ここまでの経緯
救急搬送、緊急手術までのお話は→
＜抗がん剤治療10クール目＞ 手術から14ヶ月
最近起きた、びっくりしたこと。
夫が先日、ベッドの上でいきなり足の膝から下を曲げたり伸ばしたり動かし始めた。
夫にしてはとても激しく動かしている。
かかとでベッドのマットを掘るように、足の裏をこすりつけながら。
「え、え、どうしたの？！ 大丈夫？」
と聞くと、夫は一言
「およいでる」と
えーーーー！！！！
今、夫は海の中か、プールにいるようだ。
必死に息を切らしながら、ずーっと足を動かしている。
夫は着替える時など、麻痺で身体が痛くて素早い動きはできないはずなのに、
この時は、見たこともない激しい動きをしていて本当に心配になった
「え、ちょ、もうやめといたら？！ 足、大丈夫？ ここは自宅のベッドの上だよー！」
と、動きをさえぎろうとするけど、夫は
「大丈夫！ もう少し！」
と一向にやめようとしない。
足の動きを見ると、まるで尾びれを動かしているよう。
え、、、？夫、魚になってる？
なんか、もう、夫、人魚に見えてきた。
脳の中で、自分が人間じゃないものになるってあり得るのかな？！
娘はちょっと離れたところで、必死に笑いをこらえている。
このまま1日ずっと動きが止まらなかったらどうしよう・・・
どうしよう、どうしよう、めっちゃ不安
・・・しばらくしてやっと動きが止まった。
疲れたのか、夫は何事もなかったかのように、眠ってしまった。
静かになった・・・
「お父さん、今日相当リハビリになったよね」
と、娘に言うと、娘もニンマリとうなずいて親指を立てて
グッドの仕草をした。
あの動きは、あの時限りだったけど本当にびっくりした。
夫、久しぶりに泳いで、気持ちよかったかな〜
夫の異世界語録
「チキンシートたのめる？早めにおねがいします」
（夫、これはごめん！！なんのことだった？
全然わからんーーー）
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています
夫の一言一言が愛おしく大切です。
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。
