緊迫する北朝鮮情勢を読み解く3つのヒント | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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米中の首脳会談は何だったのか?

緊迫する北朝鮮情勢ですが、いくつかのニュースやヒントをもとに読み解いていきましょう。一つだけ言えるのは「リスクはかつて無く高まっているのは事実である」ということ、そしてそのリスクは2つあるということ。

1つは当然ながら「朝鮮半島有事というリスク」、もう1つは「アメリカの衰退によって、東アジア地域の覇権が将来的に変遷するリスク」です。

 

さて、米中首脳会談中にアメリカはシリア政府の空軍基地に59発のトマホークを撃ち込みました。59という数字には大した意味はなく、60発発射したうちの1発が不発弾だったそうです。

米中首脳会談中にこの攻撃が行われたことについて「中国に対するプレッシャー」「横っ面をビンタしたようなもの」「中国の面子を潰した」とする論評が多くありますが、私はちょっとどうか?と思わずにはいられません。

1つは2017年度中にトランプが訪中することが、この首脳会談によって約束されているということ。

面子を潰されたはずの中国が「何故このような約束を取り付ける必要が?」と思うのが自然かと思います。

 

もう1つはシリアの直接的な後見国はロシアであるということ。米露中の3カ国の関係はトリレンマの様な状態に陥っており、アメリカがロシアと接近することは中国はよく思わない、中国がロシアと接近することはアメリカがよく思わない、アメリカと中国が接近することはロシアがよく思わないという関係にあります。

その中でのシリア攻撃は中国にとっては「大した痛手ではない」可能性も否定できません。

 

米中首脳会談の詳細と分析は以下の記事が「世間一般とは違った評価」で詳しく報じています。

アメリカは北朝鮮をすぐには空爆しない~米中首脳会談から見えたこと(週刊現代)

中国にとっては、まさに「神風」が吹いたような米中首脳会談だった。ある北京の中国人に聞くと、喝采して言った。

「小事は智によって為し、大事は徳によって為すが、最大事は運によって為すという。まさに習近平主席が大運を持っていることが、またしても証明された。2年前の『トルコの再来』だよ」

「神風」とか「トルコの再来」とか、冒頭から不可思議な言葉を並べてしまったが、順に説明しよう。

まずトルコについてだが、2015年11月15日と16日に、トルコのアンタルヤで、G20(主要国・地域)サミットが開かれた。この時のG20は当初、いわば「中国非難大会」になることが予想されていた。中国の無様な経済失速によって、世界的な金融危機が起きるのではないか、中国は南シナ海を軍事要塞化し、「海賊国家」と化すのではないか……世界中が中国に対して疑心暗鬼になっていて、習近平主席は批判の矢面に立たされるはずだった。

ところが、開幕二日前の11月13日夜、パリで同時多発テロが発生し、死者130人、負傷者300人超という大惨事になった。そのことでG20は冒頭、テロの犠牲者への追悼で始まり、以後2日間、議題はテロ問題一色となった。それによって、中国批判は雲散霧消してしまったのである。

アメリカに2正面作戦は可能なのか?

ISISの殲滅に目的を置いて、シリアでは米露はこれまで協調的でしたが、今回のシリア政府へのアメリカの攻撃でこの協調は難しくなったと見るべきでしょう。

もっともアメリカの事前通告、ロシアの抑制的な批判を見ると「コントロールされた対立」にしか見えない面もあるのですが。

 

さて、アメリカが北朝鮮への軍事行動、軍事介入というオプションを取ることが可能なのかどうか?

