国際政治のMMT(マッドマンセオリー)とトランプと日本 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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マッドマンセオリーとは何か?

トランプ氏の「マッドマン・セオリー=狂人理論」は金正恩氏に通じるか 「マッドvsマッド」なら戦争は不可避だ(産経 4月3日)

 米国のリチャード・ニクソン元大統領(1913~94年)はベトナム戦争を終わらせるにあたり、副大統領として仕え、朝鮮戦争を休戦に持ち込んだドワイト・アイゼンハワー(1890~1969年)大統領の情報戦に学んだ。そして今、ドナルド・トランプ大統領は、現下の朝鮮半島危機を、ベトナム戦争を終結させたニクソン氏の情報戦に学び、血路を見いだそうとしている。一連の情報戦は、「核戦争も辞さぬ狂人」を装い、敵国の譲歩を引き出す瀬戸際戦略で《マッドマン・セオリー=狂人理論》と呼ばれる。

 しかし、《狂人理論》の実践には絶対的前提条件がある。

 まず、「あらゆる選択肢が検討対象」だと、核攻撃を含む武力行使の可能性を公言し、警告を発する米政権のトップや側近=戦略立案者が「狂人」ではなく「狂人を装っている」ことと、情勢次第で核攻撃をも敢行するハラをくくること。

 一方で、敵対国・北朝鮮の指導者が冷静な最終決断を引き出す分別や指揮・統制能力を備え、かつ、政治・軍事・経済上の合理性を指導者に進言できる人材を含有する国家体制が不可欠だ。国家指導者と彼の側近=戦略進言者が「狂人」ではなく「狂人を装っている」ことが眼目となる。

マッドマンセオリーについて端的に書かれているので引用させていただきました。ついでにいうとマッドマンセオリーとはMMT(モダンマネーセオリー・国定信用貨幣論)とは呼ばれてません(笑)ちょっと略すとかっこいいかな、ということでタイトルにはつけちゃいました(笑)

 

さて、マッドマンセオリーの要点とは「なんでもするぞ?」という「態度、演出、覚悟」の複合技と言えるでしょう。これによって相手に「常識的にはありえないんだけど、こいつだったら本当にやるかもしれない・・・」と思わせて、要求を飲ませるやり方です。要するにヤクザのやり口と一緒ですが、国際的には結構一般的だったりします。

マッドマンセオリーの隠れた要

アイゼンハワーは朝鮮戦争を終わらせるためにこの手法を使い、ニクソンはベトナム戦争を終わらせるためにこの手法を使いました。つまりどちらも「1つの目的だけのために、単発使用した」わけです。

 

ところがトランプはTwitterでのメキシコへの工場を作ったら関税を上げてやるだとか、その他細かい点でマッドマンセオリーを何度も使用しているのですね。

米中首脳会談でもアサド政権への攻撃という手法を使い、中国から貿易不均衡を是正する100日計画を引き出したわけですが、このマッドマンセオリー・・・一度妥協すると相手から「あ、こいつやれへんわ」と思われて失敗する可能性が非常に高くなるわけです。

つまり1つ目の要である「狂人を装って、本当にやるかもしれない」という演出が、何度も何度も実践されたために「ショッキング性を疑われた」ところで北朝鮮への軍事圧力というオペレーションだったわけです。

 

もう1つの要は「圧倒的なパワー」です。トランプが北朝鮮に対して譲歩を迫るならば「北朝鮮全土を核攻撃して灰にする」くらいの覚悟が必要でした。当然ながらそうなると韓国、日本が被害を受ける恐れがあるということですし、さらに中国との開戦も視野に入れないといけなくて、今のアメリカには「到底無理」だったわけですね。

 

あと1点、状況の違いも有るでしょうか。アイゼンハワー、ニクソンは戦争終結のためという「人間の感情として肯定しやすいもの」のために使いましたが、トランプの場合は「核開発の停止」のために「米朝戦争が起こるかもしれない」という「人間の感情として否定したいもの」に使ってしまいました。

転んでもただでは起きないアメリカ

さて、北朝鮮に関してはもうあまり書きたくないので(笑)さっと記事をご紹介するとして。

残忍な金体制に圧力強化 マクマスター米大統領補佐官、中国の影響力に期待(産経 4月17日)

 【ワシントン=加納宏幸】マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は16日放映されたABCテレビのインタビューで、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受け、金正恩朝鮮労働党委員長の体制を「予測不可能であり、兄(金正男氏)や家族を殺害する残忍さを示してきた」と非難した。その上で同盟国の日韓両国、中国とともに北朝鮮への圧力を強化する考えを強調した。

 マクマスター氏は「トランプ米大統領は米国、同盟国、地域のパートナーが核兵器を持つ敵対政権の脅威の下に置かれることを認めない」と述べ、北朝鮮の核開発計画の放棄による朝鮮半島の非核化が目標であることを明確にした。

