動学的確率的一般均衡と経済学のもがき | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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DSGE(動学的確率的一般均衡)というあがき

 どうも昨今の経済学では動学的確率的一般均衡というものがもてはやされているようです。すご~く簡単に説明していきます。まず一般均衡というのはワルラスという経済学者が唱えた概念です。皆様が知っているところとしては「見えざる神の手」などはこれに当たるでしょう。ようするに「市場はどこかで均衡する」という経済学の概念ですね。

 ところがどうもこのワルラスの一般均衡では説明できない現象が多々起こっている、というわけです。昔はよく経済学者は「長期的には均衡するはずだ!」といいましたが、日本は20年間デフレでありますので「いつになったら均衡するんだ!ばかやろう!」なのでありますね(笑)

 そしてここでルーカスという人が登場します。ルーカスは1970年代から起こった「マクロ経済学(ケインズ学派)はミクロ的な基礎づけができていない!」という批判して有名になった人です。いわゆるルーカス批判と呼びます。

 経済学でいうマクロとはもはやフレームワークにしか過ぎなくて、ミクロ経済学を突き詰めていけばマクロもわかる!演繹的に理論建てが可能なのだ!というような主張です。だからルーカスは「マクロ経済学という分野はなくなる」とまでいったそうな。

 そしてルーカスは2003年に勝利宣言を行います。ようするに「論破したった!」と宣言しこのようにいいます。

 「いかなる実際的な目的に照らしても、恐慌を防ぐというマクロ経済学の中心的課題は解決をみた」

 

 ルーカスあうとぉぉぉ!ですね。その5年後には戦後最大の金融危機、リーマン・ショックが起こるわけですからね(笑)

 

 では動学的確率的一般均衡モデルの基礎となる一般均衡はどのような課題が課せられたのか?というと、ぶっちゃけていうと数式で証明は可能だったのです。しかしですね・・・均衡とは果たして1点なのか?もしくは均衡に安定的に向かうのか?というのは別の話でありまして、均衡が無数に存在するのならば分析する意味はない。そして均衡が安定しないのならば、これまた分析する意味がありません。

 ちなみにゾンネンシャインの研究によって、これは「無理ポ」だそうでございます。つまり一般均衡に意味がない。

 

 そしてですね、一般均衡のなにが意味が無いか?というと「静的であること」であります。経済主体は常に合理的である、静的な存在で不確定要素を排除している、動的な存在として人間を捉えていないということが決定的にダメダメなのですね。

 とするのならば静的なものを土台として「動学的、確率的」と理論を立てること自体が「悪あがき」にしか過ぎない。端的にいえば中野剛志さんの言葉を借りますと「不確実性」を無視しているというわけです。リスクは計算可能かもしれないが、不確実性は計算不可能です。

 基礎には「経済的合理人」が存在して、そのフィクションを「前提条件」としているわけですからね。

 

 一応、他のアプローチも研究されているようで法律や慣習からアプローチしたり、もしくは金融危機などを集団現象としてアプローチしたりする研究も進んでいるようです。まあ私からいえば当たり前なんですけれども・・・。こうなると国土条件なども必須でしょうし、他にも環境論決定論なども取り入れてほしいところです。

 いい加減に経済学は「理論というフィクション」ではなく、「人間」を扱っているという現実に目を向けてほしいものです。

 ちなみに動学的確率的一般均衡ですが、マクロモデルに対してミクロの根拠を与えようというものだそうでして、演繹的にミクロの動きがわかればマクロの根拠が論理だてられるというものだそうです。これ、機械論哲学であって古典力学の考え方なんですけれども・・・・(笑)

 これがどうやら経済学の「最新!」らしいですぞ(!!?)

社会有機体論

 自然科学で申し上げれば、また筋トレの話で申し訳ないのですけれども(笑)筋肉痛の原理すらまだ分かっていないのですね。人体すら不可思議で謎に満ちているし、生物学では「なんでこんなふうに進化したの?」という生物もいるそうです。つまりまだまだわからないことが非常に多いのですね。そしてわからないことは「わからない、だから研究するんだ」という姿勢が必要です。

 しかしながら経済学者および経済学徒というのは「このモデルは最新で、これが良いのだ!」と訳知り顔でいってくる。ばかじゃねーのか?と。それが間違っていたらどうするんですか?というと何の責任も取らない。

 少なくとも20年後に彼らは「動学的確率的一般均衡なんてもう古い!次はこれだ!」とかいっている姿が目に浮かびます。

 

 社会有機体論というのは「社会も有機体のごとく動的であり、矛盾を内包する」のだとするのならば、すなわち経済学の主張する「何にでも通用するモデル」というのはどこかに矛盾を抱えざるを得ないのです。つまり「なんにでもは通用しない」わけです。その矛盾を直視せずに完全なるものを目指すのならば、それは経済学がフィクションであるといえましょう。

 つまり「矛盾を内包したもの」に対して、”合理的という観点から解明する”というのは不可能であるわけでしょう。すなわち経済学者ないし経済学徒はまたもや「新しい説に飛びついてぐるぐると同じところを回る」ということをせざるを得ないわけです。

 

 「合理的経済人」という妄想を捨てねば、経済学に未来はないといえるでしょう。

 

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本日の男の料理 アジのたたき

 アジのたたきなのですが、山芋を添えてみましたよっと

材料

  • アジ
  • 山芋
  • わさび
  • 薄口醤油

調理手順

  1. アジは三枚におろして腹骨を取り、薄皮を剥いでから中骨をV字に切り込んで取り除きます。そのままさっと細作りに引きます。
  2. 山芋はスライサーなどで千切りに。包丁がうまくなりたい人は、包丁でがんばってください(笑)※1
  3. 山芋を皿に盛って薄口醤油を回しかけ、アジは薄口醤油で和えてから山芋の上に。わさびをのせて完成。

 ※1ですが切れる包丁でまずは輪切りにするわけですが、縦ではなく水平にそぎ切りに近い感じでやると、山芋が滑らなくてグッドです。

 

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