Nooelec RTL-SDR v5を使い始めてしばらく経過しましたが利用初期はAMの中波放送での受信感度が良い以外にRTL-SDR v3とは耳での聞こえ方の違いが良く分かりませんでしたがデジタルで変調されたデータをアナログにデコードするDRM放送の受信ではどうか?という点についてです。
RTL-SDR v3とNooelec RTL-SDR v5の違いについては以下のような感じです。
まずはDRM放送受信時のSDRsharpでの受信帯域10KHzのSNRについてですが同じ時間帯の表示はこんな感じです。
・RTL-SDR v3
・Nooelec RTL-SDR v5
短波放送の受信ですし厳密に同じ経過時間のスクリーンショットではないため、両者のSDRsharpとDREAMのSNR表示はばらついてはいます。がSNR表示は大体同じくらいです。
デジタルでのデコードですので受信信号が強い際は問題なく、受信信号が弱くてデコードできるかどうかの際が問題になってきます。
大体いままでの受信信号が弱い際の傾向としては「Nooelec RTL-SDR v5」の方が「RTL-SDR v3」よりもデコードできるチャンスは多いような感じがします。
amazonのレビューなどの方にも「DMR, POCSAG, ADS-B」なんかのデジタルデータを受信するのに具合がいいというようなものもあるようです。
発熱についてですが皆さんのレビューによると温度が上昇するとチューニング精度が悪くなるという事も報告されていましたが25度の室温で通常の短波放送の受信を1時間ほど連続してもほんのり温くなる程度で特に周波数のずれは感じませんでした。
しかしながらDRM放送はデジタルデータが64の値に変調されて送られてきますのでなるべく受信エラーを減らすためにヒートシンクをつけてみました。
選択したヒートシンクはM.2 SSD用で22×70×10 mm厚みの物にシリコンゴムのサーマルパッドがついてきます。
丁度M.2 SSDへの取り付け金具が基盤の電極に接触しないようにするためのゴムバンドが3個位ついてきますのでSDR本体とサンドイッチにしたサーマルパッド、ヒートシンクをゴムバンドで束ねて固定しています。
ヒートシンクの幅はM.2 SSD用になっているので「Nooelec RTL-SDR v5」より多少幅は大きいですが倍よりは小さく収まります。又このヒートシンクだと「RTL-SDR v3」の幅より少し小さい程度なので「RTL-SDR v3」の方にも同じものを装着しています。
このヒートシンクの効果は25度の室温でDRM放送の受信を1時間続けてもわずかにぬくもりを感じる程度でほとんど温度は上昇しません。
直接風が当たらない状態でどの位温度が上昇するかデータとして表面温度計で計測してみました
・計測条件
室温:22.5度
計測前のSDR温度:22.5度
SDRでの受信条件:ダイレクトサンプリングモードで2.048MSPS幅
短波放送受信時間:1時間
15分経過後の室温:22.6度
15分経過後の「RTL-SDR v3」本体温度:23.7度
15分経過後の「RTL-SDR v3」ヒートシンク温度:28.0度
15分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」本体温度:24.0度
15分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」ヒートシンク温度:27.6度
30分経過後の室温:22.6度
30分経過後の「RTL-SDR v3」本体温度:24.4度
30分経過後の「RTL-SDR v3」ヒートシンク温度:28.4度
30分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」本体温度:25.8度
30分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」ヒートシンク温度:28.7度
45分経過後の室温:22.6度
45分経過後の「RTL-SDR v3」本体温度:24.1度
45分経過後の「RTL-SDR v3」ヒートシンク温度:29.5度
45分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」本体温度:26.0度
45分経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」ヒートシンク温度:28.9度
1時間経過後の室温:22.5度
1時間経過後の「RTL-SDR v3」本体温度:25.0度
1時間経過後の「RTL-SDR v3」ヒートシンク温度:29.5度
1時間経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」本体温度:25.8度
1時間経過後の「Nooelec RTL-SDR v5」ヒートシンク温度:29.0度
季節はもう秋で室温が低めでのデータですがこんな程度です。