言語聴覚士(ST)のつぶやき

言語聴覚士(ST)のつぶやき

小児のST(言語聴覚士)をしています。
訓練方法などはあまり書く予定はなく、訓練室での出来事を書いています
※個人情報がわからない様に書いています。

ブログの内容は個人的な見解として述べています。
また、個人が特定できない様に、状況を詳細に記述する事ができません。ご了承下さい。

自己紹介を兼ねる私の最初のブログです。↓
https://ameblo.jp/yazzuu/entry-12823570487.html

発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
小児ST(言語聴覚士)歴、10年と少しです。


うちに来ている子の親御さん、外国で生まれ育ち、現在日本で働いている日系人。

※日本語はペラペラ
※祖父母が日本生まれ育ちの日本人


お子さん(日本生まれ)は、知的に少しだけゆっくりで、コミュニケーションに問題ありません。
いわゆるボーダーラインと言われるお子さん。
ギリギリ普通級かなぁ、でも少し心配かなぁ、という感じです。


ご両親は普通級進学を決断しましたが、
他の子よりも、覚えるのに少し時間が必要です。

なので、
「ひらがなは、小学校に入る前にに覚えた方がいいですよ。

 大体の子は覚えているので。。。」
と1年くらい前から何度も何度もお伝えしてきました。

初っぱなから、つまづく事はできれば避けたいので。。。

そうして、1年生になって、ご両親から、こう言われました。


「他の子が、ひらがなを覚えているので、ビックリした‼️

自分の国なら、1から教えてくれるので。。。」


その現実を目の当たりにして、かなり焦った様子。

前から何回も言ってたのですが、残念ながら通じていなかったようです。


外国ルーツの親御さんは、他にも何人か来ています。

私はその方の日本語理解レベルに合わせて、なるべくダイレクトに言うようにしてますが、、、。


でもその方は、母国では、日本人の祖父母と暮らしていて、家の中では日本語だったと伺ったので、

つい、日本人仕様の日本語で話していました。

命令口調にならないように、柔らかくオブラートに包む感じで「した方がいいですよ。」と優しく言っていました。


でも、今考えると、

「絶対〇〇してください。あとが大変ですよ」と、はっきりと、強く言った方が良かったみたいです。

※日本人に対してだと、キツそうな表現だから使いませんが。。。。


・・・・・反省した出来事でした。





発達が凸凹なお子さんの言語訓練をしています。
とある地方のクリニック勤務です。


小学校2年生の自閉スペクトラムのお子さん。

IQは120あるのですが、支援学級に行っています。

(定型発達のIQ平均値は100)

※知能はすごく高いのですが、自閉度も高いので、親御さんはあえて支援学級に進学させた。

 いじめも心配だったようです。

 


その子はグループ訓練で通っていますが、

その日はみんな欠席で、個別訓練になってしまいました。


訓練中に、私が旅行に行ってきた話をすると、その子が質問してきました。


「先生は、どこに行ってきたんですか?」


私が「富士山を見てきました。」と言ったら、、、


「どんな富士山ですか??」


と聞かれたので、

「富士山と海が一緒に見られる所です。松林もあります。」

と答えました。


そうしたら、その子が言いました。


「それは東海道五十三次ですね‼️ 」

 ※その子は小学校2年生です。


私が小2の時は、「東海道五十三次」という言葉すら知りませんでした。

お母さんにお聞きしたら、その子はクイズ番組が大好きで、

自分で録画して、繰り返し見ているそうです。

そして、気になったところは、ノートに書き出しているとの事。

それで、小2にして、“東海道五十三次”という言葉を知っているんですね。(納得)


ちなみに、その子は誰に対しても敬語で話します。友達にも。。。

(もちろん、お母さんに対しても敬語です。)



発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をさせていただいています。

クリニック勤務の小児ST(言語聴覚士)です。



小さな自閉スペクトラム症(ASD)の子を持つお母さん。

長期休みで実家や義実家のところに帰省していました。

(車で片道、3から4時間くらいの距離)


一応、お子さんのこと(ASD診断済み)は、

それぞれの家に伝えてあるのですが、

帰省の際、

「言葉が遅いんだから、あれをやれ!、これをやれ!」

と言われたそうです。(実家、義実家共に)


おまけに、

「あなた(お母さん)が何もやらないから言葉が遅いんだ!」

と言われる始末。


ーー以下 私の心の声ーー

だったら、お前がやれよ‼️(怒)

お母さんは出来ることは全てやってるんだぞ‼️

相談されれば、アドバイスも良いけれど、

そうでなければ、お前ら

黙っとけ‼️

ーーーーーー

私の経験上、世話しない親戚に限ってこう言うことを言います。

近くにいて、よく世話をしているジジババは絶対こう言う事は言いません!


