緊迫する世界情勢と分断の兆し | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

反新自由主義・反グローバリズムコミュニティ【ブルーオーシャン】の管理人もやっています。

>>ブログランキングで政治記事チェックor応援クリック  >>本日のレシピへ

G0の世界の中で

 ざっと世界情勢を見渡しますと勢力としてはアメリカ、欧州、中国、インド、ロシアあたりが今後の世界情勢のキーワードになってくるように思われます。特に台頭する中国はアメリカの覇権の凋落に対して虎視眈々と、ユーラシア大陸からのアメリカの影響力の排除を狙っているように思われます。またロシアも当面は中国に協力するかたちで、アメリカのユーラシア大陸からの排除に加担するのでしょう。

 それに対してインドはやや不透明ですが、欧州がアメリカよりになるのは明らか。歴史的にみても中国やロシアなどの台頭は欧州にとっては地政学的な安全保障リスクの増大を示唆します。

 

 このような覇権国家が確定していない世界情勢、つまりはG0の世界の中で日本の安全保障の問題はどのようなものか?と見ていくと、ぱっと思いつくのは北朝鮮問題でしょう。北朝鮮の問題のシナリオとしてはいくつか考えられますが、その代表的なシナリオは「北朝鮮の暴発による紛争の勃発」「北朝鮮の体制崩壊による大量難民」の2つでしょう。

 この2つのシナリオに共通するのは「北朝鮮は極めて不安定な地盤に立っており、なおかつ金王朝の独裁なので何をするかわからない」という前提条件です。実際に中国などは北朝鮮との国境に難民キャンプの建設を進めている、という情報もあります。

中国が密かに難民キャンプ建設──北朝鮮の体制崩壊に備え(Newsweek)

 

 しかしこの「北朝鮮は極めて不安定である」という前提条件は私は「ややバイアスがかかっているのではなかろうか?」と疑問に思っております。というのも北朝鮮のミサイル開発および挑発的な外交は報道を見る限り、かなり合理的に決定されていると見えるからです。北朝鮮の核開発やミサイル開発は「アメリカ本土に届くものを開発し、所持して抑止力とする」という物資の少ない北朝鮮にとって極めて合理的な戦略ですし、挑発的な綱渡り外交についても「アメリカを激怒させないギリギリのラインを守っている」ように見えます。

 もちろんながら先にあげた2つのシナリオの実現可能性は低くはないわけですし、また中国にしてもあらゆる自体を想定しているために難民キャンプの建設なども進めているわけで不透明ではあるのですが、少なくとも日本は「北朝鮮の体制が存続するかもしれない」というリスクにも備えるべきであり、体制の崩壊という「希望的観測」よりも重視するべきでしょう。

日本外交と安全保障のためにはどうするべきなのか?

日英、ミサイル共同研究へ 「準同盟」の色合い強める(朝日)

 上記のような記事が出ておりまして、どうも日本の方向としては「民主主義かつ自由主義の国家との外交を重視する」という、いわゆる「価値観外交」の方向のようです。日米英、他にもインドやオーストラリアなどとの連携が悪いとはいいませんけれども、連携、協調の前提条件には「いざとなれば日本が独自に対処できる実力がある、もしくはそのような国家である」という話が必要なのではなかろうか?と思うわけです。

 日本は特に戦後の日米安保の恩恵が強かったせいもあって「同盟とは助けてくれること」と勘違いしているフシもあります。ですから北朝鮮問題でもネットを見渡せば「アメリカが対処する”はず”」という間抜けな主張が散見されるわけですが、本来は日本に比重が高い安全保障問題ですから「日本がやると決める、それに対してアメリカが自国の国益に叶うとなれば協力する」というのが常識的な話のはずです。

 

 同盟とは「自動的に紛争が始まったら同盟国が参戦してくれるもの」ではなく、その同盟国も「自国の利益に叶うかどうかを判断して、叶わなければ参戦しない」というのが世界的な常識でしょう。一例を上げればイギリスのフォークランド紛争の際に、アメリカは参戦したか?というとさにあらず。むしろアメリカは調停をしようとしており、世界一強固といわれた米英の関係ですら参戦しなかったわけです。なぜならば「関わっても自国の利益に叶わないから」というわけです。

 

 上記のような「事実」を踏まえるのならば、もちろん他国との同盟や連携も必要なのでしょうが、その前提条件として「日本が独自にいざとなれば対処できる」ということは必須です。なぜならば同盟していても状況によっては協力してくれない、もしくは助けてくれないことなどいくらでもあるからです。

軍拡か軍縮か現状維持か

 私としては「日本は自衛隊法を改正し、防衛費をせめて世界標準の2%程度まで引き上げる」というのは至極当然の話であると思うのですけれども、必ず出てくる議論としては「軍拡をすれば軍拡競争になる。従って軍事衝突のリスクは高まる」という論です。この論は一見正論に見えますので厄介なのですが、ではこちらが軍拡しなければあちらも軍拡しないのか?という問いが必要でしょう。

 また上記の問いの前に「日本はこれからどの方向に行くのか?どこに向かうのか?」という根本的な問題について論じる必要があります。

 

 といいますのもこれからアメリカが凋落していくというのはほぼ確定事項であり、そしてユーラシア大陸においては中国、ロシアなどが影響力を強めていくこともほとんどの方が同意されることでしょう。その中において日本は日米同盟の堅持に努めるのか、それとも自主独立路線に向かうのか、もしくは中国の属国として生き延びる道を選ぶのか?という選択が必要です。現在のところは日米同盟の堅持と、アメリカの属国であることを堅持するという方向でございます。

