9条3項追加のスジの悪さと未来予測 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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そもそも安倍政権に改憲は可能なのか?

 先の衆院選で3分の2を予測もつかぬ大勝でもぎ取った自民党ですが、選挙の少し前に安倍総理が提唱していた9条3項の追加、つまりは2項の戦力の不保持をそのままとして自衛隊の存在を明記するという案を土台に改憲は可能なのか?というと存外ハードルは高いと思うのです。2つの要因がありまして、まずは3項追加という「お試し憲法改正」はスジが悪すぎて国民投票で否定される可能性があること。もう1つは安倍総理にそもそも論として改憲の信念のようなものが感じられないことであります。パッション、情熱と言い換えても良いでしょう。

 

 どうして3項追加はスジが悪いのか?は以下の記事から見ていきましょう。

憲法改正を問う=元衆院議員2人にインタビュー(時事通信)

 ◇信念ある改憲ではない=山崎拓元自民党副総裁
 -現行憲法の評価は。
 戦後日本の平和は「9条のためだ」とは必ずしも言えないが、70年以上、戦火を交えていないのは事実だ。
 -かつて改憲派の論客だった。
 「戦力不保持」を規定した9条2項は、今の自衛隊の実態に沿わないので書き換えるべきだ。「日本国の主権と独立を守り、国の安全を保つと共に、国際平和の実現に協力するため、内閣総理大臣の指導の下、陸・海・空軍、その他の組織を保持する」などの表現に変える。この考えは議員時代から変わらない。
 -首相は9条2項を維持して自衛隊の根拠規定を設ける案を提案した。
 「自衛隊の正当化なら誰も反対できない」という考えから出てきたイージーゴーイング(安易)な案。改憲のための改憲だ。本来は2項から見直すべきで、2012年の自民党改憲草案もそうなっている。首相は、憲法改正を志向する彼の支持基盤の期待に応えようとしているだけだ。信念として改憲しようとしているようには思えない。

(中略)

 ◇9条、押し付けではない=藤井裕久元財務相
 -憲法改正は必要か。
 戦後日本の平和を支えた9条は守るべきだ。「占領軍の押し付け」と主張する人がいるが、間違いだ。9条の平和主義は、当時の幣原喜重郎首相がマッカーサー(連合国軍最高司令官)に持ちかけて憲法に加えられたものだ。
 -自民党は9条に自衛隊の存在を書き込むことを目指している。
 論外だ。ある自衛隊幹部も言っていたが、なぜ自衛隊だけ憲法に書くのか。日本の平和は自衛隊だけでなく、日本国民全員が守ってきた。今の自衛官はそれを分かっているが、自衛隊が憲法に明記されれば、10~20年後に「俺たちは偉い」と勘違いする自衛官が出るかもしれない。それがやがて軍国主義につながる危険性を持つ。
 -安倍晋三首相は9条1項と2項を維持した上で自衛隊を明記する案を示した。
 2項維持は、へ理屈だ。私はあくまで反対だが、もし自衛隊を明記するなら(戦力不保持の)2項も変えるべきだ。論理的に整合性が取れない。

 両論併記の形を取っておりますけれども、憲法改正反対論者にいわせても「2項を保持したままでは論理的整合性が取れない」といわざるをえないのが3項追加というわけであります。憲法9条をもう一度見直してみましょう。

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

(wikiより)

 1項は世界中どこにでもあるような「平和憲法」として理念を謳ったものでありますけれども、2項は具体的に「戦力、軍を保持しない」とあります。従っていくら3項を追加しても、そもそも自衛隊は「戦力、軍ではない=軍ではない何か」という事になります。いざ憲法改正案が国会を通過して発議されたとしても、国民投票で大論争を巻き起こすことは必至であり、そしてこの論理的整合性のなさは多くの国民にとって「???」と疑問を抱かせるのに十分なことでしょうから、国民投票で否決される可能性も大いに存在します。とすると、そのようなリスクを安倍政権が負うとも考えにくいのですね。

 つまり先の選挙で安倍自民党は大勝したけれども、いわゆる保守と呼ばれる憲法改正派は敗北していたと解釈してもおかしくはないわけです。

 

 断言するのはマズいですけれども、安倍政権で憲法改正は発議されないんじゃなかろうか?と私は思っております。国際情勢的にもアメリカが北朝鮮の現状を肯定ないし黙認する可能性があり、日本を飛び越えて手打ちする可能性すら存在します。もしそうなった場合に日本は果たして「このままじゃマズい!アメリカは頼りにならない!憲法改正だ!」というような空気になるか?というと全くの逆で、これまでの例を見ても理解可能な通りアメリカが手打ちすればそれに右に倣えとばかりに、現状を追認して北朝鮮問題など忘れ去ってしまう可能性のほうが高い。実際に2010年には「中国の脅威!」と騒いでおりましたけれども、現在ではもはやそのように騒ぐ勢力が存在しないのは「アメリカが中国と事を構えるということがない」とわかったから、つまりはアメリカに右に倣えとばかりに忘れ去ったというわけです。