「心配してるんだから。」と言うなら、自分でやってください。

お母さんにさせないでください。

そういう言葉に、振り回されて大迷惑です。

世話をしていない身内の方々、現場を混乱させないでいただきたい。

お母さんを苦しめるだけです。


発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
小児ST(言語聴覚士)歴10年と少しです。


当院では、複数の診療科があります。

発達だけではないので、お子さんが別の疾患にかかった時にも来院する事があります。
タイミングが合えば、たま〜にですが、

すでに言語が終了したお子さんに、数年ぶりにお会いする事があります。


最近は、終了したダウンちゃん2人に会う事ができました。

その2人には、各々別のタイミングで会ったのですが、

2人とも背が伸びて、「子ども」の面影はほとんどありませんでした。

(2人とも中学生)

お母さんに声をかけられた為、お子さんのことを認識できましたが、

そうでなければ、うちに通ってたお子さんだと認識できなかったと思います。

(それくらい成長していた。)


また、ビックリしたのが、2人とも発音が良くなっていた事。


ダウン症の発音に関しては、訓練が難しく、

その子達は、聞き分けや、音韻の訓練は実施していましたが、

発音の訓練は実施していませんでした。


言語を終了して3年から5年経っています。

学校での文字学習や文章を読む練習、また身体を動かして、筋力をつけるなどで成長して

発音が良くなっていったのだと思われます。

天真爛漫で、元気に言語に通っていた当時とは違い、

思春期に入り、ちょっと恥ずかしそうに挨拶してくれました。


また、声をかけてくださいね。

楽しみにしています。

発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
とあるクリニックで常勤で働いています。



年少の自閉スペクトラムのお子さん。
最近、発話がすこーし出てきました。

(しかし、一方的発話で、会話には、なりません。)

その子は海の生き物が大好きで、魚の絵ばかり描いています。

 


ある日、お母さんから、

「先生、サメとイルカの『尾ひれ』って、ちょっと違うんですよ‼️」

と言われました。


私:  「えっ、違うんですか? おんなじものだと思っていました。」


お母さん: 「私もビックリしたのですが、この子がサメとイルカを描く時に、

尾ひれの違いもしっかりと描いてるんです。」


と言われました。


<尾ひれの違い>
サメの様な魚類は、尾ひれを左右↔️に動かすと前に進みます。

なので、尾ひれが垂直に付いています。

このように⤵️




しかし、イルカは哺乳類なので尾ひれが地面に平行に付いていて、

魚類と違い上下↕️に動いて進むそうです。(クジラも同様)

この様に⤵️

こうして、見比べると、違いが明らかなのですが、

私は、お母さんからお聞きするまでは、全く知りませんでした。


お母さんも知らなかったらしく、園の先生から聞いて初めて知ったそうです。

私たちが気付かない、細かい違いもしっかりと書き分けるなんてビックリ‼️です。


その子が描いたであろう絵⬇️(イメージ)

※その子は年少さんです!




発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。

とあるクリニックで常勤で働いています。

 


 吃音ポータルサイトより引用

「吃音」とは、語頭音を繰り返したり(「わ、わ、わたし」)、引き伸ばしたり(「わーーたし」)、つまったり(「・・・わたし」)して、滑らかに発話ができなくなる状態のことをいいます。「吃音」のことは、少し前までは「どもり」と呼ばれていました。



吃音のお子さんを受け入れるときに、STが現場で1番気をつけないといけない事。


それは、言語訓練に来ている時の吃音と、普段生活している時の吃は同じではないということ。


よく言われるのは、リラックスしている時によく詰まる。

また、発表会など、緊張しているときも吃音が出やすい、といわれています。


菊池先生のエックス(X)にこんな投稿がありました。



https://x.com/kiku618/status/1760605405259124904?s=61&t=HVEwJWOoVwpi3YvIOaOg_Q


言語訓練の現場では、プライベート感があり、程よくリラックスしている子が多く、

吃音の程度があまり高くない印象があります。


そのため、親御さんには、普段の会話の動画

(できるだけ動画で、抵抗があれば録音で)

