crisis

 2023年に、その年を最も象徴する漢字が“税”であったのに対し、もし英語1語で表せと言われたら、crisis(危機) だという気がする。

1年1か月前に赤旗日曜版が自民党主要派閥をめぐる政治資金パーテイの裏金疑惑をスクープし、神戸学院大学の上脇博之教授と相談し、東京地検に刑事告発した。ようやく12月になり捜査が始まった後、ぞくぞくと安倍派と二階派に強制捜査の手が入り、4閣僚5副大臣の更迭が決定された。

これは、まさに自民党全体をゆるがす構造汚職と言ってもいい。「政治とカネ」の問題は、政治資金パーテイや企業団体献金を全面禁止すれば良いのにと思うのだが…。議員数と選挙の得票数で、国民一人ひとり、赤ちゃんからお年寄りまで250円ずつ血税を集めて、政党にカネを配る政党交付金があるのだから。ちなみに2023年の政党交付金の主な内訳は以下のとおりである。

自民党 159億1000万円 立憲民主党 68億3200万円 日本維新 33億5100万円

公明党 28億6900万円 共産党は受け取り拒否。

 

私たち国民は、もっと自分たちの血税がどう使われているかに敏感になるべきだ。

 

 さてcrisis (危機)は、たとえば Our country is in an economic crisis. (わが国は経済危機に陥っている)のような使い方をするが、私が最も好きな名言の一つに

When written in Chinese Characters, crisis is composed of two words ; one is  ‘danger’ and the other is ‘opportunity’.( クライシスは漢字で書くと2つの語から成る。一つは危険の゚危’もう1つは好機の゚機’である)つまりcrisis (危機)は確かに危ないという意味も持つが、またそれはチャンスでもある、ということ。

 

 昔、職場訪問という研修があったとき、すでに不景気の時代であったが、80歳過ぎの実業家2人が、「こういう時こそチャンスだ」と胸を弾ませて対談していたことを思い出す。

どん底の時こそ、こういう至言を思い出したい。もう一つ好きなことわざがある。

Every cloud has a silver lining.(どんな雲にも輝く裏がある;苦あれば楽あり)

 

 2023年12月は、また驚くべきニュースが駆け巡った。ダイハツが全ての車の生産を中止すると発表したのだ。点検体制に不正があったらしい。一時的な決定なのかもしれないが、新車の契約にお金を払ってしまった人たちが、いつ納車されるのか?と不安になっている姿が映し出されていた。私はダイハツの社員だけでなく、部品を収めている子会社、孫会社など、日本中の中小企業の人たちが何千人も何万人も、年の瀬に震えているかと思うと気の毒でならない。

 

 当事者でないから、そんな無責任なことを言う、と思われるかもしれないが、命を大切にこの危機を乗り越えていただきたいと切に願い、迫害で若い命を奪われた、アンネ・フランクの言葉を送りたい。

Think of all the beauty that’s still left in and around you and be happy.(あなたのまわりにまだ残っているすべての美しいものを、思い浮かべなさい。そして幸福になりなさい )