要するにマッドマンセオリーで軍事的圧力をかけても、北朝鮮が折れてくれないので持久戦に移行したというわけでしょう。一般的には北朝鮮が「アメリカまで届く核ミサイルを開発している、だからアメリカの安全保障問題なんだ」と言われていますが、中国だってロシアだって持ってるんじゃ・・・。

 

というわけで「アメリカとしては元々別の狙いがあった」と見るほうが自然です。何か?もしかしたらマッドマンセオリーは「北朝鮮に対して使用していた」のではない可能性があります。むしろ「北朝鮮の危険」を煽ることで「周りの国家からの譲歩」を引き出そうとしているのかもしれません。

トランプの目的は何だったの?

北朝鮮の体制というのは、民主主義国家日本の国民である私達からすれば、到底肯定できるものではないのは事実です。また北朝鮮内部では人権は抑圧され、政治犯として収容されて強制労働をさせられている人たちがいるのも事実です。

ただここではっきりさせておきたいのは、私は「北朝鮮の人たちがかわいそうだ、だから軍事攻撃だ」という議論はあまり好きではないということです。

それはアメリカが2008年まで続けてきた「自由と民主主義のためにイラクだ!アフガンだ!シリアだ!ベトナムだ!」という議論とさして変わらないどころか、中東はこの軍事介入を遠因として現在の混乱が有ることは間違いないでしょう。

 

また北朝鮮の体制の転覆が目的ではない、というのはティラーソンが最初に発言したと報道され、アメリカはそもそも今回の軍事行動をそのようには位置づけていない、むしろ体制存続は約束していたということです。

北朝鮮の体制が存続する限り、彼らがまた核開発を始めるのはアメリカだって、日本だってわかってることでしょう。わかっていないとしたらビックリですが(笑)

これは何も憶測で言っているわけではなく、例えば中国をグローバリズムに引き込んで「協調路線で中国の民主化、穏健化」を待った結果として「南沙諸島の軍事基地化」があったわけです。これと同じになるに決まってるんですね。

脅威に晒され続ける国日本

別に脅威にさらされているのは日本だけではなく、北朝鮮側から見ればアメリカが、中国から見ればインドやアメリカ、ロシアから見れば欧米、東南アジアから見れば中国という風に、どこの国も多かれ少なかれ脅威があるわけです。オーストラリアくらいじゃないでしょうか?当面の脅威と呼べるものがないのは(羨ましい・・・)

このような状況の中で、各国ともに「自国の防衛」を考えて軍備拡張、もしくは外交を強かにしているのが現状の国際情勢ですが、日本のアメリカ依存は大変にひどく、今回の北朝鮮情勢でもなんら主導権を握る事なくアメリカ任せという有様です。

敢えて書きますが「こんな国防を真剣に考えていない国が、世界第三位の経済大国であり、無防備に転がっている」ことのほうがおかしいのですよ。

トランプからすれば「空母打撃群2つを動かしても、お釣りが来る」わけですね。北朝鮮の脅威を煽ってやれば、さらに日本は譲歩しやすくなると。

・・・・まぁヤクザのやり口ですわな(笑)本当に(笑)

 

しかし日本がさらされている脅威は北朝鮮だけでなく、当然ながら中国やロシアも脅威なのです。今回クローズアップされたのが北朝鮮だったというだけで、もしかしたら北朝鮮は出汁に使われた可能性もあるわけですね。

軍事における対米依存を少なくしなければなりません。そしてアメリカの「ヤクザなやり口、要するにマッドマンセオリー」と口八丁手八丁でも虚々実々でも良いので、やりあえる総理が必要です。

もしくは求心力がなくて、アメリカとの約束を実行できない総理でしょうか。(こっちのほうが現実的)

そしてそれはアメリカ・グローバリズム大好き!無駄な実行力だけ有る!安倍晋三総理!ではない、ということだけは断言しておきます。

 

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本日の男の料理 オクラとめかぶの和物

もうすぐ夏なので、ってまだ春か(笑)でも今からスタミナの付く栄養満点のレシピを1つ。

材料

  • オクラ
  • めかぶ
  • みょうが
  • ポン酢
  • 一味唐辛子

調理手順

  1. オクラは塩をふってこすってうぶ毛をとり、2分弱茹でます。お湯にも塩を少々入れて、色止めをしてくださいね。茹で上がったら冷水にさらして、ヘタを切って輪切りにカット。
  2. ボールにめかぶ、オクラをいれてポン酢少々、お好みで一味唐辛子(七味でもOK)を入れて混ぜ、千切りにしたみょうがをのせて出来上がり!

ポン酢の代わりに麺つゆでもOK。麺つゆが嫌な場合は、鰹出汁1、醤油1で和えます。

 

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