暑い夏の午後、子どもたちはぐったり…
発達がゆっくりなお子さんの言語訓練をしている言語聴覚士です。いわゆる小児STと呼ばれています。
現在、クリニックで常勤勤務となり十数年が経ちました。
毎日暑い日が続きますね。
今では小中学校の教室にエアコンがあるのが当たり前になりました。しかし、7〜8年前までは、ここ愛知県では普通教室にエアコンがない学校がほとんどでした。
その頃、午後から来院する小学生は、みんな暑さでぐったり。
特に支援学校のお子さんは、暑さで興奮し、叫んだり暴れたりしながら来院することもありました。(涼しい季節には見られない行動でした。)
「職員室は涼しいのに…」
会話のできるお子さんからは、
「職員室や保健室はエアコンがあるんだよ。」
「先生たち、ズルい!」
そんな声を聞くこともありました。
今思えば、子どもたちは本当によく頑張っていたと思います。
豊田市で起きた悲しい事故
2018年7月17日、愛知県豊田市の市立小学校で、小学1年生の男の子が生活科の授業で学校近くの公園へ出かけました。
約30分活動した後に体調を崩し、病院へ搬送されましたが、熱中症で亡くなりました。
この事故は全国に大きな衝撃を与え、学校の熱中症対策を見直す大きなきっかけとなりました。
一気に進んだエアコン設置
事故の後、学校へのエアコン設置は驚くほどの速さで進みました。
私の勤務先の近隣でも、半年も経たないうちにほとんどの小学校で設置が完了しました。
当時、公立小中学校普通教室のエアコン設置率は全国で約58%でしたが、その後急速に整備が進み、現在ではほぼ100%となっています。
現場で実感した変化
エアコンが設置されてからは、支援学校のお子さんが暑さで興奮しながら来院することはなくなりました。
午後から来る小学生も、以前より元気な表情で来院することが増えました。
教室にエアコンがあることは、単に「快適になる」というだけではありません。
子どもたちが安全に学校生活を送り、午後からも元気に過ごせる環境づくりにつながっているのだと、現場にいる私は実感しています。
今回の事故で尊い命が失われたことは、本当に痛ましい出来事でした。
でも、最近の親御さんに豊田市の事を話すと、「ふーん」という反応で、知らないんですよね。
ちょっと悲しいなぁ、でもしょうがないよね、と思う一方で私はこのことを忘れずにいたいな、と思います。

