よく、寄棟屋根の方がコストがかかるので上級の屋根仕上げだとする人がいます。確かに近年の屋根で考えると寄棟の方が上級な仕上げの様ですが、決して切り妻屋根が劣っているわけではありません。ただ面白い事に、神社は切り妻屋根が多くて、お寺は寄棟屋根が使われて東日本に多い形状でもあります。

ちなみに切り妻屋根の妻という言葉、妻とは建物の中央に対して端を意味する端(つま)が語源で、配偶者の呼び名の妻は家屋の「つまや」に居たことから名付けられたそうで、妻という言葉は建物から実は来たのです。料理の添え物として用いられる代表的な「刺身のつま」も同じ意味をもつそうです。添え物って、いう意味なんて失礼な!

明日からは旦那さんには妻と呼ばせず奥様と言わせましょうね。

写真の切妻屋根は内子町の上芳我家の離れ、寄棟は正式には寄棟の変形バージョンで徳島県脇町にある四方ぶた造り旧永井家です。瓦屋根の上に茅葺がフタのように乗った四国独特の屋根です。




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