政府主導は失敗するという印象論 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

反新自由主義・反グローバリズムコミュニティ【ブルーオーシャン】の管理人もやっています。

>>ブログランキングで政治記事チェックor応援クリック  >>本日のレシピへ

起業、事業は立ち上げれば9割失敗する

 日本ではよくまことしやかに「政府主導でうまくいった例がない」「だから民間に任せろ」という印象論がしばしば囁かれます。たしかに政府主導の「クールジャパン」などは私も「えっ?さむっ!なにそれ?!」と思わないでもありません。アニメも知らない有識者とやらが「日本のアニメを世界に広めるのだ!」とかなんとかカビに生えた議論をしているわけですから、ズレたことになるのは当然でしょうね。せめてコードギアス、エヴァ、東のエデン等々。アニメのための会議をするんだったら30タイトルくらいは代表的なものをみてから会議しろよ・・・とか思います(笑)ちなみに私は灰と幻想のグリムガルというアニメがなにげに名作だと思うのですけれども、2期が作られる様子ががががが・・・orz

 なんでやぁぁ・・あんなに面白いのに。

 

 閑話休題。しかしそもそも論として起業、事業というのはなかなかうまくいかないというのは民間企業も同様なのです。東芝が決算で1兆円の赤字を抱えたことは記憶に新しいですし、家電業界は悪戦苦闘しているのも現状でしょう。大企業ですらそうなのでありまして、新しく立ち上がったベンチャー企業的なものは成功例ばかりが報じられますけれども、その裏では10倍近い失敗例が確実に存在するという事実を忘れてはいけません。

 極論をいえば「政府主導でうまくいった例を見たことがない」ではなく「そもそも論として事業そのものが失敗のリスクが非常に高い」というわけ。しかし政府主導の事業は税金が使われるということもあり「失敗が許されない」という風潮があり、つまりは民間は成功例が大体的に報じられるけれども、政府のしたことは失敗がクローズアップされるのではなかろうか?ということです。

 

 もっとも政府の官僚は前例主義であり法律に乗っ取らなければならないので、融通がきかずに失敗するといった理由付けも可能ですしそれも事実ではあるのでしょうけれども、上述した通り「政府は失敗が許されない、なぜなら税金だから」という風潮を差し引いて判断するのが肝要でしょう。

政府の事業と民間の事業の性質の差異

 「政府主導ではうまくいかない」といった印象論のせいで大きな事業も小さな事業も「とにかく民間に任せろ」というような民間信仰に近いものが存在しているのだと思うのですけれども、民間だってほぼほぼ失敗を重ねているのは書いた通り。起業や事業というのは割と難しいものだと思います。

 しかし事業の性質を無視して「全て民間に任せればうまくいく」という言説は明らかに論理的ではない、ということも申し上げねばなりません。

 

 たとえばインフラ整備、公的資本形成、減災・防災のための投資などは基本的に事業収益は見込めないでしょう。しかし国全体の生産性や安全性、安全保障、将来を見越すなどをした場合に必要不可欠であり、しかもその事業規模はとてつもなく大きい。また計画も国家全体にまたがるビジョンが必要となってまいります。

 このような性質の、つまりは国土への投資という超長期的な投資などは政府が進んでやるべき事業であり、民間尺度の事業収益率などの物差しで測るべきものでもないというのは多くの人が理解可能なはずです。

 この点でいえば郵政は民営化するべきではなかったと思いますし、また農協や農業のような国土条件的に利益のでにくい、しかし食料の安全保障に関わる分野であれば政府が積極的に保護、育成、投資をするべきです。なにせ日本人全体の食の事情がこれで左右されるわけでありますからね。反対する人は中国産のブロッコリーでも食ってやがれ!コノヤロー!でございます。

 

 一例を挙げましたが、このように「国家全体に関わる事業」というのは政府が将来的なビジョンをもって進めなければならない事業であるといえましょう。

 余談ですが2008年以前は経済誌やら新聞が「韓国経済を見習え!」というような記事を量産しておりました。しかしその勧告の体制はどうなっていたか?というと官民一体になって家電製品、半導体などのシェアを獲得しようと動いていたわけです。上記のような言説の人たちがなぜが日本に限っては「政府主導ではうまくいかない!民間に任せろ!」と唱えるのですから、何がなんだか意味がわからない(笑)

次々と出てくるワンフレーズ・ポリティクスの果て

 政府は国土にたいする投資、もしくは基礎研究や重要技術の研究開発、安全保障に関わる分野にたいする投資や保護、国の礎になる教育に関する分野等々で主導的に動くべきであろうというのが私の主張です。しかしながら世間の流れは規制緩和やら構造改革やらの「民間に任せればうまくいく」「競争こそがうまくいくための秘訣」といった流れです。20年間もうまくいってないのに、なぜ上手くいくと思えるのか?宗教かなんか何でしょうかね?

