#8 事故寸前、対応の良さと偶然の重なりで生還
9月30日、UAEのドバイ国際空港からイスラエルの
ベン・グリオン国際空港へ飛行中のUAE格安航空会社
フライ・ドバイ社のボーイング737が突発的な事件に
見舞われたとの発表があった。
同航空機は到着の1時間半前の午前8時21分に突然、
約1分間で高度1万400mから5千200mまで急降下
したという。
その後、同機はハイジャック緊急信号を発信し、近くの
サウジアラビアのアブドゥルアジーズ国際空港に緊急着陸
した。

その後の調べで、同機にはとんでもない異常事態が起こって
いたことが判明する。
飛行中、副操縦士が緊急脱出用の斧で機長(インド人の
ベテランパイロット)に切りかかり、機長はケガを負い
ながらも操縦席の鍵を開け、乗客らが格闘の末副機長を
取り押さえ、操縦桿を操作して機体の姿勢を取り戻した
という。
その後、別の便を操縦するため同機に搭乗、テルアビブへ
向かっていたパイロットが同機を無事に着陸させたという。
同機に搭乗していた乗客174人のうち166人は
イスラエル国籍で、オマーン国籍の副操縦士は同機を故意に
墜落させようとした(イスラエルの空港に同機もろとも
突っ込もうとした)とみられており、背後関係などを調査
しているという。
この事件はあまりに衝撃的だったことや、民族関係が複雑な
ことや副操縦士の異常な行動などから、関係国は神経を
尖らせている。
ま、動機や背後関係は今後の調べで明らかになるんだろう。
航空機に関心がある筆者はこの飛行がいかに幸運に恵まれて
いたかを思い、背筋が寒くなるような感覚を覚えた。
まず、1分間に5千m降下って、よくぞ航空機が耐えられた
もんだということ。
現代の航空機は抵抗を徹底的に小さくしているから、
これだけの急降下(毎秒90m近く)だと、簡単に超過禁止
速度を越えるだろう(恐らく、実際に越えていただろう)。
そこで、やみくもに操縦桿を引くと機体が空中分解しても
まったくおかしくない。
乗客は必死に引いたんだろうけど、速度が速いと操縦桿が
重くなるように設計されているから、結果として、適度な
引き起こしになったんだろうと想像できる。
機長が最初の一撃で昏倒していたらそれで終わりだった。
重傷を負いながらも開錠できたことで、乗客が副操縦士を
取り押さえられたのはこの機長の強い意思と素早い判断の
お陰というしかない。
そして、同機にはスタンバイパイロットが搭乗していたこと。
大型旅客機を着陸させるのは大変難しい。
私もシミュレーターで何度か挑戦したが、何度目かのトライ
で、やっとのこと空港の3分の1程の所に接地できたほどで
速度と高度と滑走路の関係は相当な訓練がないと不可能だ。
今も尚、機内アナウンスで「乗客の皆さんの中に航空機の
操縦が出来る人は居られませんか?」というアナウンスは
ブラックジョークだとしても絶対に聞きたくないと思って
いる(^-^)
いやぁ、パニック映画じゃないんだから、こんな恐ろしい
ことは2度と起こって欲しくはないな。
もし、対応の良さと偶然の重なりが無かったら、この飛行機
は間違いなく、乗客もろともに、ベン・グリオン国際空港に
突っ込んでいただろう。
911テロの二の舞を演じただろうことが容易に想像できる。
こういう事件のあとは暫く飛行機に乗りたくなくなるな。