私ぱんだも電車で旅に出るたびに金沢駅でおいしい駅弁を買って楽しんでいる。特に多く利用するのが美味なる押し寿司を提供されている芝寿しさんだ。
たくさん食べたなあ。いつもお世話になっております。
写真を見て笹を取ってから撮ればよかったとひたすら後悔。これでは中身がわからぬ(´Д` )。でも笹を取るとべとべとになるから仕方がない。
こちらは「金澤笹寿しPremium」だ。
鯖・鮭・鯛のスタンダードな笹寿しはこれまでに何度も食べているが、今回は奮発して「プレミアム」と名付けられた笹寿しを買ってみた。
パッケージには「伝統を超える極上の逸品」と書かれている。期待も大いに膨らむというものだ。武者震いがするぜ!
ちなみに金沢では、古くから各家庭で特別な日には「ご馳走の押し寿司」として笹寿しが振る舞われていた。
「ハレの日」のご馳走を駅弁として食べることができるとは、身に余る光栄である。
具は「天然紅鮭」「国産真鯛」「国産穴子」の三つだ。お米は契約栽培の石川県産コシヒカリが使われている。
笹を取ったところは撮影しなかったのだが、文字だけだとわかりにくいと思う。そこで、説明書の写真をお借りして掲載する。
まずは「天然紅鮭」。
こちらはカナダ産の選び抜かれた最高品質の紅鮭を使用している。
この紅鮭は産卵のために1400Kmもの雄大な川を遡上するため、その身にはたっぷりと脂が蓄えられており、最高の評価を受けているという。
上質な脂の甘みと旨味が押し寿司にされることによってぐっと凝縮されている。うまい。ビールがぐびぐび進む。
次は「国産真鯛」。
瀬戸内海の潮通しの良さが作り上げる抜群の透明度と栄養豊富な漁場で育て上げられた極上の真鯛。その新鮮な真鯛を昆布で締め、さらに旨味を引き出した品である。
一口食べて驚愕!豊かで上質な旨味が口いっぱいに広がる。真鯛は淡白なイメージがあるのだが、この真鯛の笹寿しは真鯛の旨味を極限まで引き出している。感動するおいしさ。
最後は「国産穴子」。
新鮮でふっくらとした肉質の良い煮穴子をさらに蒸して炙ることで、香ばしさを引き出している。
そのコクがありながらも口の中でふわりととろける特上穴子に秘伝のタレを一塗りしているのだ。
口に入れればふっくらとした肉が甘みを残しながらとろけていく。噛めばその香ばしさとコクが口に広がる。タレもおいしい。
この金沢百万石ビールには、コシヒカリエール・ペールエール・ダークエールの三種類がある。
この中ではコーヒーのような香ばしさと深いコクがあるダークエールが好きでよく呑むのだが、今回は笹寿しに合わせるため、コシヒカリエールとペールエールをチョイスした。
コシヒカリエールはコシヒカリの旨味が酸味とともに駆け抜ける爽やかな味わい。ペールエールは苦味とコクがしっかりとしていて骨太な味わいであった。
どちらも笹寿しと実によく合うこと!見事なマリアージュ!幸せ。思わずにっこにこになった。
金沢の味と文化を少しずつ、しかしたっぷりと楽しんでもらうことを目的として作られた従来の半分サイズの笹寿しだ。
前述のように、従来のスタンダードな笹寿しは鯖・鮭・鯛の三種類であったが、こちらの小笹はネタも増え、金時草や生麩など魚介以外のものも加えられている。色々な種類の笹寿しが楽しめるのが嬉しい。
「紅鮭」。
天然ならではの、上質な旨みが口に広がるように、選び抜かれた最高品質の紅鮭が使用されている。
凝縮された鮭の旨みを笹の香りとともにさっぱりといただく。うまい。
「のどぐろ」。
金沢のおいしいお魚の代表格のどぐろ。この高級なお魚を笹寿しにした贅沢な品だ。
炙りにして香ばしさも楽しめるようにしてあり、隠れたアクセントとして柚子わさびが使われている。
濃厚な脂の甘みが香ばしさをともなって口いっぱいに広がる。押し寿司なのに口の中でとろけるのだから驚きだ。広がった脂の甘みを最後は柚子わさびがきりりと締める。日本酒に合いそうだ。
「加賀野菜 金時草」。
葉の裏側が鮮やかな金時色(赤紫色)をしていることから「金時草」と呼ばれている。
金沢では昔から和え物やお浸しなどにして食べられ、親しまれてきた野菜である。加賀野菜の一つに数えられている。
こちらの金時草の笹寿しは、なんとごはんを金時草の茹で汁で焚いており、ほんのり紫色をしている。また、金時草の他に同じ加賀野菜の蓮根も使用し、人参の漬物もあしらっている。石川の野菜を堪能できる笹寿しだ。
金時草のねっとりネバネバな食感を蓮根と人参の漬物がさっぱりと引き締めている。酸味ある爽やかな一品。
「真鯛」。
栄養豊富な漁場で育て上げた極上の真鯛を使用し、その上質な真鯛を昆布締めにしてさらに旨みを引き出した一品。
淡白な味わいの真鯛から極限まで旨味を引き出し、凝縮させている。
「甘えび」。
北陸福井県産甘海老を使用し、素材の味を活かしてシンプルに仕上げられている。
ねっとりとした甘海老は、押し寿司になることでやや硬質な感じになっている。その分やはり風味は凝縮されている。甘みはやや控えめで、あっさりとしている。
「生麩巻き寿し」。
写真がなくて申し訳ないが、見た目はかんぴょう巻きのようである。
こちらは生粟麩を揚げて甘辛く煮込み、味を染み込ませた一品。
甘辛く味の染みた生麩はごはんによく合い、味わい深い。
従来の笹寿しは一個一個比較的ボリュームがあったが、小笹は小さいので食べやすく、女性にもいいのではないかと思う。
笹寿しになって旨味が凝縮した金沢の味覚の数々を堪能できる一品だ。
ちなみに、電車内で笹寿しを食べているときのぱんだの個人的あるある。
ぱんだ「よし!笹寿し食べよ」
ぱんだ「・・(もっしゃもっしゃ)・・」
ぱんだ「うまい!でも手がべとべとになってしまった(^◇^;)」
車掌「ただいまより切符の拝見を致します」
ぱんだ「(´Д` )」
いっつもこれ!
いっっっつもこれ!
なんてジャストなタイミング!
笹を剥いた瞬間に来る車掌さん。
そしてべたべたな手でこなす切符拝見。
ちくしょう、切符が生臭いぜ!
まあそれはともかく、「金澤笹寿しPremium」は贅沢な旅の演出に、「金沢笹寿し小笹」は金沢の様々な味覚を少しずつ味見するのに適しているのではないかと思う。金沢駅のおすすめ駅弁である。
おいしい笹寿しとビールで今回も幸せな旅路であった。ごちそうさまでした。