8月の終わりから3週間ほど、日本に帰ってました。
日本の蒸し暑さは、尋常ではなかったですね。
湿度95%が常時続いた時は、もうどうなることかと思いました。
今後はこの時期は避けなければ、と改めて思います。

いつも日本に帰る時は昔ながらの友人・家族等と会うことに多くの時間を割いてきたのですが、今回は、沢山の多くの出会いがありました。その多くは大学関係者の方ですが、二つ講演なるものをさせて頂き、自分自身非常に勉強になりました。職員・教員問わず非常に熱心な方が多く、情熱を持って仕事に取り組んでいる方が多いことに非常に感銘を受けました。これはアメリカとの大きな違いかもしれません。

私にとっては、今回は日本の大学界の現状を知る上で非常に有意義でした。日本の大学を卒業したあと、すぐアメリカに来てしまったので、日本の大学の現状を知る機会というのは非常に限定されていたのですが、今回は様々な大学関係者の方とお話をさせていただく中で、現場の生々しい話を聞くことができ、本当に勉強になりました。

今回特に感じたのは、各大学におけるInstitutional Researchへの興味の高さでした。
一昔前のFaculty Developmentに似たものがあるかもしれません。
数年前ならあまり知られていなかったこの名前も、結構広くしられているようです。
ただ、言葉が一人歩きしている部分があるような気がする、とは今回お会いした幾人の人が言われてましたが、それには私も同感です。

一方で、IRの興味の高さと対称をなしていたのが、大学のデータ管理の現状でした。
今の状況では、多くの大学がIRをもってもあまりIRの持つリソースを有効活用しきれない大学がほとんどのような気がします。アメリカの場合は、とりあえずデータベースがすでにあるけど、ただそれを活用できる人がいない、というところからIRが近年発展してきたのですが、日本の場合は、そもそもそういったデータベースがない段階なので、日本でIRを本格始動させるには、データ管理構造の変化も同時平行で行わなければならなく、アメリカでいうIRとは違ったスキルが要求されていると思いました。

うちの州においては、日本で言ういわゆる運営交付金を政府から受け取る際、Funding Requestなるものをまず知事室に提出しなければなりません。そして知事室のスタッフと財務省のスタッフが協力して予算案を練り、議会に提出し、そして議会の承認を得て初めて来年度の予算額が決定されます。

そのリクエスト額を算出する際に、ほとんどの州がフォーミュラなるものを持っていて、その公式に基づいてリクエスト額を算出しています。うちの場合は、学生数、(日本で最近話題の)退学率、敷地面積等の変数を用いて算出します。大体リクエスト額の8割ー9割が実質振り当てられる額です。

なぜこんな話をするかというと、昨日職場の同僚とこのFunding Formulaに関して議論をしていて、その際に、リクエスト額に対する実質支給額の割合が、現行のフォーミュラになってアップしたということが話題になりました。

しかしそれは、分子である実質額が上がったからではなく、分母である要求額が下がったからなんですね。なーんだという風に思う人もいるかも知れませんが、これって結構重要です。昔は、砕けた言い方をしてしまえば、とにかくとりあえずなんでもかんでも要求しとけという感じでした。このいわば「もらえたらもうけもの」アプローチは、予算要求額の信憑性を著しく低下させます。

しかし、現行のフォーミュラはそういう非現実的な部分を排除し、実際に効果的な教育を行う上で必要とされる(と定義された)額を要求しているので、審査する側もよりまじめに受け取ってくれるという効果があります。また、議員からすれば、実質支給額の割合があがることによって、有権者に対するアピールにもなります(教育を擁護している、といった感じで)。またフォーミュラによって大幅な支出増はあまり望めないものの、これによって政府も大幅な支出減もしにくくなりました。

そんな話をしながらふと思ったのが、GDPの5%を要求してはねつけられた、日本の文部科学省の最近の話。それはそうだろうなと。やはり現実的なアプローチが政治の世界ではもっとも有効な手段なんですよね。

