ここまでうちの州の予算の話をしてきましたが、予算で苦しんでいるのはうちだけではありません。


例えばミネソタ州。財政難のため、小中高あわせて1000人の教員をリストラすることに。


ニュージャージー州では、3つの省を閉鎖し、3000人の公務員解雇。


フロリダ州、牢獄関係施設で働く2000人を解雇。


カリフォルニア州、教員、学校カウンセラー、図書館職員、看護婦など合わせて2万人解雇。


まだどれも確定ではないようですが、そういう方向で話が進んでいるとのこと。


アメリカの州は、ほとんどが支出が収入を上回ってはいけないという法律上の制限があるため、このようなドラスティックな方法をとるんですね。


そしてよくよくうちの知事のスピーチを読んでみると、職員2000人解雇というのは、今後の税収予測にもとづいているわけですが、その予測も、一番アグレッシブ(楽観的)な予測に基づいての数字であり、今後さらに悪くなるかもしれないという含みを持たせた発言をしています。


ちょっと俺やばいんじゃないかなと思い始めてきたこの頃です(涙)。

というわけで、昨日発表された修正予算案ですが、今日はそれに関する質疑応答が上・下院合同のFinance Committeeで行われました。委員会が行われた部屋は傍聴人であふれ、州の財務省のトップにあたる人が、約3時間ほど、議員から様々な質問攻めにあったわけですが、そのうちの質問の一つが、


「なぜ議会が閉会する週に修正予算を発表するのか」


要するにもっと早く出しとけよってことですが、たしかに、予算だけでなく、その他の採決を取らなければならない法案も山積している中で、今さら予算に対してそこまでいちゃもんはつけれません。もしそうならば、確実に議員達は更に滞在期間を伸ばさなければいけないわけですから。安い給料で(年収は約200万弱)、かつ一日100ドルちょっとしか手当てが出ない議院にはそれはちょっと痛いわけです。


その辺、予算を押し通してしまいたい知事側の思惑があったのではという趣旨の質問ですが、それに対する回答として、「直前まで今後の税収の見通しが見えなかった」ということで、それも理解できるわけです。うちの州は、所得税がなく、消費税に財源のほとんどをゆだねているため、税収の見通しがたてづらいんですね。


というわけで、今週は議会はmeeting三昧です。

ほぼ結果はもう見えていますが。

今日、午後5時に、知事の修正予算案が発表されました。

おそらくほぼこの案で議会を今週末にも通過すると予想されています。

そして、それでもって今年の1月から続いた議会も幕引きとなります。

今年は大統領選挙や、同じ日に、州議会の中間選挙も行われますので、

議員たちは各地で選挙活動をこれから展開することになります。


この修正予算案に関しては、大学に関しては、予想通りであり、おそらく特に修正されないまま議会を通過すると思われるので、それを見越して今後予算削減をどう各大学に割り当てるのかを、うちの職場が考えることになります。


ところで、今日のローカル新聞(インターネットの方)には、誰の給料をカットすべきかという見出しの元、なんと、州の公務員約4万人の全員の名前、職場、給料が全て掲載されているのには参りました。しかもご丁寧に検索機能までついていて、名前や部署で検索できるようになっていました。


これで自分の職場の人などの全ての給料がわかってしまうわけで、確かに、政府に関する情報は給料とかも全て公開というのは理解していましたが、実際に公開されると、ちょっとぶっちゃけきついです。ためしに自分の情報も出ているのかと思ってみてみたら、僕は去年の途中から働き始めたので、幸い公開されていませんでしたが、来年は公開の対象になるかと思うと気が重いです(涙)。


まあでも、税金で自分は暮らしているので、しょうがないですよね。

たしかに、納税者は自分たちの税金がどう使われているのかを知る権利というのはあるわけですから。

日本もこれくらい情報公開徹底すべきですよね。


ということで、なんか辞めるに辞められなくなってきたこのシリーズですが、

来年の予算とは別の場所で、もう一つの話が進んでいます。

それは、奨学金制度について。


いつか前にこのブログでもありましたが、うちの州は(どこもそうですが)、税金だけが収入源ではありません。

宝くじで得た収入を、奨学金の財源に充てています。

いわゆるLottery Schoalrshipといわれる奨学金ですが、こっちの財源は年々増えていく一方で、現在はなんと500億円ほどの余剰金があります。


それならそれを一般財源に回せばいい出ないかという話ですが、州の憲法でLottery の財源は奨学金意外には使えないと明記されているので、それを変更とするならば州民投票が必要になり、現時点では可能な選択肢ではありません。