を撮ってきていただくように、お願いしています。


吃音臨床のあまり無いSTは、訓練時の吃音で程度を判断し、

「心配しすぎでは?」と思いがちなんですが、

それは、吃音のお子さんを持つ親御さんの心をえぐる言葉だと肝に銘じるべき。


菊池先生の図、とてもわかりやすいです。

言語訓練の時間は、ほどよい緊張のせいで、吃音頻度があまり高くないんですね。

納得です。





発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
とあるクリニックで常勤で働いています。



就学前の自閉のお子さん。
発語はありますが、一方的で、会話にはなりません。

ある日、お母さんがこう言いました。

「うちの子、最近、おもちゃで遊ばなくなったんです。
その代わり、ずーっと絵を描いているんです。」

絵を描かせれば1時間も2時間も描いているらしいです。

ある日の訓練で、プリント課題をやった時の事です。

裏面は、印刷がない白紙だと気付くと、ササーっと絵を描き始めました。
よく見ると、自転車に乗ってる人の絵でした。


私は絵心がないので、全く絵が描けないのですが、

一般に自転車に乗る人の絵を描くのなら、横向きに書く場合が多いのではないでしょうか?

 この様な感じ⬇️(イメージ)


そもそも、自転車に乗る人なんて、すごく描きにくいと思うんですが・・・・・



しかし、その子は側面ではなく、

それを真正面から描いたんです。


 こんな感じ⬇️(イメージ)  ※その子は就学前のお子さんです。


特徴をよくとらえていて、とても上手に描けていました。


すごいなぁ、と感心していたら、その次の訓練時にも、

再び自転車に乗る人を描き出しました。


驚くことに、

今度は上から見るアングルで描き出したのです。


 こんな感じ⬇️(イメージ) ※就学前の子が描いたんです。



 

頭の中、3D-CADになっているのでしょうか?


いやぁ〜ビックリした出来事でした。

発達のゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
小児ST(言語聴覚士)歴10年と少しです。


その子は、私が小児STになって間もない頃に出会いました。

大体、10年くらい前になるでしょうか?


当時、小学校5年生、普通学級に在籍。成績は良い方です。

知的に遅れのないASD(自閉スペクトラム症)です。

(いわゆるアスペルガータイプ)

その子は、個別訓練ではなく、グループ訓練に参加していました。

お母さまとは、定期的に面談するのですが、そこでびっくりした話を聞きました。


社会科のテストがあり、みんな静かにテストに集中していた時の事です。


シーンと静まり返っている中、その子がいきなり立ち上がり、教室の後ろにあるロッカーに歩いて行きました。

そして、ロッカー内の自分のランドセルの中から、

社会科の教科書を取って席に戻り、

堂々と教科書を見ながら、テストに記入しはじめました。


カンニングって、普通コソコソするものだけれど、

その子は、隠す気もなく、あまりにも堂々としていたので、

クラスの皆や担任の先生は、呆気に取られて、しばし、ボー然。

何が起こっているのか、理解するのに少し時間が必要だったそうです。


しかし、当の本人は、

なんでみんながビックリしているのか理解出来なかったようです。


よく話を聞くと、どうやら、

「テスト」とは、

『今、頭の中にある知識で受けるもので、教科書を見ながら書いてはいけない』という事を“知らなかった“そうです。

 ※小学校5年生の時の話です。

そして、その子は先生にひとこと、

「そういうものなら、先に言ってよ!」

とケロッとしていたそうです。


先生は、この子は自閉スペクトラム症と診断がついていると知っていたし、

日頃のお母さまの努力のおかげで、クラスメイトにも理解があったため、穏便に済んだようです。


記憶力が良い子なので、今までは、既存の知識で問題なくテストを解くことが出来ていたのですが、

高学年になり、内容も難しくなったため、覚えきれない部分が出てきたらしいです。

それを見るために、教科書を取ってきたんだそうです。


本人、悪気はないですが、世間一般ではそれをカンニングと言うのだけれど。。。。

・・・・もしかしたら、他の子のテスト用紙をのぞかなければ、カンニングではないと思っていたのでしょうか❓

人のテストを見てはダメだけど、教科書は見ていい、と解釈していた可能性も。。。。。

今となっては、確認する術はありませんが。。


お母さまは、まさか「テスト」の本質を知らなかったとは、

『盲点だった』、

とおっしゃっていました。

私も、当たり前過ぎて、予測不可能な出来事でした。

ASDのお子さんに対しては、私たちの当たり前がわからない事を十分理解して、

なるべく、たくさん話し合いをして、どこかズレているところがないかチェックしないと、、、と勉強になりました。



発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしています。
就学前の自閉症のお子さまを多く見ていますが、
私自身、自閉症の子の保護者でもあります。