(まわりは)非常にゆっくりとした日が続いています。
しかし、こういう時期は自分にとっては非常な重要な時期であり、一番やりたいことにフォーカスできる最高の時期なわけであって、かなり生産的な日々が続いています。
一年中こんなんだったらいいのに(笑)。

ところで、どういう仕事をやっているのかと最近よく聞かれるのですが、非常にこれは答えに困る質問です。
一言でいえば、"Institutional Research(以下IR)"となるのですが、それは多くの人にとっては「???」とい職業で、それは日本人でもアメリカ人にとっても一緒で、まだまだ世間の認知度が低い職業だといえます。
恐らく今後も広く認識されるようになる職業とは思いませんが(笑)。

このIRなるものを説明する時に、自分が良く使う言葉が、組織内部にあるシンクタンク、という言葉ですが、果たしてそれも正しい表現なのかわかりません。実際には「シンクタンクのように機能することを目標としている」といった方が一番いいかもしれません。多くのIRがこのいわば理想と現実のギャップを埋めることができずにもがいているといえます。

今までの(限られた)経験を通して、IRが機能するために必要なことは以下のようなものになると思います。、

①組織内における政治力

②リポート作業をできるだけ単純化

③IT Departmentとのコミュニケーション能力、友好関係

自分が今まで見たり聞いたりする中で思うに、このどれかでつまづいているIRは、やはり伸び悩んでますよね。うちのDepartmentはそういう中では、いい位置にいると思いますが、しかし改善できるところはどんどん改善していかなければ、自分にとっては特に②と③が課題って思います。






ハリーポッターの作者J.K. Rowlingが、昨日行われたハーバード大学の卒業式でスピーチをしたのですが、回りまわって、僕のところまでやってきました。

タイトルは

The Fringe Benefits of Failure, and the Importance of Imagination
(訳:失敗によって得られるちょっとした利益と想像力の重要性)

スクリプトはこっち(英語)

http://www.news.harvard.edu/gazette/2008/06.05/99-rowlingspeech.html



卒業式のスピーチといえば、Appleの Steve Jobsが数年前に Stanfordで行ったものとかが有名ですが、このスピーチはそれと同じくらい良かったと思います。 ハリーポッターを読んでいないとわからないジョークもいくつかありましたが、冗談を飛ばしながら、かつ押さえるところは押さえている、非常にレベルの高いスピーチではないかと思います。

色々思うところはありますが、この人苦労したんだなっていうのと、やっぱりこういう人が言う一言は、同じ言葉であったとしても、重みが違うとということを実感します。


それとこれはなんとなくですが、British Englishというのは、格調が高いですよね。こういう詩的な言い回しをさりげなく言えるのは、アメリカ人にはなかなかできないような気がします。アメリカ人だったらもっとストレートにいうだろうなというところをイギリス英語は遠まわしにいうようなところ、そういうイギリス英語大好きです。


以下はちょっと個人的に感銘を受けたところ。

It is impossible to live without failing at something, unless you live so cautiously that you might as well not have lived at all – in which case, you fail by default.

(失敗をしない人生など不可能です。もし、失敗を絶対にしないように警戒しながら生きるなら、それは全く生きていないのと同じです。その場合、それはすでに失敗なのです。)

Life is difficult, and complicated, and beyond anyone's total control, and the humility to know that will enable you to survive its vicissitudes

(人生は難しく、複雑で、私達がコントロールできるものではありません。しかしその事実を謙虚に受け止めることによって、私達は人生の浮き沈みを乗り越えることができるのです。)


