true north
north はコンパス、羅針盤という意味でも使うが、true north とtrue(真の)がつくと英語では慣用句として「真に重要な目標」や「決して変わらない目指す方向」「正しい方向生きる意味」という意味で使う。コンパスの針が常に北を指すように自分の人生における確固たる指針や価値観を表わす言葉として比喩的に用いられる。
Honesty is my true north.(誠実さが私の真の目標だ)のように。
アメリカ大統領トランプ氏は発足以来政府の支出削減に向け連邦政府機関を縮小する取り組みをしてきたが、2025年7月1日にUSAID(対外援助アメリカ国際開発庁)の職員を大量に解雇し、途上国での支援活動を停止している。6月30日には英医学雑誌ランセット誌が「USAIDの資金削減で2030年までに1400万人以上の死者が出る恐れがある」と発表した。
一国の大統領や首相が真の羅針盤になって国を率いている国は、少ないのではないか?アメリカだけではなく、ロシア、中国、北朝鮮など、ならず者国家が世界を騒がせている。
私が実はtrue northという言葉を知ったのは、映画「Message In A Bottle」の中である。船を造ることで生計を立てている男が、亡くした妻にあてて書いた手紙を瓶に入れて海に流していたものを新聞社の調査員として働いている離婚間もないシングルマザーのテリーサという女性が偶然拾って読むところから始まる、同名のベストセラーが映画化されたものだ。原書の中では、かなり長々とギャレットという男が叙情的に書いた手紙を、要約してシナリオライターが切ない手紙にしている。
“I feel I’ve been lost. I’ve never been lost. You were my true north.” 自分が途方にくれて迷ってばかりいる、あなたが僕の真のコンパスだった、と。ちなみに原書にはYou were my true north.という言葉は入っていない。シナリオライターが映画の中に絶妙に入れた。テリーサとギャレットは巡り合い恋に落ちる。
実生活で自分のtrue northになるべき人に出会うことは、少ないかも知れない。上司、恋人、夫や妻、友人が自分が迷った時に正しい道を示してくれると嬉しい。
先日友人と話していて面白いエピソードを聞いた。ある若い女性が、働いている大学の研究所で教授に言い寄られて困っていると相談してきたそうである。友人は即座に「そんなの簡単じゃないか。君がその教授を好きなら愛人になればいいし、嫌ならその仕事を辞めればいい。それだけのことだ」と応えたらしい。彼女はすぐ、その仕事を辞め、別な会社で生き生きと働いていると後日お礼状をよこしたらしい。人は悩んでいるときはどっぷりとドツボにはまって何も見えなくなっていることが多い。そんな時に風穴を開け、光を与えてくれる真の羅針盤true northが傍にいてくれたら、人生は何と恵まれたものになるだろう。
私は、どうでも良いようなことを、グズグズと悩み続ける癖がある。その友人に出会ったことに感謝し、私の時もよろしくね!とお願いしよう。