豊かさの定義と経済政策 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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豊かさの定義

 昨日の記事では「経済という言葉の語源は、要するにみんなで物質的にも精神的にも豊かになろうぜ!という意味だ」というようなことを書きました。

 そうしますとコメントで以下のようなものをいただきました。

豊かとはなんぞや?

今の日本は十分豊かである

今の豊かさは、日本の通貨の信用に成り立って
いる、信用が無くなれば全てはうしなわれる
プライマリーバランスを舐めるな

 色々とちょっと困ったちゃんなコメントですが、世間一般的にはこの論法が”通用してしまう”というのが一番困ったところです。

 例えばこうです。「豊かになろうぜ」と主張してみると「いや、世界中で飢餓とかあるじゃん。それに比べたら日本は豊かだ」という反論。確かにその基準もあり得るでしょうけれども、上述の基準でいうと人権などはこうなります。

 「日本は格差を少なくして人権を尊重しようぜ」に「中国に比べたら日本は人権を尊重している!」。

 つまり「より良い方向を目指そうぜ!」と主張した時に、「他(底辺)より良いんだからもう必要ない」といわれるわけです。

 もう1つ例えてみましょう。「クラスでドベ2だった。もっと勉強しようぜ!」に「ドベよりは勉強できている!」と返すのと一緒なんですね。論法的には。

 

 さて、豊かさの定義でした。もう何回も出しているグラフですが、日本人の平均所得の推移。

 1997年をピークに「貧困化」しています。トレンドを私が書き入れたものは以下。

 ちなみに他の先進国と日本のGDP成長率の推移。

 平均所得で見ると明らかに「貧困化」している。そして経済成長率でも明らかに他の先進国に比べて日本だけが「停滞」している。つまり「どんどん豊かではなくなっている」としか定義できないんですね。

 「他の先進国」「過去20年間の推移」という物差しからはこう解釈せざるをえないのが事実。ではもう一度コメントを見てみましょう。

豊かとはなんぞや?

今の日本は十分豊かである

今の豊かさは、日本の通貨の信用に成り立って
いる、信用が無くなれば全てはうしなわれる
プライマリーバランスを舐めるな

 いわゆる「トートロジー」と呼ばれるものですが、前提条件として無条件に「日本は豊かである」とし、その上で論法を組み立てているわけで、しかし「どう比較して日本は豊かだと定義したのか?」については触れられておりません。したがって下3段の議論というのが全く無意味になり、少なくともアカデミックな議論とはいい難いコメントと認識となっている、という指摘が可能です。

通貨の信用とは何か?

 どうも引用したコメントではどうやら「プライマリーバランスによって通貨の信任、信用が担保されている」という論法に見えます。

 ということは「財政支出を削れば通貨の信用が高まり、日本が豊かになる」という論法になるはずですが、現実は1998年からの緊縮財政で「通貨の信認なるものを高めようとした結果」「日本が貧困化している」という真逆の結果が存在しているというわけです。

 したがって「通貨の信用≠プライマリーバランス」、つまりは通貨の信用はプライマリーバランスによって担保されるのではないと解釈するか、もしくは「通貨の信用≠豊かさ」、つまり通貨の信用と豊かさは直結しない、という2つの推論が導き出されます。

 

 そもそも論として「通貨(へ)の信認、信用」というのは「国内的」「国外的」の2つに別れます。ようするに外債のためには確かにプライマリーバランスは必要でしょう。しかし日本は内債でありますので、そもそもプライマリーバランスなんぞ「関係ない」というのが実態です。

 なぜならば国債はすべて内債であり円建てである。円は統合政府論では日本政府が発行権を持っている。したがって理論上は一瞬にして国債の返還が可能であるわけですから。

 もう少しわかりやすくいうと「日本政府自身が刷ったもので、日本政府自身が借りたとされるものを返せる」ということ。自分で刷って、自分で返せるものですからね。

 したがって論理的な帰結でいうと「国内的にプライマリーバランスを守ろうが守るまいが、そんなことは通貨の信用が毀損する理由にはならない」というわけです。

 

 では国内的に通貨に対する我々国民の信用というのは何から来ているか?統治機構がしっかり機能していることや、もしくは国民意識、もしくは政府権力(警察権や司法、軍事)などに裏打ちされております。

 

 日本円はハードカレンシー(国際決済通貨)の1つでありますが、ではそれは何によって担保されているか?つまり国際間での信用は何によって成り立っているか?というのは、当然ながら日本の国力、経済力、生産力であります。

 グラフでお示ししたとおりに日本の経済力というのは相対的に凋落しておりますので、つまりはハードカレンシーとしての日本円の信用というもの、その分毀損していると解釈するのが妥当でしょう。

 

 とするのならば国内的な生産力、供給能力を回復させるためには何が必要か?それに見合った需要でありますので、デフレ下においては政府支出を国内的に増大させて需要を創出して国力を高め、それが対外的な日本円というハードカレンシーの信用増加につながると解釈せざるを得ません。

 引用したコメントでは「対内的な信用」と「対外的な信用」がごっちゃになっていますので、この辺も曖昧であり、つまりは私が説明に要する文字数が増えるという話になってしまいます(笑)勘弁してほしい(笑)

 ついでに言及しておきますと、一部日本円で石油などを決済しているようですけれども(うろ覚え)、基本的には石油などの輸入はドルです。したがって日本円は対外的な信用というものをあまり気にする必要はありません。

 なぜならば輸入する分だけを輸出で稼げれば、それで十分だからです。

 したがってますますプライマリーバランスという愚論は「必要ない」という結論に至るわけでして、つまりは「プライマリーバランスなんてバカバカしい話」なのです。

プライマリーバランスを舐めるな

 舐めるどころか「論外」「空理空論」「必要が一切ない」のであります。

 ココらへんは国定信用貨幣論からも当然なのですが、本日は輸出入という対外的なものも含めて論じてみました。

 対外的なものを含めたために「ややわかりにくい」論になっておりますが、それはご容赦を。では最後にご斉唱。

プライマリーバランスなんてバカバカしい!!

 

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本日の男の料理 ボンゴレ・ビアンコ

 先日のボンゴレ・ビアンコの作り方ですよっと。超簡単。

材料

  • あさり
  • 海老
  • ピーマン
  • にんにく
  • チキンコンソメ
  • 白ワイン
  • 胡椒
  • オリーブオイル
  • 醤油(醤油大魔神と呼ばないで!入れなくてもOK)

調理手順

  1. にんにくはみじん切り、パスタは茹でる(塩多め。1Lにつき大さじ1杯くらい)
  2. フライパンを弱火にしてオリーブオイル、にんにくを入れて香りが移ったらアサリ、白ワインを投入。アサリが開いたらエビを入れます。ピーマンは輪切りにしておいて下さい。
  3. チキンコンソメ適量、塩、胡椒で味を整えて醤油を隠し味程度に入れて、茹で上がったパスタを入れたら火を消して、さっと絡めたら出来上がり!ピーマンは盛るときに上から色味付に。

 スパゲティ(茹で時間7分)は約1分ほど短めに茹でたほうが良いですよっと。出すときにちょうど余熱で芯まで火が通るイメージです。画像には舞茸も入れてますです。

 

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