Part1

http://www.youtube.com/watch?v=L445BmUEXH4


Part2

http://www.youtube.com/watch?v=9kh_tSiqL1U&feature=related


Part3

http://www.youtube.com/watch?v=LqGotirF20w&feature=related



議会が終わって、まわりもかなり落ち着いた日々になっています。

唯一あわただしいとすれば、、知事室関係者で、今週から早期退職者公募が始まりました。

州の職員4万7千人のうち、1万人強の職員に、誘いをかけ、

7月中旬くらいまでに2000人を希望退職させるという目論見です。


うちの州は、知事に、最終的な人事権があるので、知事の一存によって、職員を解雇することができます。

すなわちこれが達成できなかったら、職員の強制的な解雇がまっています。


まあそれ以外は静かなもので、今年は選挙があるので、11月いっぱいまでは大きな動きもないので、

自分にとってはそれまでにどれだけいろいろなことができるかが勝負だといえます。


最近なんか色々プロジェクトに手を出しすぎているような気がします。

ちょっと、収拾がつかなくなる前に、しっかりと段取りを組まなければと反省する今日この頃。

この夏はじっくり仕事に取り組むことができる時期だけに、しっかりと一つずつ結果を残さなければいけないと、改めて気合を入れなおしました。


ところで、今日発見したこと。

SASでHLMってできるんですね。

Proc Mixedでいけるんじゃん、ってかなり大きな発見です、自分にとって。


そして最近は、SQL Serverのパワフルさにかなり感動しています。

昔は一生懸命、大きなファイルでもAccessで頑張っていたのですが、

SQL Serverによって仕事の効率が冗談じゃなく、100倍違います。


Accessのスピードの遅さに苛立っている人、そんな人にはSQL Serverを断然お勧めします。

というわけで終了した今年の議会ですが、結果として以下のようになりました。


①コミュニティカレッジは、当初の予算額より2%一律カット

②4年制大学は、当初の予算額より4%一律カット

③うちのDepartmentも予算4%カット


そしてLottery Schoralshipに関しては、


①3年生の終わりまでは平均GPA2.75以上で奨学金の資格を有する

②4年生以降は学期平均のGPAが3.0以上で奨学金の資格を有する


というのが今回の議会の主要な結果だと思います。


ただ、このLottery Scholrashipに関して、結構曖昧な点が残されています。例えば、「現在3年生でGPAが2.8の人はどうするのか」という問いに対して、議会は細かくルールを定めないまま散会してしまったので、その辺を詰める作業をこれからうちのDepartmentが行うことになります。


また、ルールをかえるということは、学生データベースの構造の大幅な変更を余儀なくされ、それがまた大きくうちのDepartmentに降りかかってきます。


議員っていうのは、法律を作ることのみに夢中で、それがどうやって実施されるかということにはあまり気が回らないんですよね。まあその方がいいのかもしれませんが・・・。



今日は議会の最終日。

といっても、もう延長戦に突入していますが。

議会も大急ぎで今日全てを終わらそうとしているのですが、

地元メディアの情報も人が足りないのか、、情報が錯綜していて、なんかわかったようなわかんないような、

結局なんなんだっていう情報が流れています。


今日の一番の目玉はLottery Scholarship。

この法案を通すまでは、来年の予算の決議をできないみたいで、今日は夜中まで審議が続くようです。

もう議員には一切手当てが出ないので、今日で断固終わらせると必死になっているとのことです。


僕の上司達は皆今日は今もなお議会に残っています。

僕はとっとと帰ってきてしまいましたが(笑)。


そもそも議会がてんやわんやの騒ぎになっている理由の一つとして、Lottery Scholarshipに関する法案が、上院で可決されたのと、下院で可決されたのと、内容が違うということが挙げられます。


うちの州では(連邦政府もそうですが)上院の法案と下院の法案が異なることが多々あり、そういう場合は、Conference Committteeという一般公開されない委員会に回され、そこで両方の案のすり合わせを行います。


そして、そのCommitteeによって修正された、Conference Committee Reportと呼ばれる法案が上院、下院に再び送付され、そこでまた採決を行います。つい先ほど、そのReportが下院を通過したという情報が流れてきました。しかし、その内容はメディアも把握していないみたいで、結局なにがどう変わったんだ?っていう感じです。