2008年以降のオバマ政権で打ち出されたアメリカの戦略は「アジア重視戦略」「アジアピヴォット戦略」と呼ばれておりました。

これは単に「中東とアジアの2正面作戦をする能力が、もはやアメリカにはない」という見方が私は自然だと思います。

であればシリアに対してのリスクを抱えたアメリカが、進んで北朝鮮のリスクまで抱えたがるか?というと懐疑的にならざるを得ません。むしろ米中首脳会談中にシリア攻撃をした、ということは「当面北朝鮮に軍事介入や軍事行動はしない」との解釈も成り立ちます。

 

一方でアメリカ政府中枢はどうも人事で「孤立主義のオルタナライト(alt-right)」が排斥され、軍人出身の人事がメインストリームになっているという指摘もあります。

「軍事政権化」したトランプ政権(Newsweek)

こうした一連のホワイトハウス内の力学の変化は、トランプ政権の性格がバノンやその補佐役のスティーブ・ミラー(バノンとミラーが大統領就任式の演説原稿を執筆したと言われる)、そしてバノン同様、ブライトバートからホワイトハウス入りしたセバスチャン・ゴルカなどの「オルタナ右翼派」の影響力をそぎ落とし、マクマスター、マティス、ダンフォードなどの軍出身者の影響力が増大したことを意味する。特に、バノンがNSCの中核メンバーだったときは、国家情報長官のコーツと統合参謀本部議長のダンフォードはNSCから外されていたが、バノンの退任と入れ替わりにNSC中核メンバーに入ることとなった。

アメリカ世論はどう受け止めているのか?

日本では連日「朝鮮半島有事があるかもしれない!」と報道されておりますし、地理的に近いので「危機感を持った報道や論評」が大勢を占めているのは、むしろ健全でしょう。

できれば私も「朝鮮有事があるかもしれない!ヤバイぞ!安全保障を今からでも固める方向に舵を切れ!」と言いたいのですが、それよりももっと大きな「将来的リスクが高まっている」という面を強調しようと思っています。

南沙諸島の話にしても喉元すぎればなんとやら。2015年に「年内に南沙諸島から中国が撤退しなければ、アメリカは絶対に許さない!」というような言説は、もはや風化して「なかったこと」になり、誰ひとりとして今では語りませんし、あのことを持って「日本の安全保障を強化しよう」という流れにもなりません。

 

下手したら今回の朝鮮リスクも「喉元すぎればなんとやら」となりかねない。だから「より大きなリスクを提示しよう」と思うわけです。

そのリスクとは「もはやアメリカは中国と事を構えられない、将来的にはアジア地域の覇権は中国に移る」というものです。

 

そんな私の危惧をアメリカの世論が端的に表しているような気がします。

シリア情勢、北朝鮮情勢に対して米世論が冷静な理由(Newsweek)

シリアと北朝鮮をめぐる情勢は緊迫しているがアメリカ世論は至って冷静。シリア空爆以降、トランプ政権がこれ以上の軍事行動に出ることはない、という見方が広がっているため

(中略)

例えば、ティラーソン国務長官は「シリア空爆は北朝鮮へのメッセージだ」というようなことを「わざわざ説明して」います。そのようなメッセージ性というのは、言わなくても伝わるものであって、それを「わざわざ口に出して言う」ということ自体が、空爆という行動が国際社会に与えたインパクトが速やかに薄れつつあることの証明だとも言えます。

北朝鮮に関しても同様です。これは推測の域を出ませんが、フロリダにおける米中首脳会談では、北朝鮮に対する「現状の枠組みは維持」しながら、「これ以上の核開発をさせない」ように最大限の政治的圧力をかけることで、相当のレベルで米中が合意したように見えます。仮にそうであれば、空母打撃群の行動も抑止目的に限定されたものであり、アメリカの世論としては「すぐに危機が到来するものではない」という感触なのでしょう。

アメリカは2008年以前の「世界中に民主主義を輸出するのだ!自由のためにフセインを倒すのだ!」という理念主義、理想主義からかじを切り、現実主義もしくはディール外交と呼ばれる「淡々とした外交」を望んでいるように見えます。

というよりももはや理想主義的な外交をする力が「アメリカにはない」と、アメリカ世論自体が認識しているのかもしれません。

アメリカはその巨体を大きくゆっくりと旋回させている、と思わずにはいられません。

日本は安全保障のために経済成長を!

