2023年5月15日 手術から2ヶ月15日後
5月に入ってから頻繁に面会に行っていた。
5月の中旬を過ぎた頃、放射線治療が終わりを迎えたあたりくらいから、
夫に会いに行くと、目をつむったままブツブツと独り言を言っている日が多くなった。
きたよ、と声をかけてもおさまる様子はないどころか、また「うるせーな」の暴言が多くなってきた。
両手にミトンをつけられ、頭から布団をかぶり、ブツブツとつぶやき続ける夫を前に、
どうすることもできず時間がすぎる。
独り言に耳を傾けると、何やら自分が子どもになって「おじいちゃん」らしき人と話してたり、
自分が「おじいちゃん」になって小さな子をあやしていたり、、、
私たちには見えない人が見えているのか、「どけよっ」「いいかげんにしろよっ」などと怒鳴ったりしている。
独り言を言っていないときはずっと歯ぎしりをしている。
歯が削れてしまうのではないかと思うくらい、強く噛み締めて大きな音で。
夫の見えている世界は、今どんな世界なんだろう。。
面会に行っても会話ができない日々が続いた。
ストレスなのか、何か薬が合わないのか、、、
脳の病気なので、原因が何であれこういうことが起こってもしょうがない状態なのかもしれないが、
ただ、そんな夫に慣れるまでは衝撃的で悲しくて胸が張り裂けそうだった
助けてあげたいけどどうしようもない
私の知っている優しくて頼りになる穏やかな夫は、ここにはいない
現実を受け止めきれなくて、病院からの帰りの車の中で1人で泣いた
ひとしきり泣いて、家のドアを開けると、子どもたちの前では
何もなかったように普通に振る舞う。心配かけないように。笑顔のお母さんだ。
続きは3月21日(木)19時30ごろ更新します!
「どんな世界が見えているの?」