今週、州の上院、下院両方の委員会で、このLottery Scholarshipに関する法案が通過しました。この後本会議を経て、両方の院の案の調整が行わなければならないのですが、この両方の法案に共通している内容は、この500億円を運用して、そこから得た利子による利益を、新たに奨学金に回すという制度。そしてこの奨学金は、基本的に貧しい家庭出身の学生に与えられます。


ちなみにこれはうちの部署がかなり押した制度。

来週あたり議会を通過して、知事の承認を受けると思います。


ということで、来週は今年の議会もおそらく最終回。

様々な動きがある週になること必至です。

なんかシリーズ化してきました、うちの州の話。

ちなみにブログの横の方に、コロラド州在住と書いていますが、それは前の話であって今は違います。

プロフィールの変え方がなんか変わってしまって、いまいち変え方がわからないんですね。


ともあれ、今日はさらに細かい予算の話が流れてきて、来年度の高等教育に対する支出を約60億円ほど削減ということがほぼ決まりだそうです。これは州全体の高等教育に対する支出の約5%に当たります。


それでは削減の分はどうするのかというと、一般的には学費を上げてカバーするのですが、今年は業界内の約束として学費を10%以上上げないという暗黙の約束があり、それ以上あげることはできません。うちの州では4年制の大学は、税収に対する依存率は5割を切っているので、10%以上学費を上げなくても(今年はまだ)大丈夫ですが、税に対する依存率が高いコミュニティカレッジは、ちょっと厳しいラインかもしれません。詳しくは来週の月曜日に、知事が修正予算案を発表するので、その時によりわかると思います。


ところで、今日、自分が先日あるカンファレンスに出したProposalが通ったのですが、このBuddget Cutの影響で、参加できるかわからないと上司から言われました(涙)。


他の州は来年度、高等教育に対して支出を増やしているところだってあるのに、うちの州、お金なさすぎです。


今後の州の予算がどうなるか読めない展開ですが、今日知事が新たな声明を発表し、早期退職優遇政策なるものをうちだしました。目標としては公務員約2000人をこの政策によって退職させ、予算をうかせるという作戦です。試算では、これによって約70億円ほどコストを削減できるとのこと。そうすれば、人員削減は行わなくていいらしいです。


しかし、約500億円を州全体として削減しなければならないので、公務員の人件費だけでなく、他の分野でも当然予算の削減が行われるわけですが、その対象の一番手にあがるのは、なんといっても高等教育なんですね。


そんなら、まず知事の給料削減しろよ、っていいたかったのですが、よく考えたら、うちの知事は超大金持ちなので、給料一切もらってないんです。だから何も言えず(涙)。





なんか無性にブログを更新したくなる時ってあります。

今がそんな時期なのでしょうか。


最近のうちの州の話題といえば、もっぱら来年度の予算がどうなるかという話。

最近のアメリカ経済の停滞のあおりをもろに受け、税収が予測よりも現時点で数百億円下回り、年始に発表された知事の予算案の大幅な見直しが行われています。


その中で一番打撃をくらうと思われるのが我らが公務員たち。

当初は、全員2%給料アップと言っていたのはすでに遠い昔の話で、給料アップどころか、先日知事は初等中等教育以外の公務員の人員削減を行うという声明を出しました。


うちのDepartmentはどうやら大丈夫なようですが、給料は当然あがらず、採用も凍結。

先日は、Finance Departmentから通達があり、今後全ての職務に関わる出張に関しては、事前にFinance Departmentの許可を得なければならないということになりました。

今までは、Departmentのトップの許可があればOKだったのですが、これでまた一番と出張には行きづらくなります。基本的に、もうこれで州の外へ行くことはよほどのことがない限り不可能です。夏は色々といい学会とかがあるので様々計画していたのですが、これで全てご破算に(涙)。


まあ首にならだけないだけ感謝ですね。

高等教育が労働市場のニーズにどれだけこたえているかということは、常に政治家や官僚ら政策立案者にとっての懸案事項でした。常に変化する経済に対して、はたして高等教育がどこまで対応しているのかどうかということは、しばしば政治家の間で議論をされてきた議題であり、メディアの中でも高い関心を集めてきました。

しかし、それほど高い関心を集める分野であるにもかかわらず、労働市場の需要と供給のバランスを明らかにしたデータというのは実は存在していません。その理由としては、労働市場というのは様々な要因が絡み合っている市場であり、その複雑な現実をそもそも需要と供給といった2つの変数で説明しようとすること自体に無理があるからといえます。

