フーテンの横チン -277ページ目

出勤前のチンチン電車


2014・1・30~愛媛・松山市~
 いつも当たり前のように通る道でも、移動手段が変われば、景色が違って見える。雨だったので、この日は電車で通勤。会社から最寄りの伊予鉄・古町駅から歩いていると、まだエンジンのかかっていない2台のチンチン電車が止まっていた。トレードカラーのオレンジ色の電車と坊っちゃん列車。ある意味、走っているものよりも貴重かもしれない。
 ふだんは自転車通勤。自動車やバイクよりも、じっくりと景色を見ているはずなのに、この日の風景は初めてだった。そういえば、じいちゃんやばあちゃんによく言われた。「地図を覚えるには、歩かんと覚えんで」。そうだよね。たとえば、郵便ポストの位置とか、路地の奥にある隠れ家的な居酒屋とか。ゆっくり歩いてこそ、確認できるものは少なくない。
 写真を撮っていると、後方から整備士らしき人がやってきた。出発前の確認だ。「行ってきます!」。いつものように、松山の人々の足となる2台の車両に向かって、心の中であいさつした。

ポストの上の松山城


2014・1・29~愛媛・松山市~
 ただの手紙投函箱じゃない!ちょっくら用事があって、通勤前に松山中央郵便局に寄った。近くに自転車を止めて、入口に向かうと、変わったポストを発見。なんと、ポストの上に「松山城」が飾られてあった。それも、模型ではなくて、たぶん青銅でつくられている。いろんな人に触られているんだろうな、少しだけ丸みを帯びている部分もあった。
 その土地にしかないものって、探せばけっこうある。マンホールの絵柄や自動販売機などは、街をを歩けば、よく見かける。博物館や美術館で目を癒すのもいいけど、日常生活の中に、こんな粋な展示物が多くあったらいいなと思う。あなたの街には、珍しい「展示物」はありますか??

暗闇の中の観覧車~その4~


2014・1・28~愛媛・松山市~
 信号待ちをしている間、ふと後ろを振り返ると、カラフルに色を変える観覧車が見える。いつもの光景。でも、よくよく考えると、とてもぜいたくだ。拓川町から松山市駅方面に架かる末広橋。その下には、石手川がある。午前中には、川沿いを散歩する老夫婦をよく見かける。でも、日が暮れ、暗闇が支配すると、聞こえるのは家路へと急ぐ自動車やバイクのエンジン音ばかりだ。
 街灯から漏れる灯り。当たり前のように毎日、道案内をしてくれるのだが、こんな寒空の下では、たき火のような温もりにも感じる。後方から、たぶん部活帰りの女子高生2人組がおしゃべりをしながらやってきた。「おなか減ったよ~」。うん、僕も減ったよ~。心の中でつぶやきながら、晩飯は何にしようかな、と考えていた。