住宅を変動費に | 不動産屋のひとりごと

住宅を変動費に

 「家を持つこと」は皆が持つ共通の夢だと思います。自分も長らく分譲マンションの仕事をしてきて、疑うことなくそういうものだと考えてきました。しかし、私はどちらかと言うとあまり持ち家思考は無く、できれば色々な所に住みたいと考える方でした。最近は引越が面倒なので同じところに住んで居たいですが。

 賃貸マンションを造る仕事をするようになって持ち家と貸し家についてを真剣に考えるようになりました。これだけ世の中が「所有から使用」の時代なのになぜ家を買うのか?所得(給与)が成功報酬型になり、雇用形態が変化する中でなぜ住宅コストを固定費にするんだろうか?賃貸に住んでいれば、所得が多いときには、広くて家賃の高い家に、収入が減れば駅から遠いところか、狭いところか家賃の安いところにと変動費にできるのに。

 分譲マンションと比較すると長く住みたいと思える家が無いからだと言う結論に達します。ファミリー向けの賃貸マンションはもともと少ないし、狭いし、がさいし、何でこんなに分譲マンションと賃貸マンションは違うんだろう。分譲屋の常識では普通のことが普通ではない。お客さんも賃貸だから安ければいいと言う考え方が強い。

 その人の状況に応じてその人に合ったものを選べる。長く住みたいと思える。ずっと賃貸マンションで暮らしたい。そのように思ってもらえる賃貸マンションを供給する事。それが当社の使命なのだと考えています。

 世の中に無いものが世に出てそれがカルチャーになる。それがみんなの当たり前になる。住宅コストは変動費に。纏まったお金を手にして現金で買えるようになったらとびっきり立地が良く、かっこよくて住みやすい、高額の分譲マンションを買う。そういう時代が来るものと思います。

 もともと「マンション」て最上級のペントハウスみたいな限られた大金持ちが住む家のことを言うのですから。