一行詩的俳句集『自然理と詩』


俳句の一行詩としての

側面を探った作品集です


今回は、自然理と詩

をテーマにした夏の作品を集めました


様々な自然の理を

より比喩的に、詩的に解釈して表現しました


俳句の基礎とともに、一行詩の特徴

技法などもわかる範囲で取り入れました


勉強不足な点も多々ありますが

楽しんでご覧いただければ幸いです


*作品は既発表句です




『自然理と詩』

一行詩的俳句集


わたしという連続体が植える田よ

慣性の法則



片恋のこのかたむきよボート漕ぐ

運動方程式



平およぎ水に押しかえされながら

作用・反作用の法則



鳴くせみよ圧力抜けてゆくように

音響の基本法則



かっこうよ川がまわって水車小屋

エネルギー保存の法則



かくさんする記憶溶けゆくかき氷

エントロピー増大の法則



かみなりよ天と地が手を繋ぐたび

クーロンの法則



ひかれあう浮輪と浮輪日のプール

万有引力の法則



手花火よふたりにちがう時ながれ

相対性理論



君の言葉に君がぼやけて夏のくれ

不確定性原理



あるときは君あるときはかおる風

波動と粒子の二重性



ふんすいよたくさんの理が乱反射

光の反射屈折の法則



灯台よいっちょくせんの灯を涼夜

フェルマーの原理



薔薇ひらくくれないという一系譜

遺伝の法則



キリンの首高くなりだす若葉どき

進化の法則



糞ころがしころがしつづけ生態系

生物多様性の原理



巻き貝のからをあらわになつの波

生物の適応と淘汰



あかん坊の泣きあせ寝あせ腕の中

ホメオスタシス



生老病死咲くとなく咲く花仙人掌

生老病死のサイクル



地球がじぶんじぶんが地球檸檬水

生物地球化学的循環



田しごとよめぐる季節の中で夏至

季節変化の法則



たまご抱くカニに大潮なつのつき

潮の満ち引き



ひまわりのたねよしぜんは黄金比

フィボナッチ数列と黄金比



むぎわら帽子太陽風をおもうかぜ

太陽活動と地球への影響



なつの孤独星とおのいてゆく浜よ

宇宙膨張の理論



たんざくの俳句も令和駅ふうりん

文化の進化と伝播



アイスコーヒー上るか欲求階層を

マズローの欲求階層説



はたはたと白扇こころすみわたり

心理的ホメオスタシス



黒ビール届くオーダーしたとおり

因果の法則



香水とありあり浮かぶとおい日と

縁起の法則



揮毫たんざく余白余白に黴が生え

無常の法則



かきつばた私のなかに立っていた

宇宙との一体感の追求



滝そらにひびききわまり山しずか

陰陽のバランスの原理



私という玉葱剥いても剥いてもよ

空の原理



ふうりんよ言葉なくしたとき無心

禅の精神性






 ◇ これまでの作品集 ◇


『AIと私』

一行詩的俳句集




『街』

一行詩的俳句集




『鹿の子』

一行詩的俳句集




『春の自選』

一行詩的俳句集





◇書いてみた感想


今回は自然理と詩

をテーマにした夏の作品を集めました。


主題、思想をこめて書く練習です。

主に口語体、現代仮名遣いで書いています。



「自然の理(ことわり)」とは、自然界に内在する普遍的な法則や原理のことで、科学的な現象、哲学的な概念など人の生活や思考に深く関わっているそうです。 


◯参考にした自然の理

・物理・自然科学に関する分野

・生物・生命に関する分野

・地球・宇宙・人間・社会に関する分野

・哲学・宗教・精神性に関する分野



575の型、季語、切れ字(切れ)を用いて、


伝統的な俳句や様々な文体の俳句を詠むほかに、詩的な作品を書くことも可能だと個人的にわかりました。




◇詩の解説


詩は、ものごとの表現の仕方や方法を作者・読者がともに楽しみ味わい、


また読者がその詩を自分なりに解釈して楽しむという側面を持った文学であるといえる。


詩の定義を広くとらえれば、俳句・川柳・一行詩も詩的表現の一種。


形式や目的の違いはあるものの、言葉による表現を通じて「詩的な感動」を生み出す点で共通している。 


解説文:ChatGPT




◇俳句、川柳、一行詩の大まかな特徴


俳句は発句。季語、切れ字、切れを常用して四季折々の自然とその暮らし、風雅さ、余情、感動などをより突き詰めて「詠む」傾向があるそうです。


川柳は平句。季語、切れ字、切れは常用せず人情や滑稽さ、機知、風刺などをより突き詰めて「吐く」傾向があるそうです。


一行詩は詩。575の型、季語を用いる場合でも詩的な側面が重視され自己性、社会性、思想性、比喩性などを突き詰めて「書く」傾向があるそうです。



*この作品集はフィクションです


*試験的な取り組みをまとめた記事です


*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください


*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります




いつも

ご覧いただき

ありがとうございます




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