 私は自主独立路線がよろしいと思いますし、日本のことくらいは日本人で決めさせろと思います。しかしながら世論を見ておりますと右は「アメリカの属国であること」を望み、左は「中国の属国になること」を望んでいるように見受けられます。いわゆる保守派といわれる層の中にすら自主独立という主張が極わずかであるというのは非常に困ったものです。

 

 「アメリカの属国であり続ける」とするのならばアメリカが望む範囲で軍拡をする、もしくは現状維持をするという話になるでしょうし、「中国の属国がお望み」であればむしろ軍縮をするというのが選択肢になるでしょう。

※まあ今から日本が軍拡したところで、中国の台頭は止められないし対応もできない、という話から「軍拡はダメ」という論者ももちろんいるでしょうし、これはこれで現実的な考え方かもしれません。

 

 さてここでどういう道をたどるのか?という選択について1つの「戦後日本人」のケースをご紹介します。満州事変を起こし政府の戦線不拡大路線を覆し日中戦争勃発の引き金となった石原莞爾でございます。彼は「最終戦争論」という論を戦前に出して「最終的には日本とアメリカが戦争し、そして平和が訪れる(G1の世界)」を予想していたそうです。

 こんなことをいっていた石原莞爾は戦後、どのように何を語ったのか。彼は戦後にこのように鞍替えします。「日本は平和国家になった。敵が攻めてきたら蹂躙されたら良い」と。おいおい・・・・・(汗)

https://youtu.be/X3sVEwCDn-U?t=55m10s(石原莞爾 “陸軍の異端児”の策謀と誤算より)

 

 この石原莞爾の考えというのは戦後日本人そのものであるように思われます。日本人にとって平和国家とは「敵が攻めてきたら蹂躙されても良い、抵抗しない」という隷従の平和を示しているのではなかろうか?と思うわけですね。しかしながら私にとって平和国家とは「平和を保てるだけの国力と軍事力のある国家」であり「他国が攻めてこようとしない国家」でありますので、どうにも日本に蔓延る「他人頼りの安全保障議論」はしっくり来ないわけです。

 

 アメリカの覇権が凋落して世界情勢が激変していく中において、日本が今後どのような道を進んでいくのか?といった根本的な議論こそが現在の日本には必要なのであろうと思います。しかしまあ、そのような議論は一部の有識者からしか聞いたことがなく、大半のメディアや有識者、そして政治家から国民にいたるまでこの根本的な問いを見ようとしないで、上っ面の議論に終止するのでしょう。思わず「だめだこりゃ!」と言いたくならんでもない今日このごろ(笑)

 

↓↓最後にポチッとお忘れなくm(_ _)m

コテヤンの好きなブログ紹介

進撃の庶民:毎日、気鋭の論客が政治、経済、思想に切り込む!コテヤン(月曜担当。気鋭じゃないw)も寄稿メンバーの一人です。影法師氏の進撃の朝刊も情報盛りだくさん!
新聞の社説とかより全然こっちのほうがいいです。いやほんまに!

国家戦略特区blog:超人気ブロガーみぬさ よりかず氏による政治、経済コラムが毎日更新!ブログ名は新自由主義者を釣るためだとか(笑)
コテヤンの尊敬するブロガーの一人&先達です!コテヤンがファンって相当やで?

ずるずると道・郷・話を愛でる:重厚かつ濃密な論考をされるzuruzuru4氏が政治ブログランキングへ参戦!!
更新されたら必ず読みに行くブログの一つであり、氏の知的思考をたどることは大変に面白い!

ナスタチウムのブログ:ナスタチウム氏が海外の報道から、移民、難民、マスメディア、政治などに深く切り込んでいきます
特に移民、難民系の記事は「今そこにある危機!」として、皆様に是非とも見ていただきたいブログです。

うずらのブログ:うずら氏の記事ははっきり言って、そこら辺の社説よりレベル高い!
ストンと腑に落ちる言語能力、目の付け所が魅力的で、基本更新されたらいつも見るブログです!経済系が多いかも~

超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません:ニュートラルに世の中を見る!という意味において大変に素晴らしい!若き論客が考え、思考する。
しかもかなりアカデミックな部分も多く、文章も分かりやすく親しみやすい。若い世代の「期待の論客!」としてコテヤンイチオシ!なのです!

三橋貴明オフィシャルブログ:はい、皆様ご存知の三橋貴明氏のブログ
毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。

 

本日の男の料理 ゴーヤのおひたし【再掲】

 ゴーヤのおひたし、前にも書いたっけ?もうどのレシピを書いたのか分かりませんので、またかもしれませんが書きます(笑)

材料

  • ニガウリ
  • 鰹節
  • ちりめんじゃこ
  • 鰹出汁
  • 醤油

調理手順

  1. ニガウリは種を取って半月切りにして茹でます。茹でたらザルにとって冷水で粗熱を取り、絞ります。
  2. ボールに鰹出汁3、塩適量、醤油1をいれて浸し汁をつくり、ニガウリ、ちりめんじゃこを入れて混ぜます。
  3. 皿に盛って鰹節をのせたら出来上がり!

 暑い夏ももうすぐ終わろうとしております。今のうちにニガウリを食べておかないと、秋以降では値段が上がって・・・(汗)

 

 ちなみにこの日のご飯は以下のような感じ。

 特大焼きおにぎり茶漬け、ゴーヤのおひたし、冬瓜の煮物、水なすの浅漬。大変美味しゅうございました。

 

記事が参考になりましたら、ブログランキングをクリックお願いします