2023年1月19〜2月15日 <抗がん剤治療7クール目> 手術から11ヶ月目
去年のバレンタインの日、私はティラミスを作って夫の帰りを待っていた。
結婚して以来ずっと毎年作っていたティラミスだった。
夜勤が終わって迎えに行った車の中で「今年も作ったよ。ティラミスあるよー」というと
「マジで?食べる」と笑顔で答えてくれたけど、
その直後から様子がおかしくなり、結局食べてくれなくて、
1年経った今でも冷凍庫の中に、とってある。
このティラミスを作る前と作った後で、昭和と(平成飛ばして)令和ぐらい世界が変わってしまったので、
なんとなくとってある。
今年も作った!!
最近少し食べられる時もあるから、今年は絶対食べてもらおうと思って、
昼間から「バレンタインだからティラミス作ったよ。〇〇(←夫)が好きだったやつ。食べる?」
と隙を見て何度も声をかけて、うんと頷いたタイミングで食べさせようと思っていた。
・・・夜になっても頷かなかった。。。
今年もダメか〜 と諦めかけていたけど、
夕飯の後、子どもたちとティラミスを食べていた時、もう一度最後に声をかけると、
「うん食べようかな」と頷いた!!
ゆっくり口に入れてあげて、途中からは自分でスプーンを持って食べられた!
すかさず携帯で写真を撮る。
今年は食べてくれた!!!
私のしつこさに根負けした、というような表情。ちょっと無理やりだったけど。
やったー!!!
自分はティラミスが好きだったということもわからない夫、
ティラミスを食べたことも、数時間後には忘れるだろう
でも「おいしい」と言ってくれたから、それで十分
あと、何回食べてくれるだろうか。
夫の異世界語録
「ウッチャンとナンチャンとテレビに出る」
(そんなツテないから、無理だと思うよ〜)
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています夫の一言一言が愛おしく大切です。
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。
続きは4月28日(日)19時30ごろ更新します!
「会社の同僚との再会」