不動産屋のひとりごと -156ページ目

本物

 マンションを造る立場の人間として、どうしても見栄えが良く、お客さん受けの良いものを造ってしまう傾向があります。コストの事も有り、何でもかんでもはできないのでどこにポイントを持っていくのか?これが造り手の能力でもあります。

 お客さんは、基本性能、インフラの部分よりも壁紙、床材、建具、キッチン、洗面化粧台とかすぐに目に付く、自分の分かるところにしか興味がないのも事実ですから。しかし、私たちもプロですからお客さんの気づかないところをしっかりと考えてものを造る必要があります。私が、これまで色々御指導頂きながら学んだ事、プロの仕事としてやらなければならない事の中心は、

「後で変更のきくことより、変更のきかないことをしっかりとすること」 当たり前の事かもしれません。しかし、壁紙、床材は張り直しがきくし、建具(扉等)は付け替えが可能です。しかし、サッシュ(窓)、構造、ユニットバス等のインフラは変更が不可能ではないにしろ、かなり難しいのです。お客さんにご理解いただくのは難しいので、もちろん、目に付くところはかっこよく、見栄えのするようにしながら、なかなか理解されない基本性能、インフラをプロとしてしっかりする。大変な事ですが、これがプロとしてのこだわり、「本物」を造る事だと考えています。

 世の中、出来上がったとき、購入したときが一番良いものが多いですが、住みはじめが一番ではなく、時間の経過を考えてずっと良い状態が続く事を考える。購入したてはものすごくかっこいいけど洗濯するとよれよれになる服、美容室を出た時は、ものすごくかっこいいけど、髪が伸び始めるととたんにかっこ悪くなる髪型。これらは「本物」ではありません。「本物」は、時間の経過を考えてずっとかっこいいもの、味が出るもの、良い状態が続くものだと思います。プロのこだわり。ここにはこだわり続けたいですね。


おかゆと握り飯

 社会の高度化、複雑化の中で組織のあり方も変化している。一番身近で分かりやすいスポーツの世界でも組織のあり方が変わり結果に現れている。

 最近良く野球型組織からフットボール型組織へと言われる。監督が方向性を決め全権掌握し、試合中にグランドに入れる野球から試合が始まれば、プレイヤーであるキャプテンがチームを掌握し、監督はグランドに入れないフットボール。会社や組織も同じで今までは、トップの決めた戦力に忠実に従って遂行していれば良かったものが、変化が激しくなり各個人がおのおの判断をして変化に対応しなければならない時代になっている。

 おかゆは、米粒各々が個性をなくす事で1つのおかゆを構成している。一方握り飯は、米粒1つ1つがそれぞれ独立した米粒として存在して初めて握り飯である事ができる。頭が1つであるよりは頭がいっぱいの組織、それぞれが独立自尊で責任を持って判断し、行動する組織でなければ強くなれない。馴れ合いのおかゆから握り飯へ。確実に強く、成長する組織を作っていきたい。日本人はチームワークを助け合いだと考える傾向があるがチームワークは、チームの各人が自分の責任を確実にこなす事でチームの力を向上させる事にこそ意味がある。米粒それぞれが個性を持ち、責任を全うし1つの握り飯を構成する。フットボール型、握り飯型。そういう組織が私の理想です。



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スパイス

 海外に行くとつくづく感じますが、国の文化の一番の違いは、スパイス(味付け)なんだな?と。

各国の空港はその国のにおいがする ソウルはキムチ、成田はしょうゆ、地中海は、オリーブオイル、インドはカレー(カリ)。(アメリカはポプリ、ジェルのにおいがする気がするけど)

 不思議なものでまねや文化交流のせいか分かりませんが、どの地域でも皆 小麦粉等を細く伸ばして、そばにしたり、ラーメンにしたり、パスタにしたり、アジアのヌードルだったり、ビーフンだったり、お好み焼きだったりタコスだったり、ピザだったり。同じようなものを文化として持っています。違いは、スパイス(味付け) 辛かったり、甘すっぱかったり、しょっぱかったり。この違いが文化、民族のオリジナリティなんだなと感じます。日本に住んでいるから、日本語を話すからと言うより、やっぱりしょうゆが大好きだからつくづく自分は日本人なんだなと感じます。

 そばを食べ、しょうゆ好きである事が自分のオリジナリティであるように、ビジネスでも自分たちの独自のスパイスを作っていかなければ。

 インドには、カレー粉はなく、それぞれの家で独自のスパイスの調合をするといいます。簡単に誰にでも作れるように一般化した便利な商品は増えていますが、一般化から自分だけのこだわりの時代に移行する今、自分だけのスパイスを追及すること。これがこれからのテーマだと思います。まずは、カレー粉(カレールウ)を使わずに自分だけのカレーを作ってみようかな。



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シンガポール

 18日からシンガポールに行って参りました。これが2度目ですが、前回行った8年前とまた格段に変わった街に新鮮な驚きを感じました。

 あの街には、人を集めようとするビジョンがあり、アジアの中心になろうとする目標があり、集まった人のパワーがある。当然、人種の問題、貧富の差(日本よりも格差社会である。)等の問題は内包しているが、何よりも人が集まっている。人が集まるには、職場があり、遊び場があり、憩いの場があり、そして食があり、住むところがある。明確に都市計画で用途が分かれており、交通網が発達し、クリーンな街づくり、リサイクル社会、そして観光立国の使命感が街全体にみなぎっている。

 石原慎太郎東京都知事が危機感を持つのも分かる。このままでは、間違いなくシンガポールがアジアの中心になると思う。港湾、空港、交通網、物流整備、発展はそれを目指しており、東京も真剣に取り組まなければ(オリンピック誘致が良いかは分からないが)後塵を拝してしまう。

 4年後には、カジノも2ヶ所できると言う。それもセントーサ島、マリーナベイという巨大なリゾートタウンに。働き盛りのしかも高付加価値な人材をひきつけ、住み良く、働きやすく、しっかり休めて、外貨をしっかり稼ぐ。その上でお金を流通させる。様々な仕事を増やす。都市型繁栄のモデルではないかと思う。札幌のこれからの見本、それはシンガポールではないかと思う。日本国内での魅力の上での競争、アジアを中心とした国際都市間競争。そんなの関係ないというのは簡単ではあるが、その中で札幌であること、札幌が魅力的であることを真剣に考える時ではないか?と考えさせられました。カジノは良いか?分かりませんが、札幌の持っている魅力を再度見直して魅力ある都市へ官民一体で動き出す時だと思います。昔は良かっただけで良い時代では無い。

コンパクトシティではない。アジアの中の札幌。それが今の課題であると思います。



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皆さんのおかげです

 大学卒業以来、マンションの用地買収、開発の仕事をしていますが、自分自身には専門的な能力がありません。あえて言えばマンションを建設するための土地を探し、そこにどのようなマンションを建設するかを考える事ですが、それにしたって設計はできませんし、工事もできません。実質上マンションの販売もマンションの賃貸営業もできません。できるのはそのプロジェクトに関わる関係者の方が働きやすい環境を整える事、向かう方向を示す事、働く場(マンションを建設する土地の確保)を提供する事。「あなたと一緒に仕事すると働きやすい」このように言われるのが自分にとって最高の褒め言葉です。マンション建設の成果は、そこに関わる全員の成果。

誰か一人が手柄を立てることはありません。関係する皆さんのおかげです。一つの方向に向かってみんなで頑張る。高校の学園祭のような乗りも必要です。お互いがお互いに感謝する気持ちを持ちつつ自分の持ち場をしっかりやり遂げる。そのようにしてマンションは出来上がっています。


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