一番の争点は、奨学金授与の基準で、現在は1年生の間はGPA2.75以上、2年生以降は3.0を保てばほぼ全額の奨学金がもらえます。現状では、約50%が2年生になった時に奨学金を失い、3年生になるまでに7割が奨学金を失っています。


そんなわけで、GPAの条件を緩和しようということが、そもそもの議論のポイントで、下院は4年間2.75を保てばOKという案、上院は最初の2年間は2.75だけどもその後は3.0を保たなければならないという案がそれぞれ可決されました。(先週のブログで下院案が2.75で2年間とかきましたがここで訂正します)


それで今日の午前中の情報では、2.5年(2年と1セメスター)で折り合いをつける、という話でしたが、現在はどうなったのか定かではありません。


明日の朝までには確かな情報が出てくると思います。

ちょっと今日は、話題を変えて、自分の最近の仕事について。


いくつかのプロジェクトが同時進行しているのですが、そのうちの一つが、Time to Degreeに関するリサーチ。


Time to degreeとは、要するに卒業するまでの年数という意味です。


今までは、4年制大学ならば6年以内の卒業率、コミュニティカレッジならば3年以内の卒業率をアカウンタビリティの代表的なデータとして使用していたのですが、今後、このTime to degree データが重要性を増してくることになります。


卒業率というのは、簡単なようで実は複雑なデータです。


というのも、分母の定義が、Full-time, First-time Freshmen in Summer or Fall semester ということであり、その中でどれだけの学生が6年以内に卒業したかというのが卒業率の定義です。パートタイムの学生や、前にどこかで大学生であった経験のある学生などは、卒業率に含まれません。また、一旦ドロップアウトして、また戻ってきた学生なども卒業率に含まれないし、編入してきた学生なども含まれません。これは特に、様々な学生が集まるコミュニティカレッジで問題でした。


それでも卒業率の重要性は失われていませんが、卒業率を補完する形で、別の形で大学の実績を図るという意味で、このTime to Degreeというデータが今後使われることになります。確かにこのデータの方が、直感として、コミュニティカレッジの現状をより表しているような気がします。


連邦政府は、このデータを2010年度から集めるという予定で、現在は水面下で話が進んでいます。

まだTime to Degreeの定義も定かではない段階ですが、この夏から秋にかけて、話し合いがもたれるということです。


そんなわけで、うちの州でも、それに備えて準備を始めようというわけです。

今のうちから携わっておけば、連邦政府の打ち出しにすぐに対応できるだけではなく、早い段階でフィードバックも提供できます。備えあれば患いなしってやつですね。


ちょうど先ほど、下院の会期を来週の火曜日まで延長することが決まりました。

上院は明日また開かれる予定になっていますが、ひょっとしたら週末に議会を行う可能性があるかもしれないとのこと。


ところで、うちの州は、会期の期間というものが法律で定められているのですが、その期間を超えた場合、税金から手当てというのは一切でないんだそうです。まあ2000人の職員が辞めさせられるかもしれないって言う時に、会期延長分まで払ってられないですよね。


しかし、今週は、様々な法案が怒涛のごとくどんどん採決されていってます。大学関係で言えば、いつかのブログで述べたLottery Scholarship、この奨学金を受け続けるためには、一年目のGPAが2.75そして2年目以降が3.00を最低保たないといけなかったのですが、今日の下院の本会議で、2年の終わりまでGPAの最低基準を2.75にするという法案が可決されました。


ちなみにうちの州は、前も述べましたが宝くじの収入の余剰金が500億円あります。

このお金の使い道は、憲法によって、奨学金、そして初等中等教育のCapital Improvement等に使い道が限定されているため、税収の不足分を補うということはできません。


これによって、約15億円ほどコストが更にかかることになりますが、この奨学金の財源は税金ではなく、公営の宝くじの収入からなので、こんな大判振る舞いができるわけです。