49話 脚本通りの結末を | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

なんなのだろうか・・・。


このいいしれぬ、どうしようもない気持ちは。


胸が締め付けられるように痛いんだ。


苦しいんだ・・・。


キスってこういうものなの?


もっといいものなんじゃないの?


彼の唇の感触が。


温度が。


触れ合ったその鼓動が。


全部・・・私の体で拒否反応を示している。


なんで・・・?


なんで・・・?


「なんなんだよっ!!」


思わず出した叫び声はどこかに反響することなく空へと消えていく。


空を見上げた。


綺麗な満月が星々の中心に立って私を照らしていた。


今日に限って・・・。


ひどく美しい満月。


月明かりだけで街灯もない道は歩きづらいはずなのに、なぜか足元が見える。


それほどに。


今日の満月は綺麗だった。


悲しみはそここに積る。


静かに流れる風にも。


微かに見える遠くにそびえ立ったちっぽけな橋にも。


そして・・・。


私のあふれ出る涙にも。


今日は裕哉さんに振られた日とは違って雨は降っていなかった。


だから、止まらない涙を隠す場所なんてものはない。


隠す場所を知らない涙は虚しさに満ち溢れている。


頬を伝って流れ落ちる一滴の涙は綺麗。


だけど、顔がぐしゃぐしゃになって、大量の涙を流す場合はただ汚いだけ。


同じ涙でもえらい違いがある。


今の私の涙は後者にあたるだろう。


あの日とはすべてが違っていた。


天候だけじゃない。


今日は隆弘もいないし・・・。


それになにより・・・。


涙の意味が違う。


流した涙に含まれた意味が違う。


今回の涙は悲しみから溢れ出たものではない。


虚しさ・・・自分の愚かさから出た涙だった。


自分のやっていることを呪って最善の方法ではなかったと言い続け。


・・・バカみたいだった。


未来は見えていた。


こうなるって予想がついていた。


だけど、私はそのまま未来を変えようとはせずに進んだ。


脚本はそのまま。


手を加えられることなく、上映をした。


私は台本通りのセリフを読んで・・・。


最後はここで泣き崩れた。


おかしいって思わない?


台本を手渡されたときに結末って知ることができたんだよ。


そして、自分で変えることができた。


なのに・・・変えることをしなかった。


・・・バカじゃないの。


ふいに・・・彼とのキスが脳裏に蘇った。


嫌だ嫌だ嫌だ!!!


私は言葉にならない叫びを上げた。


了承したはずの彼とのキスは・・・。


こんなにも嫌なものだった。


なら・・・私は誰との恋愛になら・・・いいのだろうか?


誰が相手なら私は喜べるキスができるのだろうか?


・・・。


答えはもう分かっていた。


だけど、その答えは認めたくないもの。


だって、それを認めてしまってたら。


私が坂本君という人と付き合っていた事実をすべて否定することになるのだから。


キスって・・・。


簡単に軽い気持ちでできるものじゃないんだなぁ。


決意をしたからって。


そういう問題でもないんだなって。


今さらになって実感した。


苦い、最低なファーストキス。


暗闇の中。


ただ一つの光を見つめながら、私は今日。


いや・・・。


嘘をつくって決めたあの日のことを恨んだ。


それが意味のないことだって分かっているけれど・・・。




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すいません。


もうすぐ学校が始まります。


あ~・・・嫌だなぁww