いわゆる保守は安倍政権で敗北してきた

 私は「いわゆる保守」「自称保守」は嫌いなのですけれども、それは彼らが安倍政権に対してあらぬ幻想を抱き続けたこととも関係します。つまりは改憲が悲願になりすぎて「安倍総理はきっと心の底では俺達と同じ心情だ。しかし政治は複雑だから大石内蔵助のごとく振る舞っているのだ」などと認知不協和を起こしている、現実を見ようともしないことがその理由の1つです。

 何をどう考えたって2013年以外の4年間の安倍政権は完全な新自由主義、左翼的政策であり本来的に保守とは相容れないのは明白です。TPPや移民政策なんぞは「地球市民」なる価値観でもなければ到底受け入れがたい政策でしょうけれども、それを積極的に進めてきたのが安倍政権でありますから何をいわんや。

 

 つまりはいわゆる保守、自称保守たちは安倍政権において安倍総理を応援し、安倍総理によって敗北を続けてきたといえます。自らの主張の土台にある「伝統、文化」を壊すことを選択肢続けてきた、結果として安倍・トランプ会談において安倍総理のアメポチぶりを目の当たりにしてようやく「も、もしかして間違えたかも」と気づく有様。端的に申しまして「ざまーみろ」としか思わないわけですが(笑)

 

 さて未来予測は不確定で当たるも八卦、当たらぬも八卦でありますけれども、一方の左翼陣営は安倍政権による国民の貧困化、もしくは憲法改正等々に反対をして安倍政権はまずい!といってはいるものの、発想としては経済論的にはプライマリーバランスを前提条件にしており期待薄、憲法改正への反対はまだよろしいとしても根本が安倍政権と同じ「地球市民的発想」でありますから安全保障については心もとないどころか危ない。何より安倍政権へのアンチテーゼを提出することに躍起になっていて、自身の主張そのものが安倍政権の行動によって左右されるというフラフラさであります。

 

 さらに申しますといわゆるノンポリ、無党派層が世論の大半を占めるのだと思うのですけれども、この層はどうも最近の世論調査によると安倍政権への支持率を落としながらもしかし、積極的に安倍政権を倒閣しようなどという空気にはなっていない。簡単にいっちゃえば政治に関わるのがもうしんどいとか政治不信、そういったある種の諦観や絶望感すら感じられる。ノンポリ層の虚無主義とでもいうような現象が広がってるんじゃないか?と見えるわけです。

 

 見てきた通りにいわゆる保守はアテにならない、左翼は安倍政権に依存しすぎている、ノンポリ層は諦めが見えてきている。当の安倍政権はアメポチなので憲法改正もアメリカ様の動向次第。つまり・・・我が国の根幹をなす憲法なるものは、北朝鮮とアメリカの動向と意向によって決定されうる(!!)という非常に情けない未来予測になろうかと思います。ここから見えてくるのは、所詮は日本はアメリカの保護領であり日本だけでは何も決められないという情けない実態でありますね。

 2010年以降にいわゆる保守が中国について騒がなくなったように、2018年はまたもや北朝鮮のことを忘却して現実から目をそらす年とならなければよいのですけれども。

 

 福沢諭吉は「一身独立して一国独立す」と説き、それは「心身の独立を全うし、自らその身を尊重して、人たるの品位を辱めざるもの、之を独立自尊の人と云ふ。」ということであったそうです。我が国の政治勢力は左右ともにお互いに依存し、相手をけなすことで勢力を保とうとしておりますけれども、これは「一身独立できない」「人たる品位を辱めている」わけであり、要するにそんな政治勢力ばかりの国家に独立なんぞできるのか?といわれれば「否!」としか答えようがないでしょう。

 いやいや、穿った見方をすればそもそも戦後日本は「独立したくない」が根源にあるのかもしれません。

P.S

 上述したように「一身の独立すら出来ない」という政治勢力が大半というかほとんどすべての中において、著名人でいえば藤井聡さん、中野剛志さん、三橋貴明さんのような論客の出現、もしくは私が所属している進撃の庶民、こういった勢力がわずかながらでも存在するのはかすかな希望でありましょう。

 おおよそ2ヶ月間休みがなく、心身ともに疲れているのですけれども(それでもジムには週6で通ってますが(笑))、なんとかかんとか発信をやめないのはそのかすかな希望とやらに望みを託すほかない、というのが正直なところであります。

 私が生きているうちに日本の独立はあるのか?まことに不透明かつないような気がしますけれども(笑)これ以上ひどくならないことを祈念しながら、これからも書き続けるしかないのでしょうね。

 

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本日の男の料理 アサリのお味噌汁

 二日酔いにはしじみがいいそうなのですけれども、あれは身がちっちゃくてどうも食べづらい(笑)というわけで私はアサリのお味噌汁のほうが好きです。あと出汁も取らなくて済むので簡単です。

材料

  • アサリ
  • 三つ葉
  • 味噌
  • 日本酒

調理手順

  1. アサリの砂が気になる人は砂抜きをしましょう。鍋に水を入れてアサリを入れ、火にかけてアサリが開いてきたら日本酒を適量入れてアルコールをさっと飛ばします。
  2. 火を止めて味噌を溶き入れて、お椀によそって三つ葉をあしらったら出来上がり!

 アサリは火を通しすぎると固くなるので、開いたら最短で火を止めてやるのがコツです。

 

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