将来的に長期スパンで一番最悪のシナリオを提示してみましょう。

10年後に日本は相変わらず経済停滞が続きGDPは500兆円強、中国は2017年あたりで自国の経済構造の転換に苦しんでいたものの成功し、年に5%程度の成長を維持。

アメリカは相対的に世界に占めるGDP比率は更に低下して15%を切るほどになり、中国にGDPで追いつかれる寸前で日本を飛び越えて中国とディールをして、東アジア地域に関しての中国の覇権を認める。

日米同盟は依然として存在するものの、外交的に日本はアメリカと中国という2大国の言いなりになる。

 

これが「将来的に最悪のシナリオ」でしょう。米中の属国日本の誕生です。

では回避するためには?規制緩和だ、構造改革だなどの「バカバカしい経済停滞政策」を今すぐやめ、強力な財政出動による「国土への投資、基礎研究や技術への投資」を推し進め、日本の国力の回復を速やかに図らなければなりません。

 

もちろんながら防衛費をGDP比1%から2%に増加させるという政策もありえますが、経済成長しなければ防衛費の原資(GDP)も賄えないのです。2%の増加させたところで、経済成長をしなければ防衛費は固定的になるでしょう。

安保法制も憲法9条も所詮は「条文」「法律」の話であり、それらをいくら変えても「実行力」である防衛費および自衛隊の強化が出来なければ「空理空論」です。

 

首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」(NHK)

安倍総理大臣は、自民党の役員会で北朝鮮情勢について米中首脳会談を受けた中国の対応に注目していくとしたうえで、「いかなる事態になっても国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べました。

決意だけで守れたら誰も苦労はしませんよ。

私達日本国民が求めるのは「本当に安全、安心を担保してくれる国力と実行能力」であって、安倍総理の勇ましい「美辞麗句」ではありません。

 

安倍首相が「国のために死ねるか」の質問に「△」と答えた事が判明! それで国民には命を捨てさせるのか(LITERA)

じつは安倍首相は、あるテレビ番組で、その本音をポロリと出してしまったことがある。○×形式で質問に答えるコーナーで、「私はお国のためなら死ねる」という質問に、なんと「◯」ではなく「△」の札をあげていたのである。

 

絶賛移民政策をすすめる安倍総理、言ってることとやっていることが「あべこべ」なのは、今に始まったことじゃない。

森友学園では最初は絶賛しながら都合が悪くなると態度を一転、批判に回る。公務員を安倍夫人秘書につけたけれども、公務員のやったことは「公務ではない」

アベノミクス!と言いながら経済停滞政策、中間所得層破壊政策を行って日本を貧困化、TPPには断固反対と言っていたのが国会で批准と「正にあべこべ」です。

 

この総理が「いかなる事態になっても国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と仰っても、不安になるのは私だけでしょうか?

こんな総理は早々に加計学園問題、森友学園問題で、退陣していただいたほうが良いのでは?

 

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毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。

 

 

本日の男の料理 タンドリーチキン

タンドリーチキンって美味しいですよね。インド料理屋などに行きますと必ず私は注文します。

チキンテッカとタンドリーチキンって何が違うの?って話がありますが、あれは骨のあるなし、だそうです。

チキンテッカが骨なし、タンドリーチキンが骨ありというわけです。

チキンティッカ(インド人シェフのブログ)

骨があるものはタンドリーチキン、
骨のないものはチキンティッカと呼ばれます。

今日はすんごいシンプルなレシピで紹介します。多分、インド料理屋などのタンドリーチキンは、沢山のスパイス、特にクミンの風味が強いように思えますが、ないので入れません(笑)

材料

  • 鶏の手羽元(手羽先でも手羽中でもいいですよ)
  • ヨーグルト(60cc、大さじ4)
  • カレー粉(ガラムマサラでもOK)(大さじ1)
  • ケチャップ(大さじ1)
  • すりおろしニンニク(1かけ)
  • すりおろし生姜(にんにくと同量)
  • 塩・胡椒

調理手順

  1. ヨーグルト、カレー粉、ケチャップ、にんにく、生姜を混ぜ合わせてタレを作ります。
  2. 手羽元に塩胡椒し、1のタレをジプロックに入れて揉んで、1時間ほど冷蔵庫で置いておきます。
  3. グリルでじっくりと中火で焼きます。

ヨーグルトは当然ながらプレーンヨーグルトを使って下さい(笑)

加糖のヨーグルトは使わないように(笑)

 

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