今回紹介するのは、MISIAも参戦した昨年のバトル形式の歌番組『歌手 当打之年(歌手2020)』に、奇襲歌手として登場した黄霄雲(ファン・シャオユン)です。
こちらがその中の一曲、阿冗の『你的答案』です。

権利の関係なのか、動画がアップ出来ないようなので紹介出来ずに残念ですが、彼女が最初に歌ったのは、五月天(MAYDAY)の『少年他的奇幻漂流』で、これがコロナ影響前のフルバンドによる完璧なアレンジと超絶な演奏で、素晴らしいパフォーマンスでした。
しかし、黄霄雲は奇襲を成功させるものの、その後の順位は最下位が続き敗退しました。
C-POP界の頂点に君臨するジェーンと比較されるなんて凄い!
さて、今回彼女を紹介したの理由は、こちらで書いたバークレー校出身に表される音楽的素養の高さといった話の流れとして、教養はもちろん大事なものの、それだけではC-POPの最前線には居られないということが言いたかったからです。
昨年、浙江衛視の『新声请指教』という歌番組が放送されましたが、この番組は中国の14の音楽校とバークレー校の在学生がグループを組んで、そのパフォーマンスを競い合うものです。
黄霄雲は、『歌手2020』の出演とかけ持ちだったのですが、彼女が在籍する中央音楽院の代表として出演しました。
そして、この番組では、彼女の実力は完全に一人抜きに出ていました。
彼女は優秀学員として、第8期の開場ステージで2017年リリースの自身の楽曲『还可以爱吗』を歌いましたが、この圧倒的歌唱力には痺れてしまいました。


因みに、バークレー校メンバーのパフォーマンスには、評価員として参加した同校の先輩于文文も加わっていました。
これがパッとしなかったんです。特にギターは何だこりゃという感じ。

こういうのを見ると、バークレーも大したことはないんだなと思ってしまいますし、音楽を専門に学んだからといって、人々を魅了する音楽を奏でることが出来るとは限はないと改めて気付かされます。
でも、こういった音楽を志す可能性のあるアーティストの卵をフューチャーしていること自体が素晴らしいですね。
黄霄雲は、2018年の『梦想的声音 第三季』にも出演していました。
番組側との相性もあって、どれも素晴らしいパフォーマンスでしたし、この番組での彼女の評判はとても良かったようです。

そして、遡ること彼女が16歳だった2015年には『中国好声音 第四季』に出場し、ベスト16に入っています。
以前にもさらりと紹介しているのですが、彼女が歌った『All by myself』は神がかっていました。

この時の彼女が、この若さで「歌手」に声が掛かる程の逸材黄霄雲だったのだと、後から気づいてにんまり。
まさに巨大で実力主義の中華圏ならではのシンデレラ・ストーリー
そんな彼女も、同時期のある番組のステージでは圧倒的なトップなのに、別の番組のステージではビリ欠というビックリの現象でしたが、其々の結果は妙に納得。
未来のスター発掘系の番組では、ちゃんと巧い秀才が頂点を極めても、ベテランも参加する「歌手」のような番組では、巧いだけではない神がかった領域に達しないと結果が出ないことも当たり前にあり得ます。
実力がちゃんと評価されるC-POP界。なんて、層が厚いんでしょうか。
だからC-POPが好きなんですよね。