今回は理科から少し離れて、私が小学生と長年接してきて「変わったな」と感じた言葉について書きたいと思います。

言葉を観察するのが好きなだけでお役立ち要素はないので、気が向いたら読んでください。

 

①当てずっぽう

テストには選択問題がよく登場します。

本当は分からないけれども「なんとなくこれ!」で答えるとき、何と言っていますか?

 

二十数年前の小学生が

カエル「ここ、当てカンで当たったんだ!」

と言いまして、今どきの小学生は「当てカン」と言うのか…学んだ!と思った記憶があります。

その後、他の生徒からも聞くことがあり、当時は

「当てカン」派と、単に「カン」という派が大勢だっような気がします。

「当てずっぽう」ってなんか古い感じがするもんな…と思った記憶もあります。

 

それが…正確には覚えていませんが15年位前からでしょうか?

うさぎ「先生、これ当てずっぽうで当たっちゃったから教えて」

と「当てずっぽう」派が台頭してきました。

2023年現在「当てカン」を小学生から聞くことはほぼありません。

 

「当てカン」のルーツは「当てずっぽう」+「カン(勘)」ではなく、「当てずっぽう」+「ヤマカン」でしょうか?

「ヤマカン」…かなり流行った言葉だったと思います。

「ヤマカン」が流行ったから「当てカン」が生まれ、一部で流行った…というのが私の印象です。

2023、私のまわりの小学生は「当てずっぽう」と「勘(カン)」の二大流派です。

サンプルが少ないので、他がありましたら教えて頂けるとありがたいです。

 

※今「当て勘」で検索すると、格闘技の用語として説明されていました。

この言葉がいつからあるのか私は格闘技に疎いので分からないのですが、こっちも関係あるのでしょうか…?

 

②魚類

こちらはアクセントの話です。

私を含めて大人の方は大抵、頭高発音でギョルイと言いますが、

小学生はかなりの割合で平板アクセント

…「新型コロナが5類になった」の「5類」の発音で「ギョルイ」と読みます。

 

普段からたくさん使う言葉ではないので、大人が発音するのを聞いて覚えたのではなく漢字を見て音を予想しているのかな?と考えています。

昔読んだ本で「使い慣れた言葉は平板化してくる」というのを読んで納得した記憶があります。

例えば「音楽」は、一般的にはじめを高く「ンガク」と発音する人が多いですが、音楽の先生やミュージシャンの方が平板に「オンガク」(「数学」などと同じアクセント)と言うのを聞いたことがあります。

私自身、初めての単語を頭高発音で黙読していて、普段使っている人の発音を聞いてみたら平板発音だった…という経験が複数回あります。

しかし「魚類」は多くの小学生にとって慣れた言葉ではないはず…平板化の波が進んでいて、小学生は「慣れない言葉は平板アクセントだと予想する」ようになってきているのでしょうか?

 

③多いい

7~8年前の個別指導教室で聞こえてきた会話です。生徒は小学校低学年、講師は大学生。

講師「多い(オオイ)だよ」

生徒「え!?オオイイでしょ?」

講師「オオイが正しいんだよ」

生徒「オオイイだよ!!」

よく聞いてみると、小学校低学年の生徒は自分も自分のまわりも「オオイイ」と発音している、子どもだけでなく大人もそう発音しているから絶対に「オオイイ」だ!!と主張していました。

実際、アナウンサーの方が「オオイイ」と発音するのも耳にしたことがありますし、身近な同僚も「オオイイ」派がいるので過渡期にある言葉なのかもしれません。

小さい⇔大きい、少ない⇔多い という似たような言葉の中でひとつだけ音数が足りない→合わせようという動きな気もします。

実際、表記は「オオイ」としているけれども発音は「オオイイ」としている人はかなり多いのではないでしょうか?

 

絶対的決まりのある「正しさ」ではなく「なんとなくしっくりくる」といったもので言葉が選ばれていくのは面白いなぁと思います。

さらに

そこに規則性みたいなものも感じられるのがすごいなぁと感じています。