁ。


当然だけど、手を繋いでいると歩きづらい。


人をよけるのがすごく大変になる。


それでも、周りのカップルのほとんどが手を繋いでいる。


お互いの温もりを感じるために。


カップルであると証明するために。


二人がはぐれないように。


様々な理由で。


私たちはどういう意味を持ってこの手を握り合っているのだろうか。


わかんない。


私は、握る力を弱めた。


すると、それに反応するかのように彼の握る手も弱まって、二人の手は触れているだけになる。


私はそこから手を滑らすように角度を変えて、彼の手の角度と会わせた。


指と指が、重なる角度に。


私はそこから少しだけ・・・。


ほんの少しだけもう一度スライドさせて角度を変える。


彼の指の間に指が入るように。


そして、そこから私は力を少しだけ指に込めて、ぎゅっと握った。


恋人握り。


すごく握りづらい。


普通に握るよりも圧倒的に。


だけど、これはこれで何かいい気がした。


変な違和感の中で感じる彼の指一つ一つの大きさ。温度。


そして・・・・鼓動。


すごく小さな鼓動が聞こえるんだ。


それらが、言葉では表現できないような形に変わって。


私の胸の中にすっと入ってきた。


この時。


この瞬間に。


私は彼が恋人であると再認識した。


『好き』


その感情は彼に持ち合わせていない中で・・・。


彼が恋人であるんだって。


改めて理解したんだ。


だから、私は・・・。


次に進む決意をした。




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坂本君と理菜・・・。


こんなに長く続くとは思わなかったなぁ。。


もうすぐ隆弘君出てきます!!


覚えてますか?