コアプラス、サピックスが出している知識テキスト。

ボリュームとまとまりのバランスがよく、いいテキストです。

 

さて、その「6:丸底フラスコに水を入れて加熱する」

 

はとても難しい内容です。暗記用テキストなのに、初っ端から難しい。

特に①外側がくもる理由 がいちばん難しい!

6年のαクラスの子でも正確に理解して説明できる子はそんなに多くありません。

5年生で初めて取り組んで、

「意味が分からない!」と言ったら、その子は有望です!

ちゃんと考えて暗記テキストに取り組んでいる証拠です。

 

この手の問題は並べ替えもよく出ますが、これも理由が分からないと難しい問題です。

 

考えていってみましょう。

 

①加熱し始めてすぐに丸底フラスコの外側がくもるのはなぜか?

 

まず、「くもる」は水蒸気が冷やされて水滴が付くことです。

どこかから水蒸気が来て、フラスコに冷やされて水滴になったと思われます。

さて、水蒸気はどこから来たのか?

カエル「空気中!」

確かに空気中に水蒸気はあります。でも、空気中の水蒸気が冷やされるなら、加熱する前からくもっているはずです。

カエル「じゃ、火!」

正解です。しかしカエルくん、本当に分かっているのか…

 

解答にはガスの燃焼によって生じた水蒸気が、とあっさり書いてありますが、

「ガスが燃焼して水蒸気が生じる」って??

 

ここで、燃焼とは何か?を考えてみます。(燃焼について十分理解できているという方は、以降しばらく読み飛ばしてください。炎炎から読んで頂くとよいと思います)

 

「燃える」とは?…熱や光をを出しながら激しく酸素と結びつくこと

 

ここは難しいポイントです。

どのテキストもろうそくの燃焼から入っていますが、私は金属の燃焼から入ります。

その方が「酸素と結びつくこと」がなじみやすいからです。

 

まず、鉄から燃えてもらいます。燃えると酸素と結びついて酸化鉄が出来ます。

鉄+酸素→酸化鉄

 

他にも例を出してみます。

銅+酸素→酸化銅

マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム

 

燃えると酸化○○になっていることが分かります。

酸化○○とは酸素が結びついた○○という意味なので、意味ごと覚えられます。

 

そして次に炭素に燃えてもらいましょう。

炭素+酸素→ 酸化炭素?

何か変ですね。1字加えると…

カエル「二酸化炭素だ!」

そうです。

 

炭素+酸素→二酸化炭素

二酸化炭素は2個の酸素がくっついた炭素という意味!

酸素不足の状態で燃やすと1個の酸素としか結びつけなくなるので、一酸化炭素が出来るのも有名ですね。

 

そしていよいよ水素に燃えてもらいます。

水素+酸素→酸化水素

酸化水素…違和感ありますね。この物質はあまりにも身近なため、酸化水素とは呼びません。

水素の燃え方を思い出してみると、ポッと音を立てて燃え…

ハムスター「水が出来る!」

そう!

 

水素+酸素→水

です。

 

ろうそくの燃焼に入ります。ろうそくが燃えると二酸化炭素と水が出来ます。

と、いうことは?

そう、ろうは炭素と水素から出来ているのです。

ろう

 炭素+酸素→二酸化炭素

 水素+酸素→水

 

炎炎ここで、やっとガスバーナーに戻ります。

ガスバーナーから出てくる燃焼用のガスは、メタンやプロパンが主成分です。どちらも炭化水素という炭素と水素で出来た気体です。

ということは!燃えると…

カエルハムスター「二酸化炭素と水が出来る!!」

そうです!

 

ガスバーナーのガスには水素が含まれていたため、燃えると水蒸気が出てくるのです。

 

そして、そのときフラスコはまだ冷たいので水蒸気が冷やされて、水滴となってフラスコに付く、これがくもりです。

そしてこのくもり、すぐに消えます。フラスコが温まってくるため、また水蒸気になるからです。

 

最後に流れを考えましょう!

 

点火すると燃焼用のガスが燃えて水蒸気が出、それがまだ冷たいフラスコに冷やされて水滴になる(くもる)

フラスコが温まってくもりが消える

水が温まってくると水に溶けていた空気が溶けきれなくなって出てくる

(コアプラスの6は激ムズ!参照)

さらに水が温まってくると水面から水蒸気がたくさん出るようになり、湯気が出る

さらに水が温まって100℃になったらふっとう!ボコボコ水蒸気が出てくる

 

①水滴が付くにはフラスコが冷たくないといけないのでこれが最初

②水よりも先にフラスコが温まるのでくもりが消えるが2番

③少し水が温まってくる(触れる程度)で空気はもう溶けきれない

④熱くなってくると湯気

⑤100℃ふっとう!

 

以上です!