新しいRTL-SDR Blog V4と従来のRTL-SDRを比較してみました(消費電力編を追加) | やすのブログ

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新しい「RTL-SDR Blog V4」でAM放送や短波帯の受信をしてみての従来の「RTL-SDR Blog V3」と「Nooelec RTL-SDR v5」との比較です。

 

受信感度は大体「RTL-SDR Blog V3」<「Nooelec RTL-SDR v5」<「RTL-SDR Blog V4」

となるようで、「RTL-SDR Blog V4」だと選択した周波数の受信周波数帯域外からの混信が非常に少ないのでありがたいと言う点が特徴でした。

 

今回はHF帯受信での消費電力比較についてです。

大体の傾向は「消費電力=発熱」という事なのですが「RTL-SDR Blog V4」は低消費電力設計と言う割にはHF帯受信時に「RTL-SDR Blog V3」と「Nooelec RTL-SDR v5」の「ダイレクトサンプリングモード」動作と比較して発熱が多かったので変だなぁと思い消費電力を計測してみました。

 

AM放送や短波帯の受信での発熱の消費電力の感覚では

「RTL-SDR Blog V3」より多少発熱が多いのが「Nooelec RTL-SDR v5」で

「RTL-SDR Blog V4」は「Nooelec RTL-SDR v5」と比較してもかなりホカホカします。

 

「RTL-SDR Blog V4」は「ダイレクトサンプリングモード」動作がサポートされていないので「Quadratureサンプリングモード」での計測のみです。

また「Quadratureサンプリングモード」での実用的な受信動作は24MHz以上なので短波帯域での計測は行っていません。

 

「RTL-SDR Blog V3」と「Nooelec RTL-SDR v5」の「ダイレクトサンプリングモード」の消費電力の計測は以前にも行ったのですが以前の時とはUSBテスターが異なるのと「Quadratureサンプリングモード」での計測もあるので計測しなおしました。

 

「RTL-SDR Blog V4」は受信周波数の「アップコンバーター」が追加されていて「0-24MHz」の帯域は自動的に「アップコンバーター」動作での受信に切り替わるという事なので受信周波数は「ダイレクトサンプリングモード」での比較用に「9MHz」と「Quadratureサンプリングモード」での消費電力参考の比較用に「100MHz」を受信しています。

 

----- ここから消費電流の一覧 -----

RTL-SDR Blog V3 の消費電流(ダイレクトサンプリングモード「9MHz受信」)
0.045A-差し込んでから「bias_tee_off.bat」を実行「4.626V」
0.090A-rtl_tcp-起動初期アイドリング状態で利用中「4.556V」
0.081A-rtl_tcp-サンプリングレート0.25Mで利用中「4.574V」
0.083A-rtl_tcp-サンプリングレート0.900001Mで利用中「4.565V」
0.083A-rtl_tcp-サンプリングレート1.024Mで利用中「4.565V」
0.085A-rtl_tcp-サンプリングレート1.4Mで利用中「4.565V」
0.087A-rtl_tcp-サンプリングレート1.8Mで利用中「4.565V」
0.087A-rtl_tcp-サンプリングレート1.92Mで利用中「4.556V」
0.089A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.556V」
0.089A-rtl_tcp-サンプリングレート2.4Mで利用中「4.556V」
0.089A-rtl_tcp-サンプリングレート2.8Mで利用中「4.556V」
0.089A-rtl_tcp-サンプリングレート3.2Mで利用中「4.556V」

(参考)RTL-SDR Blog V3 の消費電流(Quadratureサンプリングモード「100MHz受信」)
0.255A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.310V」


Nooelec RTL-SDR v5 の消費電流(ダイレクトサンプリングモード「9MHz受信」)
0.056A-差し込んでから「bias_tee_off.bat」を実行「4.609V」
0.123A-rtl_tcp-起動初期アイドリング状態で利用中「4.512V」
0.107A-rtl_tcp-サンプリングレート0.25Mで利用中「4.530V」
0.111A-rtl_tcp-サンプリングレート0.900001Mで利用中「4.521V」
0.113A-rtl_tcp-サンプリングレート1.024Mで利用中「4.521V」
0.115A-rtl_tcp-サンプリングレート1.4Mで利用中「4.521V」
0.115A-rtl_tcp-サンプリングレート1.8Mで利用中「4.521V」
0.117A-rtl_tcp-サンプリングレート1.92Mで利用中「4.512V」
0.117A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.512V」
0.119A-rtl_tcp-サンプリングレート2.4Mで利用中「4.512V」
0.119A-rtl_tcp-サンプリングレート2.8Mで利用中「4.512V」
0.119A-rtl_tcp-サンプリングレート3.2Mで利用中「4.512V」

