悠釣亭のつぶやき -106ページ目

ウクライナ情勢は?(33)__停戦へ

当初からこの戦争は、長引けばウクライナが不利と言われて
きたわけだ。
それは即ち国力の差によるもので、軍事力も経済力も十数倍
のロシアのリソースの大きさによる。

しかし、ウクライナは今まで、欧米の武器支援を受け、国内の
地の利を生かして、よく戦ってきた。
多くのドローンを活用して不利を克服してきた。
圧倒的に不利だった航空勢力も欧米からの支援で持ち直し
つつはある。


しかし最近では東南4州における戦闘で、現状の維持が綻び
はじめており、ロシアの州への進出も押し返されて、ほとんど
撤退の状態になっている。
ロシア側が占領地域拡大に転じ、ウクライナ国内のインフラ
への攻撃を強めている。

理由は簡単で、米国の軍事支援が縮小されたからである。
NATO諸国だけでは支えきれない状況がハッキリしてきた。
加えて、ロシアの兵站にイラクや北朝鮮が加わっており、
ロシアの継戦能力を強化する方向になっている。

米国はこの間、ロシアが現占領地の維持を条件に停戦に
持ち込むべく努力し、ウクライナをイジメるが如く説得してきた。
しかし、ここにきて、ちょっと風向きが変わってきたような気配も
出てきている。


トラジイがやっとこさのことで、ロシアの不誠実さに気付き
始めたようだ。
6月25日には、NATO首脳会議で、加盟各国が防衛費を
国内総生産(GDP)の5%まで引き上げることを決定した。
13日には、米国の前政権が供与した防空システム(PAC3)を
追加供給することを決定した。
また、内容は未定だが高度な軍備を供給することを言明した。

停戦を約しながらも、じりじりと境界を拡大するなど、トラジイを
馬鹿にした行動に直面して初めて、ロシアという狡猾な古狐の
正体が体感としてわかってきたようだ。
このオッサンは歴史を勉強するのが嫌で、ロシアが何ものかを
知らなかったのが露呈した形になっている。

ロシアは伝統的に、強い被害者意識を持ち、猜疑心の塊で、
ロシア語に信義という言葉があるのかは知らんが、少なくとも
為政者の心には欠片もなく、弱い者いじめが大得意の国な
ことくらい、初めから分かっとろうし、ルースキーミルに囚われ
た行動をしてきたのが明らかだったのにな。
ま、やっとこさでも分かったのは良いこととは言えそうだが。


14日には、ロシアに対し失望の意を表明し、その上で、
ロシアが50日以内に停戦に応じなければ、厳しい制裁関税
を課すことを表明した。

併せて、ロシアから石油などを輸入し戦費を援助していると
みなされる国々に対して100%の2次関税を課すことも
表明した。
まだこの爺さんは関税は輸出国が払うとでも思ってるようでは
あるが、ビビる国はあるのかな。
主に、インド、中国、旧東欧諸国などが対象だが、日本も

サハリンⅡは対象だと思うがな。

そして、ウクライナへの武器供給に関しては、米国が直接関与
してないように見えるよう、武器をNATOが米国から買い上げ、
NATOがウクライナに供給するというスキームで進めることに
なったようだ。
ロシアを直接攻撃できる兵器の供与可否は未定だが、空対地、
地対地の長距離ミサイルが含まれるようだ。


で、ロシアはどう出たか。
50日を猶予期間と見做した。
この戦争史上最大の攻撃を連日繰り出して、ウクライナの
戦意喪失と占領地域の拡大を進め始めた。
NATOからの支援が届く前に目的を遂げる気が満々。

しかし、大攻勢を続けるロシアだが、継戦能力には少し
陰りが見え始めているようだ。
ロシアが今後必要とする武器のうち自国の武器供給能力は
高々60%程度だという報告もある。

80万人に迫る死傷者の存在が国内に影を落としているし、
ここにきて国内のインフレが高まり出している。
優秀な人材の流出も止まらない。
内部的に何かあれば、一気に厭戦ムードが高まる予兆が
出始めている。

これを補うべく、北朝鮮からの武器・兵士の供給を拡大する
方向というが、他国でもリクルートを盛んにやり出したようだ。
そこまでして、まだ領土野心を捨てないロシアをトラジイは
どんな気持ちで見てるんだろ。


米国が仲介を急ぐのは、イスラエルとイランの問題、イランの
核開発問題、米国の国内事情(債務問題)などがある上に、
中国の動きを抑制する狙いがあると思われる。
あまり締めすぎると、台湾問題が起こる可能性が高まるが、
今のところ中国がウクライナ問題で重要な役割を演じている
気配はないようだ。


米国は50日間、この戦争を放置する気のようだ。
50日は長いけど、8月なんてあっという間だし、その間、
NATOの支援を受けたウクライナが善戦を進めることだけを
ワシは大いに期待する所である。