【読み物】手帳200%活用ブック
著者: 日本能率協会マネジメントセンター
タイトル: 手帳200%活用ブック
業界が業界なだけに周囲にはPDA派も多い中、アナログ手帳を使っている。少し前まではPDAを使っていたのだが、いじくりまわす余裕がだんだん無くなってきて、結局は王道に落ち着いてしまった。
時間管理やメモなどは、まだまだ紙に軍配があがると思う。
PDAは大量データを格納・検索する用途では抜群の利便性を発揮するが、日々刻々と記していくような情報に対しては、検索したりページスクロールしたりと手順が多いため、どうしても不利である。
手帳ならぱっと開いてパラパラめくるだけだもんね。
バイブルサイズシステム手帳を使っていて、なかなかなじんできてはいるのだが、もっと上手い使い方があるんだろうな、と感じていたところに、ふと見かけた本書を衝動買い。
皆さん工夫してますね~
何点か参考にはなったので、一応元は取ったかな?
しかし、さすがに自分はオリジナルリフィルを作るまでにはハマれないな…
リフィル付録はいらないので、その代わり活用例の更なる充実をしてほしいな
【読み物】オトナ語の謎。
著者: 糸井 重里
タイトル: オトナ語の謎。
腹筋が痛いっス!著者のWWWサイト上での企画をまとめたものだが、このセンスと才能、遊び心、人脈、ほんとすごい。
電車の中では読まないように。我慢しきれずに笑い出す一部始終を向かいに座った人に見られても恥ずかしくなければ可。
IT業界にも、変な話し言葉はいっぱいありますよね~
落ちる、バグる
死んでる、生きてる
叩く
かぶせる、のっける
などなど。
本にも掲載されてますが、デフォルトは多分IT業界発じゃないかな~
(仕事がら初期値・初期設定について扱う場面が多いので…でもこの単語、債務不履行って意味もあるんですよね…)
最近面白かったのは、「前提をきる」
システム開発の受託などでは、そもそも発注内容がぼんやりしていて曖昧なことが多く、見積する時に前提条件(もしここがこうなっちゃったらお金追加ですよ、みたいな仮定の条件)をたくさんつける。
でも大体においてお金が追加出来たことは少ないのであるが。
「ここんところはヤバいですね。前提きっときますか?」という風に使う(らしい)。
仁義をきる、タンカをきる、からの発想かな?
確かに、ある意味やくざな業界ですが!
【小説】ユービック
著者: フィリップ・K・ディック, 浅倉 久志
タイトル: ユービック
ドラえもんの最終回で、全てはのび太の夢だった。しかものび太は植物人間だった。というよく出来た偽話があるけど、本作をMotifにしたのかもね?
SFの定番プロットの1つと言ってもいい「今いる世界は夢か現実か、どっちだ?」モノである。
The Matrixと違って、夢と現実?の通信手段はマッチ箱の広告であったり、テレビCMであったり、トイレの壁であったり、交通違反切符の注釈であったりする。
このあたりは本作をもMotifにしていると思われるThe Matrixは流石に現代モノ、携帯電話。
#The MatrixでNOKIAのスライド式電話をシャキン!とやるのが格好良くて、当時はNOKIA携帯がほしくなったのを覚えている。日本でも最近やっと携帯電話ギミックにバリエーションが出てきましたね。
結構サスペンスな風味も加わっているところもある。
始めは周囲の時間が逆行していく状況に困惑しつつ、主人公が「これはもしかして?」と疑い出してからの展開は謎解き要素が多く一気に読める。
始まって直ぐに魔性の女的なサブキャラが出てきて、物語全般を通じて意味深な行動をとるのも謎めいた雰囲気を引っ張っている。
キャラとしては他にも、序盤で集められた「反予知者」たちなどは磨けば光りそうなキャラ達だと思うのであるが、残念ながら物語りの中ではそれ程深く掘り下げられることなく消えていく。
この設定とキャラ達でもう1本くらい物語作れそうな気がする。
最後はベタな終わり方。途中で予想できちゃうだけに、逆にそれが王道というべきものか?
BGM->Snoop Doggy Dogg"Doggystyle"1993
【新書】情報文明の日本モデル
著者: 坂村 健
タイトル: 情報文明の日本モデル―TRONが拓く次世代IT戦略
坂村教授と言えばTRON、TRONと言えば坂村教授…最近はユビキタスにエネルギー充填120%!?
ちょっとした待ち時間に読める本はないかな、という軽い動機で衝動買いしてしまった本。
若干TRONのアピールが多すぎかな…確かに文字コードの話などは重要だけど、そんなに何度も何度もTRONって言わなくてもねえ…
マスコミ露出が多いせいか、わかり易く語るのが上手い。本書も、単に米国追従では駄目だ、とか、日本独自の戦略としてはブロードバンド化よりもモバイル強化が必要だ、とか、ITにあまり明るくない人は特に「なるほど」と思うだろう。
圧巻は日本人と欧米人の遺伝子上の違い(日本人=個人プレーは弱く団体行動向き、欧米人=個人プレー得意)の話。ほんとかよ、と言いたくなるがイキオイで納得させられてしまう。
何はともあれビジョンを示している本である(見方を変えるとTRONアピールのために取り巻く状況と今後を解説した本かも?)。
従って具体化は我々がしていかねばならない。そういう読み方をすれば、1日で読み終わるし元気が出るので、それはそれで良いと思う。