不動産屋のひとりごと -155ページ目

地鎮祭

 マンション事業を主に事業としている当社は、春は、工事の着工も多く、連日地鎮祭、安全祈願祭が続きます。こんなときばかり神頼みも変ですが、神主さんにお払いしてもらいます。最近、簡素化することが多いので現地で天幕を張って、五穀を奉献して、桑と鋤等で地鎮祭と言うのは減っていますが、現地でやるにしろ、神社でやるにしろ趣旨は同じです。今は、主に工事の無災害と順調な工事進行を祈願する安全祈願祭の形を取る事が多いです。

 信仰というより儀式ですので重々しい物言い、装いの神主さんが神の降臨を願い、祝詞を上げ、玉串を奉奠します。二礼二拍手一礼の手順で神に祈りをささげます。

 神がかり的なことを言うようで嫌ですが、土地には、神霊、虫、ミミズ、微生物、草木にいた様々なものが存在しており、それらに迷惑をかけることを詫び、清め、工事中の安全とそこにたつ建物の安全、発展を祈願する儀式を行うのです。父祖伝来の土地を独占して使用し、建物を建てるとはそういうことだそうです。

 儀式の厳かさの中で身が引きしまり、荘厳な気持ちになります。土地は、再生産できないもので且つ一度建物を建てると暫くの間はその建物が存在し続けます。             

 我々は、マンション事業を行うものとして、気を引き締め、他のものを排除し土地を利用する事に対して責任感を持ち、この土地の持つポテンシャルを最高に引き出せるよう、また、そこを利用する人たちに喜ばれるよう自覚して事業を行わなければならないと痛感致します。

 地鎮祭、安全祈願祭という貴重な機会を経験する事で自己をその都度反省し初心に立ち返って業務に邁進することを心がけていきたいと思います。


 

専門用語

 先日、ある肉屋さんにステーキ用の肉を買いに行きました。応対してくれた店員さんは、肉に対して専門家ではない私達にあれこれ専門的なことを聞きます。プロにとってはいつも使う当たり前の言葉かもしれませんが、私たちには全然分かりません。何とか分かる事の中で理解して購入しましたが、このような経験が日常多く見受けられませんか?その肉屋は肉はすごくいいものを扱っているのですが、サービスと言う点では・・・・。

 他にも携帯電話のサービスセンター、パソコン関係、NTTの案内 あなたは毎日関わっている事だから分かるのは当たり前だけど、素人には分からないよと言う事ばかりな気がします。

 ハウスメーカー、建設関係の人達にも多い気がします。同業の人達とばかり話しているからかもしれませんし、職人とはそういうものだと開き直っているのかも知れませんが。へんな言い方をすると素人のお客である自分に自分の知らない言葉を並べて優越感に浸っているのではないかと思います。

 不動産を専業とする当社でもそのようなことがあるのではと自戒の念を強めます。プロは自分の専門に関して誰よりもよく理解してそれを業としているはずです。プロである事は「誰よりもその専門のことを知っていてどのような人を相手にしても誰にでも分かりやすく噛み砕いて説明できる人」であるべきです。しっかり分かっているのなら自分の言葉で分かりやすく説明できるはずです。専門家同士で専門用語を使って仕事をするのがプロではないはずです。「小さな子供にでも自分のやっている仕事の内容を説明できる」これがプロとして必要な能力です。

 学生時代の恩師(研究会の担当教授)の根岸 毅先生に嫌と言うほど叩き込まれた事が今になって思い起こされます。

「カタカナで一般的になっている言葉もそのまま使うな。」

「内容を理解したならそれを自分の言葉で説明できるようにしろ。」

「言葉の置き換えで満足するな。」

「専門用語を使う事はプロとして恥ずかしい事。プロは誰でも分かる言葉を使ってもプロでいられるはず。難しい言葉を使わなければ権威を保てないのは偽者だ。」

 何よりも言われたのは誰よりも理解しているのであれば誰よりも簡単な言葉で誰よりもわかりやすく説明できるはずと言う事でした。

 不動産のプロとして、賃貸マンションのプロとして誰よりも分かりやすく説明できるプロを目指したいと思います。難しい不動産の仕組みも言葉も分かりやすくするエスクローリアルエステート㈱であることが当社の使命です。

住宅を変動費に

 「家を持つこと」は皆が持つ共通の夢だと思います。自分も長らく分譲マンションの仕事をしてきて、疑うことなくそういうものだと考えてきました。しかし、私はどちらかと言うとあまり持ち家思考は無く、できれば色々な所に住みたいと考える方でした。最近は引越が面倒なので同じところに住んで居たいですが。

 賃貸マンションを造る仕事をするようになって持ち家と貸し家についてを真剣に考えるようになりました。これだけ世の中が「所有から使用」の時代なのになぜ家を買うのか?所得(給与)が成功報酬型になり、雇用形態が変化する中でなぜ住宅コストを固定費にするんだろうか?賃貸に住んでいれば、所得が多いときには、広くて家賃の高い家に、収入が減れば駅から遠いところか、狭いところか家賃の安いところにと変動費にできるのに。

 分譲マンションと比較すると長く住みたいと思える家が無いからだと言う結論に達します。ファミリー向けの賃貸マンションはもともと少ないし、狭いし、がさいし、何でこんなに分譲マンションと賃貸マンションは違うんだろう。分譲屋の常識では普通のことが普通ではない。お客さんも賃貸だから安ければいいと言う考え方が強い。

