発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしている言語聴覚士です。
いわゆる小児STと呼ばれています。
現在、クリニックで外来勤務して十数年が経ちます。
こんなニュースがありました。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260409-GYT1T00253/#
要約
2026年4月から、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士などが「みなし保育士」として保育園に配置できるようになりました。
「え?」
専門職を“数”に入れる違和感
言語聴覚士は、発達評価や言語訓練を行う専門職です。
一人ひとりをしっかり見立てて、個別に支援していく仕事です。
それを、「保育士の代わりとしてカウントできます」と言われた時の違和感。
保育士の専門性も軽く見ている
これは、訓練職とは全く別のスキルです。
それを「専門職を入れればなんとかなる」という発想。
そんなに簡単な話ではありません。
そもそも人がいない
そして一番現実的な問題。
小児をしっかり見られるSTは、そもそも多くありません。
しかも今は、
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
・医療分野
こういった現場でも必要とされています。
つまり、「取り合い」です。
その中で、「保育にも来てください」と言われても、
無理です。
きれいごとでは回らない現場
インクルーシブ保育が進み、支援が必要な子どもが増えているのは事実です。
だからこそ、現場はすでにギリギリで回っています。
そこに「新しい制度」が入る。
でも中身が伴っていなければ、
・役割が曖昧になる
・連携が崩れる
・結局、誰かにしわ寄せがいく
こういうことが普通に起きます。
本当に必要なのは“チーム”
もしこの制度を活かすなら、
専門職は「保育士の代わり」ではなく、
評価・助言・個別支援に特化すること。
そして保育士と対等に連携すること。
いわば「チーム」として機能する形です。
でもそれは、
ただ人を配置すれば実現するものではありません。
現場にいると、どうしても思ってしまいます。
「また制度だけ先に作ったな」と。



