#10 大谷平和観音様
栃木県宇都宮市の北西部に大谷(おおや)という場所がある。
ローカルなので、ご存じの方は少ないのかも知れないが、
「大谷石」の産地と言えばご存じの方も多いのかな?
大谷石は堆積岩だが、軟らかく加工がしやすい、保温性が
高く、耐火性にすぐれ、重さが軽い、などから、建材として
古くから使われてきた。
この地域ではその特徴を生かした大谷石の蔵などもある。
こんな風に石塀として使う人も多い。

こないだ、突然に大谷に行ってみようかということになった。
何十年か前に行ったきりで、最近は行ってないので、
久しぶりの訪問ということになる。
行って驚き、この地域は大きく変わっていた。
道路は整備され、大きな無料駐車場があり、道の駅様の
場所も出来ていて、プチ観光地化した感じで、宇都宮市が
力を入れて観光誘致しようとしていることが伺われた。
道路沿いには昔の石切り場なんだろうか、大規模な露岩が
あちこちにあって、石の街をアピールしている。

ちょっと横道に入ると昔の石切り場がそのまま放置された
ような場所がたくさんある。

垂直に切り出した石切り場にはつるはしでの手掘りの跡が
まだ鮮明に残っていて、人手だけでよくぞこんなに掘った
もんだと驚くばかり。

そして、目的の平和観音様を見に行った。
この像は戦没者の霊を弔い世界平和を平和を祈念して、
大谷石の自然の断崖に観音像を掘り出したものである。
高さ26,93mの巨大な像で、東京芸大の教授の指導の
もと、石工の棟梁が掘ったと書かれているが、多くの石工
達が手作業で掘り出したものなんだろう。
6年の歳月を費やし、昭和29年に完成、昭和31年に開眼
されたという。
威風堂々、慈しみに溢れたご尊顔は見ていて飽きることは
ない。
あらためて、各地で起こっている戦争の早期終結と、
世界平和を祈念した。

その横には階段があり、後側や横側に回ることができる。
20m程の高さに上る階段だが、階段の一段が高く、
カメラアングルを探して上がったり下りたりしたので、
脚がヨレヨレになったが、良い横顔を撮ることができた。

ご尊顔の周りはいつも清掃されているようで、風化が早い
と言われる大谷石だが、全く劣化することなく、キレイに
保たれているのは関係者の努力の賜物か。
その後、大谷石資料館に寄った。
ここは石切り場の歴史や使っていた道具、切り出しの様子
などが再現展示されており、地下深くの採石場まで降りる
ことが出来るという。
最近ではコンサートが行われたり、石の芸術品を展示したり
しているという。
今回はヨレヨレの足では困難と判断し、次回に譲ることと
した。
帰りに、この地のお土産の「大谷石最中」を購入した、
ズッシリと重いこの最中、粒餡と漉餡があり、最中の中に
ビッシリと隙間なく詰まっている。
甘すぎず上品なお味はなかなかのものでした。

大谷地区は観光地として整備中とのことで、道路はよく整備
されているし、自然の露岩や石切り場跡、大谷寺、資料館
など見るべき場所も多い。
見学中も大型バスが何台も訪れて来ていた。
近々、東北道、大谷PAにスマートインターが出来ると
いうことのようで、そこからならほんの1kmほどと、
とても便利な観光地になるのかも知れないね。
今はまだ、あまり知られていないが、ユックリ1日を費やす
価値がある観光地だと思う。