 その人の状況に応じてその人に合ったものを選べる。長く住みたいと思える。ずっと賃貸マンションで暮らしたい。そのように思ってもらえる賃貸マンションを供給する事。それが当社の使命なのだと考えています。

 世の中に無いものが世に出てそれがカルチャーになる。それがみんなの当たり前になる。住宅コストは変動費に。纏まったお金を手にして現金で買えるようになったらとびっきり立地が良く、かっこよくて住みやすい、高額の分譲マンションを買う。そういう時代が来るものと思います。

 もともと「マンション」て最上級のペントハウスみたいな限られた大金持ちが住む家のことを言うのですから。

コンサドーレ

 4月28日 久しぶりに札幌ドームにコンサドーレの試合を観戦した。何とか勝ってくれてホッとしました。ここ数年、ホームゲームは予定のつくものすべて観戦している。個人的には、砂川選手のフアンであるが、コンサユースからの石井、藤田選手の活躍を期待している。今年は、三浦監督の采配もあり、守備が充実し安心してみていられるが、得点力不足は相変わらずでストレスの溜まる試合が多い。その中で少ないチャンスをものにしてよく勝っていると思う。

 今年J1に上がれないと札幌市からの補助金も無くなる可能性があるらしく、プレッシャーがかかっている面もあるものと思う。もともと、コンサドーレはトップチームよりも下部組織の育成に力を入れていて、ユースまでは全国制覇したり、順調にチーム作りができているようだ。経営上の資金不足に陥れば間違いなく、育成費用のカットがなされ、小学生からの下部組織のチーム、指導のためのコストをカットする事が予想される。折角ここまで良い形ができてきているのにすごく寂しい。

 プロ野球、J2ではあるがプロサッカー(バスケットもありますが)がある札幌は、とても魅力的だ。子供たちにとって身近に具体的にトップのものを見て目標にできるのは最高の環境である。

 否応無く現在は、都市競争の時代である。日本を見ても日本のどこにと言う時代になっている。

札幌は、人口で日本で第6位間違いなく、上位にランクされているが、本当に6番目の評価を受けているか?人口だけでなく、様々な魅力作りをして、その街の持つポテンシャルを引き出し、街のパワーを付けていかなければ、競争の中で埋没してしまう。決して他の街と競争して勝つというような単純な競争ではない。魅力的と思ってもらえるようにその街の良さ、独自性を競う競争である。旭山動物園の旭川、駒大苫小牧の苫小牧、リゾート、スキー場のニセコ、世界遺産の知床。

このところ北海道は、全国的にまた全世界的に知名度を得ている街、事項がたくさんある。

 言い方は悪いが、宮崎は、自分にとって「シーガイヤが破綻した町」「巨人がキャンプ張る所」程度のあまり興味の無いところでしたが、東国原知事のおかげで興味を持つようになったし、かなり

よく知るようになりました。売り込み、知名度だけではありませんが、町のパワーをつけて、魅力のある街にして、とにかく町の外の人たちから興味を持ってもらい、人、もの、お金を集める努力をしなければ、いくらその狭い町の中で頑張ってもジリ貧になってしまいます。たかが札幌、されど札幌、札幌に人以外はそこからスタートですがその人たちに札幌が一番住みやすい、札幌で働きたい、札幌に行きたい。そう思わせる札幌にしていきたいものですね。その1つとしてコンサドーレ札幌に何とかJ2で優勝、J1昇格を遂げてもらいたいです。それが結果的に札幌のパワーを生み出すことになるものと思います。今年もコンサドーレを精一杯応援します。


洗練された札幌の賃貸マンション、ニューシティレジデンス・プライムアーバン

カルチャーを創る

 自分はもともと、独立志向はあまりなく、サラリーマンとして体制の中で力を発揮するタイプだと思っていました。ゼロから1を創ることより、できた1を10に100にする事のほうが向いていると。

 しかし、色々な経験をし、色々な事を見てきた中でゼロから1を創ってみたい。世の中に無いものを創ってみたいと考えるようになり独立、企業しました。独立したからには、ただ、商品を作るだけではなく、そこからカルチャーになるようなものを創り出したい。

 ソニーは、歩きながら聞けるラジカセを作ったのではなく、ウォークマンというカルチャーを創りました。ヤマト運輸は、宅急便と言うカルチャーを創り、TОTОは、ウォッシュレットと言うカルチャーを創り出しました。

 独立志向は、あまり無かった私ですが、小さいころから一番初めに商品(カルチャー)を創るにはものすごい苦労や努力があるはずだから、それに大しては敬意を払って、絶対に2番煎じは買わないと心に決めていました。携帯ラジカセははずっとソニーのウォークマンでしたし、今でも宅配便はできる限り、ヤマト運輸の宅急便にします。シャワートイレもできる限り、TОTОのウォッシュレットです。コーラはもちろんコカコーラですし、ウーロン茶はサントリーです。これは、私の美学、こだわりです。

 マンションを造る仕事をする我々は、市場に無いが顧客の求めているものを造り、それがカルチャーとして根付くものにしていく使命があります。ハード面だけでの商品開発をすることなく、ソフト面からカルチャーになりえる提案を常に心がけていきたいと考えています。