しかしそんな中、画期的なウェブサイトが立ち上げられました。Georgia State Universityの研究者達が立ち上げたサイトで、その名もOccupational Supply Demand System (OSDS)。このウェブサイトは、職種別の需要に対して、アメリカ50州の各大学がどれだけの卒業生を輩出しているかというデータを提供しています。

http://www.occsupplydemand.org/

このウェブサイトの一番の貢献は、業界用語を使いますが、何百とある大学の学部のコード(Classification of Instructional Program - CIP Code)と千を越える職種別コード(Standard Occupation Code - SOC Code)の橋渡しを行ったことといえます。これによって、供給(大学)と需要(雇用主)を組み合わせることが可能になりました。また、需要の側からも供給の側からも分析ができるというのがかなりあついです。

ただ、この需要供給モデルは、いくつかの前提に基づいているので、データの正確度には多少疑問符がつくことも否定できない事実です。しかし、こういったものを実際に使う側の自分としては、それで十分、よくぞやってここまでやってくれた、と喝采を送りたいです。

これは最近思い始めたことなのですが、

アメリカにおいて高等教育に関わる人は単純に二つに分けられるような気がします。

一つは意思決定に関わる人、もう一つは関わらない人。

はっきり言って、この差は給料に如実に現れてきます。

そういう意味で給料を見れば、その人の組織内での政治力・発言力が読み取れます。

このいわゆる組織内の給与格差が、批判を呼んでいるのも事実ですが、

しかし個人的にはこれは当然の報酬のような気がします。


言うは易し、行うは難し、という言葉があります。

この給与体系はまさにこの格言を反映させています。


全員が評論家といわれる時代、問題をつつくのは、はっきり言ってそこまで難しいことではないです。

しかし、問題を明らかにし、対策を練り、解決する人、これができる人は本当に限られています。

その希少価値ゆえに、報酬が高くなるというのは、当然の結果といえます。

例えば意思決定に関わる人と問題をつつく評論家、両方から話を聞いたとして、興味深い話をするのは当然前者でしょう。


しかし、最近はなぜか後者の評論家・ジャーナリストの方がもてはやされる傾向が多いです。

理由は簡単、前者の方が、センセーショナルな内容の話をするから。

そりゃそうですよね、言いっぱなしでいいんですから。

別に自分が問題を解決するわけでもないし。

現実を無視した極論だって言ってもいいわけです。

結構わかりやすい話もしますし。


その一方で、一流の評論家・ジャーナリストというのはいるわけで、その人たちはその理想と現実のバランスを非常にうまく取っています。問題点を指摘しつつも、しかし現実的な解決方法も提示する。問題を指摘しつつ、それを自分だったらどうやって解決するかという角度で考えている文章というのは非常に読み応えがあります。今の世の中が求めているのはそういうジャーナリストであり、そして問題をつつく人ではなく、解決する人なのだろうな、とふと思いました。


自分の過去のブログを眺めながら、恥ずかしさがこみ上げてきました。(笑)

先日午後、Northern Illinois Universityの授業中に、男が乱入、銃乱射殺人事件がおきました。

犯人はもとこの大学に通っていた大学院生、現在はUniversity of Illinois at Urbana-Champaignの学生とのこと。


またか・・・・というのが正直な感想です。

普通に大学に来て、突然命を奪われた人たちのことを思うと、正直言葉が見つかりません。

どこで起こるか予想もできないが故に、常に不安と隣りあわせで勉強しなければならない社会、

何かがおかしいです、この国は。


1999年に起こったコロラド・コロンバイン高校での銃乱射事件の時は、それ以来、学校の警備が強化され、警察が常駐、学校にセキュリティゲートが設置されるなどの処置がとられるようになりましたが、大学では小さな規模の大学ならまだしも、NIUのような巨大なキャンパスでは、正直そういったセキュリティシステムを置くことは不可能です。


折りしも先週8日、連邦議会下院でHigher Education Act (下院案) が通過しましたが、その中でキャンパスセキュリティに関する内容もありますが、その中で触れられているのは、非常事態の際の2次災害対策に関することであり、そもそもの事件をどう防ぐのか、ということには踏み込んでいません。


http://edlabor.house.gov/micro/coaa.shtml#8


しかしおそらく今後は、さらに踏み込んだ大学セキュリティに関する法案が連邦・州議会で数多く提出されることになると思いますが、大学だけで解決できる問題でもない故に、果たしてどういう解決策があるのか、自分にはわかりません。


しかし、アメリカというのは、こういう危機に直面した時、現実を考慮した上でかなり大胆な手を打つことができてしまう国というのも、今まで見てきて思うことです。


今後はキャンパスのセキュリティを一層強化するという方向に議論は向かうと予想されます。大学自治とかという話もありますが、大学自体が学生の安全を保証できないなら、政府は当然介入してくるでしょう。実際そうすべきだと個人的には思います。