2023年9月29〜10月26日 <抗がん剤治療3クール目> 手術から8ヶ月目
抗がん剤治療3クール目が始まった。
今回から夫は車椅子で介護タクシーに乗り、がんセンターへ行くことになっていた。
朝、いつもより30分早い時間にヘルパーさんがやってくる。
私は、入院の準備でバタバタ。。。平日なので子どもたちの学校の準備もあり慌ただしい
夫が目を覚まして、何か言っている。
夫は麻痺によって口元が歪んでいるので言葉が聞き取りづらいので、
いつも、会話をするときは口元を凝視しながら、かなり時間がかかる
今日は忙しかったため手を止めてゆっくりと夫の会話に付き合う余裕がなく、適当に流してしまっていた。
それがいけなかったのか、周りのバタバタした空気が夫を刺激したのか、
ヘルパーさんがくる前から荒れて不穏な夫。。。
案の定、ヘルパーさんが来ても無視&激しく拒否。からの暴言
ヘルパーさんは「待ちますね」と言ってくださり、夫が落ち着くまでしばらく見守ってくださっていた。
5分くらいで怒っていたことを忘れ元に戻る時もあれば、全然ダメな時はいつまで経ってもダメだ。
今日はダメな日だった
ヘルパーさんを睨んで掴みかかろうとする
ヘルパーさんの契約時間は30分。介護タクシーが来るまでに着替えて車椅子に乗せなければいけないのに、私は焦る。
思わず「わがまま言わないで!」と夫に向かって大きな声を出してしまう。焦れば焦るほど、夫はヒートアップ。
もう、最後はみんなで夫を押さえながら、失禁で濡れている服を脱がせた
そして服を半分着せたところで時間切れ。
「中途半端でごめんなさい」とヘルパーさんは申し訳なさそう
「こちらこそ本当にすみません」と私は、いろんな感情が混ざってしまいその場で泣いてしまった
夫は、みんなに押さえつけられて嫌だっただろう。
こんなことで泣いてしまう自分もすごい嫌
「奥さん、大丈夫ですよ。誰も悪いわけじゃないんです」
と言って背中をさすってくれたヘルパーさんの優しい笑顔と言葉が胸にしみる。
結局、夫は介護タクシーがくるまでの10分ほどの間、半裸状態でベッドサイドに座っていて、
もう人が変わったように落ち着いていた。さっきまでの怒りは頭にない。
介護タクシーの方が服を着せてくれて、車椅子に乗せてくださって、無事がんセンターへ行くことができた。
がんセンターへ着くと、夫は「ここは会社?」と混乱している。
癌になってしまって抗がん剤治療が必要なこと、これからそれをすることを一通り説明する。
わかっているのかいないのか「ふーん」と言って目をつむってしまった。
抗がん剤なんかしたくないよね。会社に行って仕事したいよね。朝はごめんね、とまた泣きそうになる
無事がんセンターへ入院でき、ほっとしたのも束の間。
翌日に、待ってましたとばかりに息子がまた熱を出した。
普段私にかまってもらえない息子は、夫が入院する期間によく熱を出す。「かまって熱」だ。
小学校に入って初めての運動会、楽しみにしていたのにお休みした。
3クール目の抗がん剤治療は、5回中4回無事にできて家に帰ってきた。
今日の夫の異世界語録
「切り株がある。木を切りに行かないと」
(今日の夫は、きこりですか)
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。
続きは4月14日(日)19時30ごろ更新します!
「大きなフクロウと黒いヒョウが夫を攻撃する」