2023年11月24〜12月2日 <抗がん剤治療5クール目> 手術から9ヶ月目
夫に誰か会いたい人がいるか聞いても、普段答えることはなかった。
こんな姿になったところは誰にも見られたくないかな?
覚えていない人にあっても混乱するかな?
色々考えてしまって、今までずっと夫の病状を誰にも言っていないし、お見舞いにも呼ばなかった。
そもそも今までいっぱいいっぱいで、来客対応ができる余裕がなかった
夫は、気持ちを落ち着ける薬や幻覚・幻聴を軽減する薬を調整してもらったおかげで
在宅介護が始まった8月に比べだいぶ、落ち着いた時間が増えていた。
誰かに会うことが脳に良い刺激になるのなら、と思い、
まず夫の中学からの親友に夫の病状をお知らせした。
夫は覚えていないかもしれないこと、話がチグハグで聞き取りにくいこと、
感情がコントロールしにくいこと(途中で怒ってしまうかも)、など伝えた。
夫の友人はすぐに電話をくれて、来てくれることになった。
夫には事前に名前を伝えたが、ピンときていないよう。心配で不安だった。パニックにならないだろうか・・・
友人が家にやってきた。夫は布団を頭から被って友人を見ようとしない
でも・・・!!!
夫の友人が夫の名前を何度か呼びかけているうちに、夫が顔を出した!!!
友人の名前は出てこなかったが、しっかりと顔を見て挨拶を交わした!
昔の思い出話に対して、覚えているような覚えていないような反応をしながらも、時々笑顔が見られる。
友人は、変わり果てた夫の容姿も気にもせず、自然に接してくれたのが本当にありがたかった。
家族や介護・看護の方以外と話すのは9ヶ月ぶり。
途中「サルが肩にのっている」と言って騒いで友人を驚かせてしまったけど・・・
和やかな時間が1時間ほど過ぎて、夫は疲れたのか目をつむり始めたので、お開きに。
午後、夫は友人と過ごした時間のことは覚えていなかった
以前だったら「会ってない!!」と怒っていたが、
この時の夫は「覚えてない・・・そうなの?」と穏やかに寂しそうに言った。
少しずつ自分の記憶が持たないことが理解できてきているのかもしれない。
私は、友人と夫が話している様子の動画や画像を見せながら
夫に「懐かしい話で盛り上がってたよ。楽しそうだったよ」と伝えた。
夫が楽しい時間を過ごせて、本当に良かった。
でも、その体験を覚えていられない夫は、どんなに辛いだろうか。。。
楽しい体験、嬉しい感情が夫を穏やかにする薬になればいいなと思う。
今日の夫の異世界語録
「ごえもんくんは、なんじにくるの?」
(五右衛門くん
誰のことだろ。しぶいな)
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています夫の一言一言が愛おしく大切です。
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。
続きは4月22日(月)19時30ごろ更新します!
「夫の友人たちへの告知」