私が自閉症児の子育てをしていたのは、平成初期です。

当時、発達がゆっくりな子でも入れてもらえる一般の幼稚園に通っていました。
そこは、お寺さんが経営している幼稚園で、園長先生は和尚さん(おしょうさん)でした。


今から30年くらい前の話です。
家から近くの園には通うことができず、

(うちではムリと言われた)

知り合いの保育士さんに勧められた幼稚園に、片道、車で30分以上かけて通っていました。

園長先生でもある和尚さんは、時々、保護者会で説法をしていました。

そして、今でも覚えている説法があります。



ー説法の内容(和尚さんの口調で再現)ー


例えば、電子レンジなどの家電は、スペックや、機能、値段などを他社の電子レンジと比較して購入しますよね!

車もそう、AとBを比較してどれが性能がいいか、をチェックします。

このように、品物は、見て、比べて、どちらが良いものかを判断します。

日々の買い物もそうですね。こっちのキャベツの方が、ズッシリ重くていいとか。。。


しかしながら、人というものは比べるものではないのです。

人には色々な側面があり、ある分野では優秀だが、これは苦手など、長所や短所があります。

それゆえ、単純に、AさんとBさんは、Aさんの方が優れている、などと比べられないのです。


お母さんたちが、よく、「〇〇くんは、これが出来るのに、うちの子は出来ない。」とか

「〇〇ちゃんがやっているのだから、うちの子もできるはず!」と言っているのを見かけます。

でも、

人というものは、比べるものではありません“。


あなたのお子さんには、色々な側面があって、得意なこともあれば、苦手なこともあります。


なので、他のお子さんと比べないで下さい。


もし、あなたが「〇〇君はこれができるのに、なんであなたは出来ないの?」と思った瞬間、


お母さん、あなたは、自分の子どもを「物」として見ていることになるんですよ!


あなたのお子さんは「物」じゃないでしょ!「人」でしょう!

だから、絶対に他のお子さんと比べないでください!!


私は、この説法がとても印象に残っていて、時々、訓練に来る親御さんにお伝えすることがあります。


お子さんの成長の悩みの多くの部分は、何かとの「比較」によって起こると思います。

比べる事をやめると、心がだいぶ楽になるのではないでしょうか。


もし、比べるのなら、他のお子さんではなく、過去の自分のお子さんにしましょう。

半年前は「あーあー」しか言っていなかったのに、今は「アイス」って言ってる❗️など、

「過去のお子さん」と「今のお子さん」を比べてください



発達がゆっくりなお子さんの言語訓練を実施しています。

ST歴10年と少しです。



うちのクリニックに来院されているダウン症児のママが言いました。


「先生、ファインドミーマークって知っていますか?」


私は知らなかったのですが、ダウン症の親御さんや家族が繋がることを目的にしたものだそうです。

このマークのキーホルダーをつけていれば、

“見つけてくれてありがとう、遠慮なく話しかけてね” 

との事です。


このママさんがお子さん(ダウン症)とお出かけした時、とあるご婦人に話しかけられたそうです。

ご婦人の家族にダウン症の子がいるそうで、ファインドミーマークに気付き、勇気を出して話しかけたとの事。

マークがない頃は、ダウン症の子を見ても、話したいけど、迷惑かけると思って遠慮していたようです。

中には、話しかけてほしくない人もいるだろうから、と。。。


そのご婦人のお子さんは、すでに成人なので、色々情報交換ができたそうです。

すごく素敵なマークです。

このマーク、なんと、ダウン症のお子さんを持ったママさんが考案したものなんですね‼️


数年前に、テレビ取材もされたようです↓。

全国放送ではないので、YouTubeを貼り付けました。