 有識者の上述のような言説にはただただ呆れるばかりでありますけれども、政府としてもボトルネックが存在するわけです。すなわちプライマリーバランス目標でありますね。

 

 何度もいいますけれども日本にはそもそも、財政問題は存在しません。でっち上げのフィクションであります。従ってプライマリーバランスなどという自ら手枷足枷するような目標はとっとと破棄するべきなのは至極当然のことなのですが、なぜそれが出来ないのか?というと政治家にも有識者にもマスメディアにも国民にも、国家財政や通貨とは何か?ということを知っている人間が少なすぎるという話なのではなかろうか?と思います。将棋のルールを知らずに将棋を観戦しているようなもので、それでもってあれこれと口をだすんだから手におえません(笑)わからないなら黙っておけと(怒)

 

 国民はともかくとして知的階級になるはずのマスメディア、有識者、政治家などがルールを知らずに政治をしているわけでありますから20年間も失敗し続けるのもある意味で必然であったといえましょう。そして将棋初心者を見れば分かるとおり、将棋というゲームにしても理解できていないと目先の駒に目を奪われて大局を見失います。(というか初心者には見えない、というのが正しいんでしょうね)

 これが政治であれば国家の将来的なビジョンなどの大局は語られず、ひたすら目の前の問題に対して「◯◯改革!」という安易なワンフレーズポリティクスが蔓延するのも当然でありましょう。

 

 ここに「政府主導では失敗する、うまくいかない」といった猫も杓子も一緒くたにした印象論が混じり合うことで、ヒステリックなまでの市場原理主義、競争主義、小さな政府論が採用されてさらなる谷底へと落ちていくというわけです。

 政治家も有識者もマスメディアもあてにならない状況で、どうすればマシになるのか?と考えると国民が「なんでやねん!」「増税やめろや!」「俺ら貧乏になっとるやん!」と怒らなきゃならないと思うのですけれども、いつになったら怒ってくれるのか?は私にはわかりません。

 もしかしたら茹でガエル状態、政治不信等々で怒る気力すらもはやないのかもしれない。

 

 政治の転換点はどこかで来るのか?わかりませんが、書き続けるしかないのですね。

 

↓↓最後にポチッとお忘れなくm(_ _)m

コテヤンの好きなブログ紹介

進撃の庶民:毎日、気鋭の論客が政治、経済、思想に切り込む!コテヤン(月曜担当。気鋭じゃないw)も寄稿メンバーの一人です。影法師氏の進撃の朝刊も情報盛りだくさん!
新聞の社説とかより全然こっちのほうがいいです。いやほんまに!

国家戦略特区blog:超人気ブロガーみぬさ よりかず氏による政治、経済コラムが毎日更新!ブログ名は新自由主義者を釣るためだとか(笑)
コテヤンの尊敬するブロガーの一人&先達です!コテヤンがファンって相当やで?

ずるずると道・郷・話を愛でる:重厚かつ濃密な論考をされるzuruzuru4氏が政治ブログランキングへ参戦!!
更新されたら必ず読みに行くブログの一つであり、氏の知的思考をたどることは大変に面白い!

ナスタチウムのブログ:ナスタチウム氏が海外の報道から、移民、難民、マスメディア、政治などに深く切り込んでいきます
特に移民、難民系の記事は「今そこにある危機!」として、皆様に是非とも見ていただきたいブログです。

うずらのブログ:うずら氏の記事ははっきり言って、そこら辺の社説よりレベル高い!
ストンと腑に落ちる言語能力、目の付け所が魅力的で、基本更新されたらいつも見るブログです!経済系が多いかも~

超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません:ニュートラルに世の中を見る!という意味において大変に素晴らしい!若き論客が考え、思考する。
しかもかなりアカデミックな部分も多く、文章も分かりやすく親しみやすい。若い世代の「期待の論客!」としてコテヤンイチオシ!なのです!

三橋貴明オフィシャルブログ:はい、皆様ご存知の三橋貴明氏のブログ
毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。

 

 

本日の男の料理 野菜の高騰

 今日はレシピをちょっと脇において野菜の高騰について。もうね・・・たけーよ(怒)例年より何割増しかで高めでありまして、庶民には辛い話であります。

 しかもですね・・・何が酷いって大本営発表で「好景気!株高!」とかいってますけれども、実態は以下の画像がよく表していると思います。

 

 つまりは会社員は平均すると年収は減収、そして日々の生活のお野菜は高騰、ついでに政府による消費懲罰の消費税増税でさらに追い打ち。アベノミクスとは国民イジメであった・・・というわけでありますね。

 ほんま、家庭を預かる奥さん、あんた怒らなあかんで?!とついつい井戸端会議風に思ってしまうのですけれども、たった6~7年でここまで貧困化しても怒らない日本人というのは、じつに辛抱強いなぁ・・・と思うわけです(皮肉)

 美徳はときとして悪徳になる良い例かもしれません。

 

 お野菜の値段はいつになったら下がるのか、誰か教えてほしいのです(笑)

 

記事が参考になりましたら、ブログランキングをクリックお願いします