闘病1年3ヶ月目 <抗がん剤治療11クール目>
今日は朝、機嫌よく目覚めたので、ベッドをテレビの見える位置まで動かして、
夫は日中はテレビを見たり寝たり、私と話したりして過ごしていた。
リビングのど真ん中にベッドがあるので、
子どもたちが帰ってくると、自然とベッドの周りを行ったり来たりする。
夫をはさんで、何気ない日常の会話が飛び交う。
夫が会話に交ざることは滅多にないけれど
何を話していたか明確にはわからないけど、息子が急に夫に向かって、
「幼稚園の頃に戻りたい。そうすればお父さん病気じゃないのに」
と言った。
私は一瞬ひやっとした
夫がどう思うか、機嫌が悪くならないか。
周りの私たち大人だったら、夫に気をつかってそういうことは言えないだろう。
子どもは素直だ・・・
・・・すると、夫は一言
「せいかい」
と言った。
いつもと比べて聞き取りやすい、はっきりとした太いお父さんの声で。
びっくりした
夫が息子の言葉を無視せずに、まともなことを言った・・・
夫はどんなことを思いながらこの一言を言ったのだろう。
自分が病気だと、この時はわかったのかな?
息子と遊んだことはほとんど覚えていないけど、
思い出せないだけで、夫の頭の中に少しでも思い出が残っているといいな
夫の異世界語録
「(調味料を見て)あ、これ!ヤフーのもと」
(どんな味がするんだろうね?!?!)
----------------------------------------------
重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています夫の一言一言が愛おしく大切です。
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。