フーテンの横チン -279ページ目

夕暮れの霊峰


2014・1・25~愛媛・松山市~
 真っ昼間から石鎚山を見るのは久しぶりだった。洗濯物を干している時、ふと雪山が目に入った。ああ、きれいだなあ。柄にもなく、ちょっぴり感傷的になった。寒いところがダメダメなのだが、眺めたり、写真を撮ったりするのは大好きだ。いつかは夏山に登りたいなとずっと思っているけど、なかなか行動に移せない。日ごろの運動不足を考えるから、心と体が一致した行動をしないのだ…。
 以前、勤めていた会社の先輩が元登山部で、休日になると、いろんな山に登りに行っていた。「登山って、何が楽しいんですか?」。酒の席で聞いたことがある。「そんなん当たり前や。そこに山があるからや」。イギリスの登山家、ジョージ・マロリーの有名な言葉だと教えてくれた。
 まあ、そうだよな。なぜ、スキューバ・ダイビングをするの?と聞かれたら「そこに海があるから」と言うだろうな。海のことは潜らないと分からない。山だって、登らないと理解できないことばかりなんだろうな。富士山が世界自然遺産となったが、愛媛県人としては、まずは霊峰・石鎚山に登らないとね。

からあげの誘惑


2014・1・24~愛媛・松山市~
 家路へと急いでいる時に気がついた。「あっ、昼メシで食ったんだった…。まっ、いいや」。いつもの帰り道にある弁当店で、いつもの弁当を注文した。まじめな話、からあげ弁当しか買ったことがない。「からあげの大盛り!」。このセリフしか、言ったことがない。だって、ひとくち食べただけで、惚れてしまったんだもん。以来、少なくても週に1回は購入して帰っている。
 出会いは昨年10月だった。自炊が面倒な気分だったので、いつもは気になっていながらも通り過ぎていた店のガラス戸を開いた。その時、たまたまスマホの充電がなくなっていて、巨人―広島のクライマックスシリーズの途中経過が分からなかった。からあげ弁当を注文した後、聞いてみた。
 おばちゃん、野球はどうなっとる?「さっきなあ、同点でテレビ中継が終わったんよ」。そうかあ…。「兄ちゃん、どっちのファン?」。もちろん、カープ!「そうか、ウチもや。勝ってほしいねえ」。そやねえ、マエケンに頑張ってほしいなあ。「そやねえ、あの子、男前やけんねえ」…
 結果的に、カープは日本シリーズに進出できなかったが、そんな会話をして以来、おばちゃんのファンにもなって、顔をのぞかせるようになった。もちろん、からあげ弁当がうまかったからだが、おばちゃんと話をしたいのも理由のひとつだ。
 秋には外でできあがるのを待っていたのだが、冬なってからは「兄ちゃん。寒いけん、中に入りいや」と言われるようになった。からあげ男子を夢中にさせる、からあげ弁当とおばちゃん。まあ、2食連続になってしまったけど…、まっ、いいや。

 

冬空に咲くバラ


2014・1・23~愛媛・松山市~
 この寒空に似合わない花が目に入った。列車通り沿いをチャリンコで走っていると、ピンク色のバラが咲いていた。遠くから近づく列車のライトが当たり、その花びらがきれいに浮き上がった。花のことはよく分からないのだが、冬でも咲くのかな…。少しばかり眺めていると、その茎にあるトゲを見つけて、嫌なことを思い出した。
 そう言えば、今年は前厄なんだよなあ。最近、会社の同僚がやけに絡んでくる。特に、仕事で同じチームのメンバーでもある「ヤツ」はひと回り以上も年下なのに、平気で横チン呼ばわりする。そして、デリケートでガラスのハートをチクリチクリと刺すようなことを言ってくるのだ。プライベートで何か、嫌なことでもあったのだろうか?それに、ここ1週間、ずっと腰が痛くて、せきをするのもつらい…。まあ、前厄の39歳なんだから、お手柔らかに…。