理科は理解するのが第一!
ですが、無理に理解させようとするのは危険!という話をしたいと思います。
理解することはとても重要ですが、それだけに、理解するのが難しいのが理科です。
どんなに説明の上手い先生に習っても、楽しく教えてもらっても
「分からない…」
ということはあります。
だって小学生ですから!
そんなとき、どうするか…時間を置くのがベストだと思います。
単に疲れていたり眠かったりもありますし、何より彼らは成長過程にあります。
半年前には全然分からなかったことが
「え!?簡単なじゃん」
となることがよくあります。
具体例を出します。
小4夏、対流を扱いました。温かい空気は軽くなって上へいく、というやつです。
なんで温かい空気は軽いのか、触れようかどうしようか…ちょっと早いかな?と思いましたが話してみました。
温かくなると気体が膨張します…これは納得してくれました
すると気体の粒と粒の間がスカスカになってきます(絵を描いて説明)…ここも「うんうん」
すると同じ体積で比べたときにまわりの空気よりも軽くなります(密度が小さくなります)
…ここがしっくりこなかった様子でした。
絵も描きましたが
「うーん…」
私もここは早いと思ったので早々に引き上げました。
「暖かい空気は軽くなって上へいく、だけ覚えておけばOK」
半年後、テスト直しで同じ説明をしました。同じ…より少しざっくりめだったかもしれません。
「分かった!今分かった!!」
どうやら本人も前に保留にしておいたことを覚えていたようです。
おそらく、小4の夏には「同じ体積で重さを比べる」ことが分かりにくかったのだと思いますが、冬にはあっさり分かるようになっていました。
成長とともに本人の思考力、理解力が上がったのです。
中学受験の指導をしていると、こういうことはよくあります。
彼のようにストン!といきなり理解することもありますし、じわじわ理解していくこともあります。
あんまり深くは理解してなさそうだなーと思っても、表面上それなりの答えが返ってくるので深くは突っ込まず、たまに確認していくうちに、非の打ちどころのない説明をするようになったりします。
いつの間にそんなに深く理解したんだ!?
小学生ってすごいです!
理科講師としていちばん危険だと思うのが”無理矢理理解させようとすること”です。
その子にとって無理な時期(あるいは瞬間)に無理に理解させようとすると拒絶反応が出ます。
結果、ものすごく難しいと思い込んで、その単元になると思考停止したり、無理矢理な解法を編み出したりします。
これが固定化したものを解きほぐすのはとても大変です。
兆候としては”眠くなる”がいちばん多い気がします。
難しくなると眠くなる…防衛反応と思われます。いったん簡単なところに戻ったり、得意な単元に触れたりして、タイミングを見計らって再チャレンジ!
「あれ?そんなに難しくないかも…」
と思わせるまでの戦いです。
難しくてツラいもの…と思われると理科講師としてはさびしい!
中学受験の理科、実は中学受験をしなければ教えてもらえない楽しいことがたくさんあります。
…楽しんだ方が成績上がったりもするんですよ!
私自身もついつい熱くなって理解させたくなってしまいたくなるので、自戒も込めて。