(参考)Nooelec RTL-SDR v5 の消費電流(Quadratureサンプリングモード「100MHz受信」)
0.282A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.284V」


RTL-SDR Blog V4 の消費電流(Quadratureサンプリングモード「9MHz受信」)
0.054A-差し込んでから「bias_tee_off.bat」を実行「4.618V」
0.255A-rtl_tcp-起動初期アイドリング状態で利用中「4.319V」
0.246A-rtl_tcp-サンプリングレート0.25Mで利用中「4.328V」
0.250A-rtl_tcp-サンプリングレート0.900001Mで利用中「4.328V」
0.251A-rtl_tcp-サンプリングレート1.024Mで利用中「4.319V」
0.251A-rtl_tcp-サンプリングレート1.4Mで利用中「4.319V」
0.255A-rtl_tcp-サンプリングレート1.8Mで利用中「4.319V」
0.255A-rtl_tcp-サンプリングレート1.92Mで利用中「4.319V」
0.255A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.319V」
0.257A-rtl_tcp-サンプリングレート2.4Mで利用中「4.310V」
0.257A-rtl_tcp-サンプリングレート2.8Mで利用中「4.310V」
0.257A-rtl_tcp-サンプリングレート3.2Mで利用中「4.310V」

(参考)RTL-SDR Blog V4 の消費電流(Quadratureサンプリングモード「100MHz受信」)
0.248A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中「4.328V」

----- ここまで消費電流の一覧 -----

 

以上の計測結果から分かった点を以下に挙げます。


以下サンプリングレート2.048M時の有効な受信周波数時の消費電力

 

「RTL-SDR Blog V3」「9MHz受信」「ダイレクトサンプリングモード」0.089A

「RTL-SDR Blog V3」「100MHz受信」「Quadratureサンプリングモード」0.255A

 

「Nooelec RTL-SDR v5」「9MHz受信」「ダイレクトサンプリングモード」0.117A

「Nooelec RTL-SDR v5」「100MHz受信」「Quadratureサンプリングモード」0.282A

 

「RTL-SDR Blog V4」「9MHz受信※1」「Quadratureサンプリングモード」0.255A

「RTL-SDR Blog V4」「100MHz受信」「Quadratureサンプリングモード」0.248A

 

※1:9MHz受信をしているのは受信周波数の「アップコンバーター」で内部での実際の「Quadratureサンプリングモード」での受信周波数は24MHz以上の有効な受信周波数に自動調整されている。「100MHz受信」時よりも「アップコンバーター」動作のためわずかに消費電力が多いと推測。

 

・HF帯受信時に「RTL-SDR Blog V3」と「Nooelec RTL-SDR v5」の「ダイレクトサンプリングモード」は発熱がかなり小さい

「ダイレクトサンプリングモード」(HF帯受信時)の消費電力は「Quadratureサンプリングモード」(24MHz以上)に比べて半分以下で発熱もかなり小さい。

 

「RTL-SDR Blog V3」と「Nooelec RTL-SDR v5」はHF帯受信時に「ダイレクトサンプリングモード」で動作させると発熱が非常に少なくて済むが「RTL-SDR Blog V4」は「Quadratureサンプリングモード」での動作のため発熱量は倍以上ある。

この消費電力の差が発熱の原因だが機構上仕方がない。

 

・「RTL-SDR Blog V4」での「0-24MHz」HF帯受信時の「アップコンバーター」動作の消費電力増は微々たる程度で済んでいる

「RTL-SDR Blog V4」でのHF帯受信時の「アップコンバーター」動作で増加している消費電流の差は0.007A程度の差(5V換算で35ミリワット程度)で発熱の程度はほとんど変わらない程度のよう。

 

・「RTL-SDR Blog V3」と「RTL-SDR Blog V4」での「Quadratureサンプリングモード」動作は微妙に「RTL-SDR Blog V4」の方が消費電力が少ない

「RTL-SDR Blog V3」と「RTL-SDR Blog V4」での「Quadratureサンプリングモード」の「100MHz受信時」の消費電力の差は「RTL-SDR Blog V4」の方が微妙に少なくなっているが微妙なので劇的に減少しているという訳ではないよう。

 

結果としては「RTL-SDR Blog V4」でHF帯の受信時は消費電力が大きい「Quadratureサンプリングモード」の発熱になるので仕方ないがヒートシンクを付けての運用が良さそうと思います。