井上拓真選手、王座返り咲きおめでとうございます!
2025年11月24日、「井上拓真vs那須川天心」によるWBC世界バンタム級王座決定戦が行われ、拓真選手が天心選手を3-0の判定で破り、王座返り咲きを果たしました。
おめでとうございます!
2ヵ月前に私が書きました「井上拓真 vs 那須川天心」という記事でも申しましたように、私は井上拓真選手を応援しておりました。
ですので、率直に今回の拓真選手の勝利はとても嬉しいと感じております![]()
判定の採点内容は、ジャッジ2名が116-112、ジャッジ1名が117-111となっており、数字が示す通り拓真選手の圧勝となっております。
仮に天心選手が拓真選手からダウンを1回取ったとしてもポイント差がひっくり返ることはないので(ダウンは2ポイントのマイナス)、僅差判定ですらない完勝といえるでしょう。
なお、試合前の世間での勝敗予想は「天心選手の勝利」が多数となっておりました。
海外オッズは天心選手が1.25倍、拓真選手が3.75倍となっており、SNS上でも天心選手の勝利を予想する人が70%ほどでしたね。
また、プロ・元プロの世界王者達の予想でも、天心選手の勝利を口にする方が多かったです。
天心選手の勝利の具体的な予想内容としては、「拓真選手は天心選手のスピードについていけず、判定で敗れる」というものが大多数となっていました。
天心選手はスピードが持ち味の選手ですからね。
しかし……
ところがどっこい、実際に試合が始まってみれば、拓真選手はわずか2Rで天心選手のスピードを見切り、3R以降は素早い踏み込みで天心選手の懐に入れるようになりました。そして近距離からのショート攻撃の連打でポイントを奪っていき、勝利をもぎ取ることになったのです。このあたりはさすが世界戦を六度も経験してるだけのことはありますね。
ただ、それでも1~2Rは天心選手の左と右をそれぞれ1発ずつ被弾するなどしていましたので、試合開始直後は間違いなく天心選手の優位となっていたのは間違いないでしょう。
【拓真選手と天心選手の勝敗を分けた要因は何か?】
シンプルに、ボクシング技術において拓真選手のほうが勝っていたのは言うまでもないのですが、それ以上に、この試合にかける意気込みに差があったように見受けられました(少なくとも私はそう感じました)。
拓真選手は幼稚園の頃からボクシングを始めており、そのボクシング歴はなんと25年となっております。
対する天心選手は格闘技歴こそ長いものの、ボクシングに転向してからはまだ3年目となっています。
拓真選手としては、キックボクシングから転向してきたキャリア3年の選手に、ボクシング歴25年の自分が負けるなんてことはあってはならないという強い気持ちがありました。これは試合前の選手密着映像において、拓真選手ご本人が口にされていました。
試合に敗れた天心選手についてですが…
2ヵ月前に私が書いた「井上拓真 vs 那須川天心」という記事でも触れましたが、天心選手は過度なパフォーマンスをするクセがあるんですよね。
ザックリ言うと、「カッコつけるクセ」のことです。
私が天心選手を応援する気になれなかった最大の理由が、ここにあります![]()
実際、今回の王座決定戦においても、天心選手のそのクセはいくつか見受けられました。
たとえば1R目、たった1発、左を拓真選手にクリーンヒットさせたことで天心選手は有頂天になり、ゴングが鳴った後にジャンプしながら腕をクルクル回すというパフォーマンスをおこないました。ルール違反ではありませんが、この天心選手の行為は私のみならず、数多くの観戦者・視聴者の反感を買う形となりました。
また、2R目には武芸のように身体をユラユラとくねらせるという挑発行為もおこないました。
ルール違反ではない。
反則でもない。
でも、決して観ていて気持ちのいいものではありませんよね![]()
しかし、そういった天心選手の余裕も、試合中盤に入る頃には完全に無くなることになります。
天心選手のスピードに慣れてきた拓真選手に懐を取られるという場面が多くなり、次第に状況は天心選手の劣勢となっていきます。
そしてその劣勢は最終的には敗戦という形になり、天心選手に格闘技人生初の黒星をもたらすことになったのでした(メイウェザー選手に敗れたのはエキシビションなので公式戦扱いにはなりません)。
今回の試合において、天心選手にわずかながらでも慢心があったのは否めない事実でしょう。
ボクシング技術、試合にかける意気込み、メンタル、全てにおいて天心選手の完敗といえます。
また、試合後、勝敗判定が終わったにもかかわらずリング上に残り、土下座というパフォーマンスをしたのも褒められた行為ではありません。
ボクシングにおいて、勝敗判定が決定した場合、敗者は速やかに会場を去って勝者にリングを明け渡すのが暗黙のルールとなっております(健闘を称え合ったり、相手セコンドに挨拶をしたりするのは勝敗判定の前におこないます)。
これは他の試合でも一貫して守られている事であり、世界戦でもノンタイトル戦でも同様です。実際、同日のセミファイナルで敗れた中野幹士選手も、判定で敗戦が確定したあとは一直線にリングをあとにしていました。本来はこれが敗者の正しい在り方となります。
【今回、特別に用意されたサムライベルトについて】
今回、通常のWBC世界王者のベルトに加えて、特別にサムライベルトというものが用意されました。
このサムライベルトのデザインがとてもカッコ良いんですよね。
このベルトが井上拓真選手の手に渡ったことが、本当に嬉しいです![]()
ボクシングと真摯に向き合い、切磋琢磨し、決して驕らず慢心せず、常に自身に厳しく在り続ける。そんなサムライ精神に溢れる拓真選手にこそ相応しいベルトいえるのではないでしょうか。
【最後に】
今回、井上拓真選手の王座返り咲きを祝福する言葉とともに、那須川天心選手を批判するような内容も書きました。
ただ、立ち振る舞いに難があるとはいっても、天心選手に優れた才能があることも間違いないといえます。
キックボクシングで無敗というレコードは決して偶然で成せるようなものではありませんし、ボクシングへの転向後わずか8戦目で世界戦まで到達したというのも才能と努力があってのことだと思われます。
彼の場合、承認欲求が強すぎるのがネックなんですよね。
本当にそこだけが残念だと感じます。
天心選手の初黒星は、無敗記録が途絶えただけではなく、世界王者になって武居由樹選手の挑戦を受けるという計画が消滅したことも意味しています。
もともとは来年5月に東京ドームで予定されている「井上尚弥vs中谷潤人」のセミファイナルとして、「那須川天心vs武居由樹」の世界二団体統一戦が組まれるという算段でした。
ただ、皮肉なことに、天心選手も武居選手も現時点で世界王者ではないので、この計画はどうあっても来年の5月までに実現することはないでしょう。残念です。
そして今後の井上拓真選手の動向にも注目です!
噂によりますと、
【井岡一翔選手との防衛戦】
【堤聖也選手との世界二団体統一戦】
この二つのどちらかが濃厚とされています。
どちらも魅力的なカードではありますが、個人的には後者の堤選手とのリベンジマッチが観たいかなと思っております![]()
それこそ、拓真選手と堤選手の世界二団体統一戦を来年の東京ドーム決戦のセミファイナルにもってこれないものでしょうかね?
もっとも、その前に堤選手はドネア選手という強敵を退けなければならないわけですが…![]()
堤選手、頑張れ!!
最後に、あらためて井上拓真選手の王座返り咲きを祝福したいと思います。
おめでとうございます!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
では、また!











