合唱コンの時期がやってきた。若かりし頃は、課題曲と各クラスの自由曲、多い時はそれを2学年分で15,6曲を並行して教えていたなあ。
その時は以下のようなことは何も考えてなかったけど、立場が変わってからいろいろ思ったことを“担任さんに向けて”書いたものを以下に紹介します。
共感できる担任さんは、ぜひ参考にしてください。
◆合唱コンで求めるもの、それはクラスのまとまりです
まとまりましょう、といってまとまれるものではない。それには“負荷”が必要だ。
“合唱コン自体”がそうであり、歌を歌うこと、音域、男声と女声の声の違い、男子と女子の成長の違い、クラスの雰囲気、リーダーの有無等々、様々なものが負荷に成り得る。
その中で、教師は何をすべきか、常に考えていこう。
負荷に対する救いであったり、場合によっては、さらなる負荷を上手く与えることも必要。
それこそが、子どもたちを成長させる糧となる。
ただ、「見守るだけ」はダメ。口ではそう言っている“できる”ベテランの教師は、実は影でいろいろな手だてを打っている。
若い担任は、それにだまされてはいけない。自分のやり方で、いろいろな手だてを打つべきだ。
男女の成長の違いが、多くの場合、男女のいさかいの原因になる。これへの対処法を、先輩から聞いておくといい。
でも、それが役に立つとは限らない。目の前の子どもたちは一人一人違うから、対処法も当然違うからだ。
それを乗り切ったとき、担任を含めたそのクラスは「いいクラス」になるのだ。
◆クラスの声のバランスが悪いときの手だていろいろ
(男子の声が大きく、女子が小さい場合)
① 本当は指揮者は下手でも男子にして、少しでも女子の人数を増やすってのが定石だけど、指揮に重きを置きたい場合はそうはいってられない。そんな時は…。
一応女子は二つに等分に別れてると思うけど、ハイトーンが出てきたらアルトを2~3人にして、あとは全てソプラノに回す。つまり、人によってアルトなのに所々ソプラノを歌わせるのだ。これは必ずやった方がいい裏手だて。
② 男子の優秀な子に、部分的に少ない人数でアルトパートを歌わせる。もちろんハイトーンで。これは音質調整が難しいので器用な子でないと無理。やってみて汚かったらすぐやめる。
③ 男声が二部に別れていない曲でも、あえて部分的に二部に分ける。アルトで分厚い層をつくれない分、男声でつくらせるってこと。でも、これは新パートをつくるところからやらなきゃいかんのでちと難しい。
④ 指揮者や伴奏者も、もちろん歌わせる。指揮伴奏をしながら。
◆合唱を通して、生徒に何を訴えるか、何を育てたいのか
(卒業に向けて在校生を指導する担任に向けて)
担任の腕の見せ所だ。
合唱指導は音楽の能力よりも、生徒指導能力や学級経営能力を発揮するところ。
歌の苦手な先生方でも全然気にせず、音楽指導は音楽の得意なリーダーにまかせ、担任は、生徒のがんばりをほめ、先輩への思いや伝統をつなげることに気づかせ、合唱コンで培ってきたクラスの団結を、今、学校の団結へつなげるときだと教えていきたい。
<他にも合唱コンの記事が、以下にいくつか載せています>