<抗がん剤治療11クール目>
無事抗がん剤治療の5日間が終わって、今日退院だった。
10時半ごろには車椅子に乗れたので、
タクシーが11時にくるまで病院の外を散歩することに。
車椅子を押して病室を出てエレベーターまで来た。
1階の出口に行くために「下へ行くボタン」を押すと
夫が「上だろ!!」と上へ行くボタンを押そうとする
「1階へ行くから下だよ」と何度説明しても「上だろ」と言い張る。
「下」と認識しているけど「上」と言ってしまうのだろうか?
それとも上の階から1階へ行くには下へ降りる、ということがわからなくなってしまっている?
1階に降りて出口に向かっていると
「今何時?」と夫が聞いてきたので、病院の中の時計を指差して「10時半だよ」と答えたら
「まだ9時半」と言う
何度説明しても1時間前にずれた時間を夫は言う。
家でも度々あった。
時計を全く読めない訳ではない。
1時間ずれるのだ。
14時半の時計を見て、13時半と言ったり。
脳の中で1時間早く変換されて認識してしまう?
本当に、不思議。
夫自身は間違っていると思っていないので、私もムキになって訂正することはしない。
外で散歩をしていると、夫は「あったかくて気持ちいい〜」と嬉しそう
散歩しながら私とも会話をするけど、
右脇下あたりに子ども?の気配を感じるのか見えているのか、
時々その子にも話しかける。
「ね?そうだよね〜」みたいに、本当に存在しているかのように。
介護タクシーの中でも、その子のことを指差し
「こいつは午後から学校なの?」
と聞いてきた。
ついてきちゃった子が、本当に幽霊とかだったらちょっと怖いけど
多分その子はいつも夫のそばにいる子なんだと思う。
(脳の障害で子どもがいるように感じている。夫だけに見えている、3人目のこども >)
「そうなのかな〜」と私はうまくはぐらかす。
今日からまた家での介護が始まる。
気合い入れないと!!
夫の異世界語録
「あそこの爺さんに軽井沢の件、声かけてるのにうんともすんとも言わねーんだよ、もういい?」
(うん、多分夫にしか見えてない人?なのかな?軽井沢の件って何だろう〜)
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています夫の一言一言が愛おしく大切です。
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。